乖離
それでもジョブは 前に進んでいて、
答えのない問いに向き合うことはやめていた。
いや諦めたと言ったほうが正しいのだろうか。
これはもう
過剰自己観察だとジョブは認識していた。
自分の状態を。
ジョブはもう、自分のおかれた変わることのない状況に
耐えきれなくなっていた。
それがジョブの生きる人生で
すべてはこうあるべきことで
はじめから決まっていたのかもしれない。
これがカルマなのだろうか。
そうでも考えないと
自分を保っていられなかった。
この絶望を経験して
いまここにいて
ジョブは、一度死んだのだ。
それが、ジョブにとっての、責任をもって生きるということなのだ。