それでもジョブは 前に進んでいて、 答えのない問いに向き合うことはやめていた。 いや諦めたと言ったほうが正しいのだろうか。 これはもう 過剰自己観察だとジョブは認識していた。 自分の状態を。 ジョブはもう、自分のおかれた変わることのない状況に 耐えきれなくなっていた。 それがジョブの生きる人生で すべてはこうあるべきことで はじめから決まっていたのかもしれない。 これがカルマなのだろうか。 そうでも考えないと 自分を
ジョブは 冤罪の事件を聞いたとき なぜだか自分自身を重ねてしまった。 冤罪の彼は もう無罪を証明できたが、冤罪の傷からは解放はされていない。 信じてもらえない それが 彼の話と ジョブとの共通点のように感じた。 苦しみの。
どこかで誰かがジョブを 何かの病気と判断してくれたら、 いやそうじゃなくて、 ジョブの症状を信じて、真剣に寄り添ってくれたなら こんなに病的な状態にならないで こんなモンスターのようなこころに ならないですんだのではないだろうか。 わたしはジョブのことがすべてわかるから ジョブがかわいそうでかわいそうでしかたない。