〜ぽい・〜がち・〜気味 意味・使い方【例文付き】 <忘れっぽい? 忘れがち? 忘れ気味?>
今日は「〜ぽい」「〜がち」「〜気味」の使い方についてまとめます。
この3つは「〜する傾向が高い」という点で共通していますが、使われる文脈に違いもあります。
今回は『現代日本語書き言葉均衡コーパス 中納言』というコーパスを活用しつつ、特に母語話者の使用にフォーカスを当てて分析していこうと思います。
現代日本語書き言葉均衡コーパス 中納言
〜ぽい
【形】N / V(普)/イA〜い/ナA〜だ+っぽい
【意味】
<イメージ>
意味①見た目・様子が類似している
意味②多さ(量が多い、もしくは頻度が多い)
意味③近い状況にあると判断する
【例文】
①最近の子供服は大人っぽいデザインのものが多い
①彼の言っていることはなんだかウソっぽい
①安っぽく見えるTシャツでも数万円することがある
②この部屋はなんだかほこりっぽい(量)
②分量を間違えて粉/水っぽいお好み焼きになっちゃった(量)
②私、怒りっぽい人は好きじゃないの。あと、飽きっぽい人も!(頻度)
③A:Sさんってもう来てる?
B:まだだよ。さっき連絡あって○時には来るっぽい。
A:そっか。ありがと。
【ポイント】
コーパスでは他にも「今っぽい」「忘れっぽい」「黒(しろ)っぽい」などがよく見られました。
「〜ぽい」には意味が3つほどありますが、その根本は「近さ」にあるので、イメージ図を見せた上で意味を導入すればそれほど混乱したりしないのではないかと思います。
〜がち
【形】N / Vます+がち
【意味】頻度が高く、よくする
【例文】
・体調が悪く、最近は学校を休みがちだ
・焦っているときは大切なことを見落としがちになる
・コンビニ弁当ばかりだと栄養が偏りがち になる
不足しがち
☆ありがちな失敗でも、起きたときには「自分はダメだ」と思いがちだ
考えがち
☆彼女は 遠慮がちに 質問に答えた
うつむきがちに
ためらいがちに
【ポイント】
☆はコーパスで見た時に多かったものです。他にも「〜になりがち」「〜てしまいがち」なども多かったです。
こうしてみると、頻度の中でも「〜がち」は個人的な事象より一般論に馴染みがある、つまり「こういう状況になると人はよく〇〇する」という文脈で使われているように思われます。
〜気味
【形】N / Vます+気味だ 気味にV 気味のN
【意味】一時的にある状態に陥っている。傾向にある。
【例文】
・A:大丈夫ですか?顔色悪いですよ?
B:うーん、最近ちょっと☆風邪気味 でね、、
☆寝不足気味
☆疲れ気味
☆電車が遅れ気味なので念のため会社に連絡を入れる
・最近暑くなってきて夏バテ気味だ
・応援していたチームが勝って、集まっていたファンは興奮気味だ
【ポイント】
「気味」にはもともと「気持ち。快・不快の感覚。」という意味があるため、コーパスで調べた際に最も多かったのは「不気味」「気味がわるい」でした。
今回紹介する意味に直接関係はありませんが、学習者がよく目にする言葉でもあると思うので扱う際には触れてあげてもいいかもしれません。
まとめ
「〜ぽい」「〜がち」「〜気味」の3つは「〜する傾向が高い」という点で共通している。
コーパスで調べて分かったこと
・「〜ぽい」の意味は大きく分けて3つ
意味①見た目・様子が類似している
意味②多さ(量が多い、もしくは頻度が多い)
意味③近い状況にあると判断する
・「〜がち」は一般論「こういう状況になると人はよく〇〇する」という文脈で使われている
・「〜気味」は一時的にある状態に陥っていることを意味する。コーパスでは「不気味」「気味がわるい」の使用が多かった。
この記事は以上になります。
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