釣りエッセイ「試考策魚」Vol.1 アユイング(2)
「釣れない」から「釣れるようになる」までがとても楽しい。
興味を持って、調べて、作って、試して、振り返って。フィールドで気づいて、時に自然に教えられて、感動して・・・そしていつの日か「釣れるようになる」。
これが、たまらないのです。
今回は「アユイング」第2話です。
6月は雨が多く本流は増水したままなので、前回とは違う支流へ出かけてみることにしました。
川幅は狭く、立ちこんで魚を散らす事が少なくて済みそうですし、場所によってはルアーロッドの長さでも流心に届きそうです。
流れの中の黒く見える場所へミノーを誘導し、ステイさせ、ボトムを叩かせます。群れアユの姿はありませんが、浅瀬にはハミ跡を見つける事ができました。アユはきっとこの何処かに居ます。
縄張りを守るアユの気持ちになってみれば、ライバルがそこにずっとにいるのも嫌でしょうが、近づいたり、遠ざかったり、縄張りから出たり入ったりされるものきっと嫌に違いありません。そこでミノーを狙いの石から遠ざけたり、近づけたり、ロッドを立ててミノーを浮かせたり、寝かせて沈めてボトムを叩かせたり・・・これらを繰り返し続けていた時です。
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