現役弁護士が刑事裁判の文書を破って起訴された事件の初公判(被告人に寄り添うあまり自身が被告人になっちゃった弁護士さん)
現役の弁護士が裁判所内で刑事裁判の文書を破り、公用文書等毀棄罪で起訴された事件。事件発生から1年以上経過した令和6年10月30日、事件が起こった大阪地方裁判所で初公判が行われました
一体どういう経緯で文書は毀棄(きき)されたのか。また弁護士である被告人はどのような意見を法廷で述べるのか
公判前に「X」で期日を拡散
初公判に先駆けて、弁護士である被告人中道一政氏はSNSの「X」を使って自身の公判期日をポスト。その影響もあってか開廷時間前には、503号法廷前に弁護士、報道記者、常連の傍聴人など多くの人が傍聴するために列を作りました。被告人本人も早めに法廷前に到着しており、やや緊張の面持ちで開廷を待っていました。「制裁裁判」でお顔出しで報道された頃に比べ、髪が伸び、見た目の異質さは軽減されています
被告人の服装は下はスラックスのズボン。上は白いシャツにえんじ色のアメリカンなロゴの入ったスウェットパーカーを重ねた、オフィスカジュアル!? 自身が弁護人の判決公判では、スーツ姿にメガネもコンタクトに変えて織田裕二ばりのぎょろ目で挑むのに、なんでこんなラフな姿なんだと疑問。その問いに「何かあったらすぐ対応できるように」と、拘束された経験を踏まえてのチョイスのようでした。しかし、検事さんのように書類を風呂敷に包み、肩に引っ提げてやって来る姿はいつもの中道弁護士で、多少の意気込みは感じられました
法廷の扉は開廷時間である13時30分の数分前に開き、あっという間に37席ある傍聴席が数席残して埋まりました。記者席はなく、すべて一般傍聴席。法廷の柵内から傍聴席に向けて、廷吏さんが左右1名ずつ座っていました。ちなみに、満席になった場合、一旦退出した人は再度法廷の外で並ぶよう職員さんからアナウンスがありました(お手洗い除く)
弁護人と区別がつかない被告人
法廷の中に入ると目に入ったのは、弁護人席で主任弁護人の隣の椅子にどっしり腰かけ、一見弁護人と区別がつかない被告人。公判は程なく開廷しました
裁判長の「被告人の方は証言台へ」といういつもの口調の声かけに対して、被告人は「弁護人席で」と、証言台の前に行くことを断り、その場で人定質問に入りました。その後も被告人は証言台へ行くことはなく、最後まで弁護人席の左側に1名、右側に2名の弁護人に挟まれた位置で協議しながら進行
かっちりした格好の弁護人3名と並んで座っていて、被告人と見分けがつくのは、カジュアルな服装くらいでした
「一応、弁護士」
人定質問で「職業」を尋ねられ、少し悩んだ後に「一応、弁護士で」。ここは黙秘することもなくスムーズに進みました
被告人の立場でも「異議です!」
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