なぜ「命を守る備え」と「命をつなぐ備え」に分けるのか?
「地震安心コーディネーター」と名乗るからには少々厳しい現実もお伝えします
私が地震工学を志したきっかけとなった「阪神淡路大震災」。
多くの木造家屋が軒並み倒壊し、その倒壊した家屋によって被害が拡大したといわれています。
以下に、阪神大震災で実際に起こった、少し厳しい事実を列挙します。
(参考文献:大地震死んではいけない! 間違いだらけの「常識」に騙されるな!/ 株式会社レスキューナウ編 / 東京大学教授 目黒公郎監修 / NPO法人東京いのちのポータルサイト協力、講談社+α文庫、2008年)
・阪神大震災で亡くなった方のほとんどは「家屋の倒壊、大型家具の転倒」によるもので、死者の8割以上は地震発生から15分足らずで亡くなっていたそうです。
・家屋や家具の下敷きとなって避難することができず、火災から逃れることができなかった方もいます。
・家が倒壊したことで、人命救助が優先されたり、初期消火ができずに火災が拡大しました。
・倒壊した家々で道路が塞がれ、救急車や消防車などの緊急車両が入れず、救出活動が遅れました。
等々・・・
どうでしょうか?びっくりしませんか?
大地震が発生した瞬間に、大地震に耐えきれない家の中にいた人や、家具が倒れる方向にいた人は、もう、救える余地がなかったのです。
だとすれば!
「大地震に耐えられる家に住む」
「大きな家具が倒れないように工夫する」
この2つを真っ先に優先して行っておけば、これから先の大地震で命を落とす可能性はずっと小さくなり、安心してご自宅で過ごすことができそうですよね。
また、家が倒壊しないということは、「ご近所の住民のみなさんの命を助ける事にもつながる」ということを知っておいていただきたいのです。
大地震が発生した瞬間に命が守られなければ「防災グッズ」も「食糧備蓄」も無意味になる
このような理由から、私は備えの優先順位を守りましょう!ということを訴えています。
まずは地震の瞬間に「命を守るための備え」があってこそ、防災グッズや備蓄のような「命をつなぐ備え」が本当の意味を成すと考えています。
私が推奨する備えの優先順位は、防災士の資格を取るための勉強会で、ある先生が話された、非常に心に残った講話をヒントにしたものです。
「今、多くの人がやっている防災対策は、順番が違うと思います。
阪神の地震で亡くなった人たちは、今生きている私たちに、地震で死なないようにするためになんという言葉をかけると思いますか?
『食糧を備蓄しておきなさい、水を用意しておきなさい』
ということを言うと思いますか?
違いますよね。
『地震が来ても倒れない家に住みなさい!』
『地震が来ても大きな家具が倒れないようにしておきなさい!』
地震で亡くなった人たちは、私たちに必ずこのようなことを言うはずです。
本当の防災とは、”亡くなった人たちの声を聴くこと”なんです。」
十数年前にこの言葉を聞いたとき、本当に心の底から「防災」というものの概念が覆されました。
みなさまも、ぜひ一度、考えてみていただければと思います。
「震災で亡くなった人たちは、今を生きる私たちにどんな言葉をかけるだろうか?」と。
この言葉を想像することで、本当に必要な防災対策が見えてきます。
亡くなった人の声を聴く。
そしてそれを具現化して、地震で亡くなる人をゼロにする。
これを世の中に正しく広めていかなければならないんだ。
今も、私はこのような想いを持ち続けて、活動を開始しました。
そして、地震の不安に踊らされるのではなく、
私の発信や言葉に触れたみなさまが、
「これをやっておけば安心!」
というポジティブな明日を迎えられるような活動を目指したいと思っています。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
私がご紹介していく地震対策は、今と未来をポジティブ&ハッピーに生きるための取組みとしてご活用いただければ幸いです。
皆様の安心な暮らしの一助となりますように。
毎日を安心して暮らせますように。
地震対策をもっとポジティブに、もっとハッピーに。
地震安心コーディネーター Megu