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弾み車の法則_社長ブログvol.5
はじめに
株式会社ジャスト代表取締役社長の角田賢明です。
”弾(はず)み車の法則”って聞いたことありますか?
アマゾンの創業者であるジェフ・ベソスも徹底的に研究したという”弾み車の法則”。これは会社が継続的に飛躍するための考え方です。偉大(グレート)な会社は、勢いを生み出す弾み車を構築し、それを回し続けることで大きな成功を収めているといいます。
今日はジャストが偉大(グレート)な会社になる為の弾み車についての考察を書きます。
弾み車の法則とは何か?
弾み車の法則は、世界的に最も影響力のある経営書とされる『ビジョナリー・カンパニー』の中で出てくる成功の為の法則の1つです。
ビジョナリーカンパニーとは、長期にわたって繁栄する偉大な企業のことを指します。
経営書『ビジョナリー・カンパニー』は「偉大な会社を動かすものは何か?」といい問いに対して、「6千年分以上の企業史を分析し、ビジョナリーカンパニーになる為の正しい経営の在り方をまとめた虎の巻」です。1994年に発刊された「時代を超える生存の原則」シリーズ以降、1から4まであります。(1冊ごとかなり分厚いです。)経営職を担いたい方には、かなりお奨めの本です。
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1冊の本を書くのに6年間も費やした?
『ビジョナリー・カンパニー』はアメリカのビジネス・コンサルタントであるジェームズ・C・コリンズの著書。企業が永続的に素晴らしくあるための要因(どんな共通点があるのか)を探求した、6年間の研究プロジェクトの結果からなります。
インターネットのない時代に膨大な会社の事業分析、役員や社員にヒアリングなどをして、長期的に反映する普遍的な共通点(法則)を見出し、世に伝えてくれたありがたい本です。世界の多くの経営者がこの本を読み、経営の参考にしているのです。
弾み車の法則とは?
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「弾み車の法則」とは、『ビジョナリー・カンパニー2』で著者が示した、偉大な会社に飛躍するための法則で、強い会社は、勢いを生み出す弾み車を構築し、それを回し続けることで大きな成功を収めているという
Amazonも弾み車を研究し成長した!?
[本書抜粋] 2001年秋、アマゾン・ドットコムから声がかかり、創業者のジェフ・ベゾスをはじめ数名の経営幹部と議論する機会に恵まれた。
ドットコム・バブル崩壊の余波が深刻な時期で、どうすればアマゾンは復活できるのか、いずれ偉大な会社になり得るのか、懐疑的な声もあった。
私はそこで、我々の研究で明らかになった「弾み車効果」について語った。
良い会社から偉大な会社への飛躍は、たった1つの決定的な行動や壮大な計画、驚異的イノベーションがもたらすのではない。それはむしろ、巨大な重い弾み車を回し続けるようなものだと。
力いっぱい押すと、弾み車はほんの数センチ前へ動く。さらに押し続けると、ようやく1回転する。そこで手を止めずに押し続ける。2回転、4回転、8回転…。回転に勢いがついてくる。1000回転、1万回転、10万回転。すると、ある時点でブレークスルーが起きる。勢いのついた弾み車は、飛ぶように転がっていく。
どの回転も、それまでの努力の上に成り立っている。優れた意思決定をする、それを完璧に実行するプロセスを1つ、また1つと積み重ねていく。偉大さとは、こうしてつくられるものなのだ。
Amazonが考え抜いた弾み車の法則
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著書の中でamazonの弾み車が紹介されています。
①より多くの商品の価格を下げる
②サイトの訪問客数が増加する
③サードパーティの売り手が集まる
④品ぞろえが広がり、配送網が充実する
⑤固定費あたりの売上が伸びる
(これを回し続ける)
①より多くの商品の価格を下げる
・・・・
『Amazonの成長が止まらないのは、ひたすら「弾み車」を回し続けているからだ』と著者のジム・コリンズは言います。
弾み車の法則のまとめ
経営書『ビジョナリー・カンパニー』に出てくる成長・成功の法則
偉大な会社は、勢いを生み出す弾み車を構築し、それを回し続けることで大きな成功を収めている
Amazonも弾み車を研究・実践、何億回とまわすことで成功を収めた
ジャストの弾み車を考察する
世界で最も影響力のある経営思想家であるジム・コリンズは、偉大(グレート)な会社になる為には弾み車を法則を考え、何億回も回し続けなければならないという。では、ジャストがグレートな会社になる為の弾み車とは何かを考えてみました。
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5月の全国拡大所属長会議ので紹介したジャストが長期的に成長する為の弾み車です。
①次もまた頼みたいと思う、信頼される良い仕事をする
→②ジャストのファンになる
→③競争少なく受注し、高利益を生み出す
→④生み出した利益で、良い人財を採用。新たな設備・教育(資格等)・イノベーション(R&D・DX)・職場環境への投資。
→⑤サービス幅拡充/社員成長。『困ったらジャストへ!』 が強化される
→⑥顧客からの依頼が増える
→①→②→③→・・・・
(解説)
①次もまた頼みたいと思う、信頼される良い仕事をする
②ジャストのファンになる
成長の原点はジャストのファンになってもらうこと。
その為には次もまた頼みたいと思う、信頼される良い仕事をするが重要です。
ジャストの経営理念の5番目に「仕事が仕事を生む精神を大切にする」と今年から追記しました。理念に加えた理由は、創業50年の歴史の中で何十万棟以上の仕事を受注・納品する中で、先輩方の技術力・熱心さ・誠実さ・スピード・創意工夫の仕事を通じてファンになってもらい、新しい仕事が生まれ、歴史を創ってきたことを、この節目の年に改めて全社員で共有し、大切な価値観をしたかったからです。これこそが弾み車の原点だと思っています。
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③競争少なく受注し、高利益を生み出す
ファンになってもらうと、生涯ジャストに発注してもらうことができます。最初の案件が100万円だったとしても、ファンになってもらい100回発注してくれたら生涯を通じて1億円の仕事となります。さらには営業も価格交渉が楽になり、しっかと利益を出すことができます。
④生み出した利益で、良い人財を採用。新たな設備・教育(資格等)・イノベーション(R&D・DX)・職場環境への投資。
潤沢な利益があると、将来に対する成長投資が可能となります。例えば、ジャストでは研究開発を担うNIT創成研究部や新規事業やマーケティング(営業支援)を担うイノベーション・マーケティング部があり、将来への投資をしています。また、JUST NETなどの社内デジタル基盤の開発やSlack・Zoomのような働き方を支えるDX投資も積極的にしています。
つまり、ファンが増えれば利益が出やすくなって、成長が可能になり、強みが生まれやすくなり、職場環境の為の投資が出来ます。また、ジャストでは利益の1/3を決算賞与・1/3を将来の為の内部留保・1/3を税金にという考えがありますので、ファンが増えれば、処遇も良くなり、会社の貯金も増えて、不況への備えや投資余力が増し、更には税金を納めて日本社会への貢献度も高くなるということになります。
⑤サービス幅拡充/社員成長。『困ったらジャストへ!』 が強化される
ジャストの事業戦略の根幹は「困ったらジャストへ!」です。「あらゆる構造物が安心・安全に利用できる世界をつくる」の企業使命のもと、年々、お客様の困りごとに対応できる範囲を広げていくことが成長の根幹となります。
同業他社では手をだせない新たな機械を購入して試したり、資格支援や新入社員研修の教育投資をしたり、採用で新たな知識と経験を持った方をジャストの仲間になってもらったりと、年々設備投資、教育、採用で「困ったらジャストへ!」を強化していきます。
⑥顧客からの依頼が増える
皆さんは何かのファンですか?
私は大阪に出張に行くと必ず行く、大ファンのうどん屋があります。うどんも勿論美味しいのですが、最後に「おおきに!」という言葉が心がこもっているように感じて、とても嬉しいのです。その「おおきに」という言葉を聞きたいがために行くと言っても過言ではありません、、、。
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ファンとなった私は、色々な人に「おおきに」の話を添えてこのお店を紹介しています。ファンになると誰かに紹介したくなる、又はその対象に対して役に立ちたくなるのです。皆さんもそんな経験ないですか?
ジャストのビジネスにおいても、ファンになってくれたお客様は、新しい仕事を発注してくれるだけでなく、新たな顧客(潜在的ファン)を紹介してくれます。ジャストの歴史の中でも沢山の紹介により、新たな仕事が生まれました。
そこで良い仕事をすることで、またファンが生まれる循環ができます。
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まとめ
ジャストがグレートな会社になる為の考察を弾み車の法則の観点からしてみました。書籍「ビジョナリー・カンパニー」にはこの他にも、成功の再現性を高める沢山の原理・原則が載っていますのお奨めです。著書「弾み車の法則」の最後にこんなことが書いてあります。
大きな成功を収めるのは、弾み車を10回まわしたら、さらに10億回まわし続ける会社だ。10回まわしたら新しい弾み車で一からやり直し、また、何か別のエネルギーを浪費する会社ではない。100回転、させたら、次は1000回転、さらには1万回転、1億回転と回し続けよう。勢いを強めていこう。
ジャストも弾み車を10回、100回・・・10億回まわしていくことで、ビジョナリー・カンパニーになれるのではないかと思うのです。
最後に皆さんに質問です
どのような仕事や行動が出来れば、ジャストファンになってもらえるでしょうか?
(株)ジャスト代表取締役社長 角田賢明