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ビラーゴしか勝たん!

能登から関西への帰りのPAで、ソロの女性ライダーから写真を取ってほしいと声をかけられた。
小柄で年の頃は40代ぐらい。茶髪を1本に編んだ髪を肩から垂らしている。
彼女のオートバイは黒のビラーゴ。年式は古いはずなのにタンクやホイルはピカピカでとても大事に乗っている事がわかる。
「ゴツいサイドバックついてますね」
「これねー、よく一緒に走るハーレーのオジサマがくれたの」
白と黒の派手目の蛇革のような柄のサイドバッグが目を引いた。
「ビラーゴ きれいに乗ってますね。」
「私、チビだから乗れるバイクないと思ってたのよ。そしたらこれがピッタリで。もう、これしかないの。」
という。
「普段はおじいちゃんたちに混ぜてもらって走ってるんだけど、一人で能登行くって言ったら笑われちゃったの。無理だって。それで ほな行ったるわ!って思って。でもメッチャ楽しかった。」
そう言うと彼女はサイン帳を取り出した。旅の記念に何か描いて欲しいのだそうだ。ページをめくってみると、いろいろなコメントが書き込まれていて、どこかのライダーのと思われるオリジナルのステッカーが貼ってあるページもあった。初めての一人旅で何か思い出の残るものをと思って持ってきたのだと言う。
道中の安全を祈る言葉を書いて渡してお互いに写真を撮った。
別れしなに、「ハーレー軍団に一人ちっさいのがいたら多分アタシだから、見つけたら声かけてくださいね。」
小柄だけどとても元気いっぱいの看護師姐さんだった。

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