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奥之院の比丘尼
比丘尼(ビクニ)の基本形は禅尼(僧形[剃髪]ですが、時代の変化で普通の仕事や家庭を持ちながらの修行者もいます。
今回は出家して具足戒(僧の戒律)を受けている尼僧さんの話です。※出家し戒を受けた男性は比丘。
私は空海和上を慕う咒師(祈祷師)なので、祈願成就のヒントを奥之院(御廟所)の御百度参りで考えます。
奈良の社寺にも百度石はありますが、御霊屋(奥之院)の百度参拝1周を廻る距離は、関西一かも?しれません。
観光地なので真冬の夜中に高野山へ上がり、ご迷惑をかけないようにしています。
逢うとしたら
小動物か高野山寺院の管理人みたいな方のみです。
30数年前から天候を予測して大雪警報の時に出掛けます。
その時の話をします。
大阪大東を夜7時頃に出発して大手スーパーで買い物、10時頃奥之院駐車場で夕食し、11時頃から開始です。
大雪ですが、御廟所周辺も建物周辺に積もります。
御霊屋前は石畳で足元はツルツルです。
滑りにくい靴か、足袋で安全確保です。
数の印は1円五円で行い、空海和上御霊屋入り口賽銭箱前で一回とします。
御廟所の石畳は南北に長く、お灯明と線香立てが左右にあります。
百度参拝(祈願)は、人に知られない!人に会わないが原則ですが、勝手に参らせて頂いて、弘法大師さんの眠りを邪魔するわけですから気は引けます。管理人に逢えば、軽く会釈します。
そして、もう1人はいつも遇う比丘尼さんです。比丘尼さんには挨拶はしません。
彼女も気を遣い、私と同じで迷惑かけない所作事で、線香立ての灰を均します。
丁重に‥。丁寧に。
比丘尼さんは均した後は手を合わせ、風のように去られます。
私は百度参拝後は、灯明・線香が消えるまで手を合わします。
彼女は私の念に気遣い、灯明/線香も上げずで帰られますので、彼女のために幸福と健康に手を合わします。
出家修行者の毎日の仏事を邪魔した行為は、反省しかありません。会うたびに、どれだけ感謝したことか‥。
彼女は小柄で剃髪の青々しさは美しく、法衣も輝く後光が差していました。年齢は40前後と思われます。
ある時、偶然に比丘尼さんの帰るところを見てしまいました。
奥之院の御百度参りは三時間以上かかるので、大雪で冷えてトイレに行きたくなります。
御廟所近くにある近代的トイレに行こうとした時に、彼女の後ろ姿が前方にありました。
そのトイレは無縁仏様の前を通った先にあります。彼女はそこを通らず、真っ直ぐ墓が並ぶ方向に向かってました。
私は通った事がないので分かりませんが、供養される方の通る道があるのでしょう。
ただ、灯りを持たなかったような彼女(?)を考えると興味を引きました。
あれから私は京都に庵を設けて、10年間奥之院へは行かれず、奈良に戻ってから奥之院に行きました。
妙に逢いたくて、真冬日に関係なく高野山に上がりますが、比丘尼さんの線香立ての灰均しを未だに確認出来ず、寂しい思いをしています。
比丘尼さん、あなたは元気ですか?
今度は昼間に高野山へ上がります。
この投稿で
誰かお気付きの何かがあれば、少しの事でも教えてほしいです。
どうか、彼女の動向を教えて下さい。DMお待ちします。
本日も読んで頂き心から感謝します。徳允