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定義のずれは解消した方がいいよね、という話

誰とは言わないけど、昨年D2C関連の記事を読んでいたら、一般的な通販とD2Cの違いはD2Cは認知から購買完了まで全てネットで完結すると話している方がいた。が、違うD2Cの本を読んでいたら”D2CはSNSや店舗を通じて顧客とのダイレクトの会話を武器にしている”という記述があったり、米国で人気のD2Cブランドは実際にNYCに店舗がある。

私が読んだネット記事がどうのこうの、ではなくきっと対象となる市場や国の違いもあるだろうし、D2C市場の中で細分化された特定のカテゴリに向けての解説かもしれないので何とも言えないのだが、実際に仕事においてこういう「個人間での定義のずれ」はしょっちゅう起きる。

自分の経験則に基づいた具体例は出せないのだが、例えば「早く走れ!」と言ったときに、「短距離走で早く走る」と理解する人と「長距離で早く走る」と理解する人がいる。どっちも間違いではないだろうが、「早く走れ!」と言った側からすると、そんな些細なことで悩むか?と困惑するかもしれない。

怒られが発生しない程度で言うと、過去に「社員は家族と思って接する(大意)」が社訓というかモットーの会社があった。が、社員が増えていく過程で定義のずれによる行動の違いが顕著になった。

家族と思って接する、ということはある人にとっては相手を受け入れ、愛情を持って接することかもしれないが、ある人にとっては叱咤激励を重ね、オブラートに包まないフィードバックをすることかもしれない。結果、行動に違いが生じ、多くの社員がよかれと思って行動しているのに軋轢が生まれるということが起きた。

流石に「家族と思って接する」という言葉自体に行動指針としての具体性は欠けているかもしれないが、今までの人生で蓄積された経験が生み出した定義に基づいて人は行動しているように見える。そこに広辞苑でその言葉がどういう意味として記載されているかはほぼ関係ない。

仕事で行き交う多くの言葉に、一人ひとりが持論や個人的な定義を持っているという理解はマネジメントに置いて大切かもしれない。自分にとっては明確な指示だと思ったが、相手にはうまく伝わっていない、自分とは違う解釈をしているというケースは多くの人が思い当たるのではないだろうか。

前職では私も漏れずこういうケースが2回ほどあり、一度アシスタントに協力して指示の際によく使う言葉や行動指針に使っている言葉を洗い出し、一度チーム内で定義のすり合わせをした。大体1時間で終わるのだが、本当にやってよかったと思う。個人間の定義のずれが解消されることで、チーム全体がより正確に同じ方向に目を向けることができた。

こんな小手先…と思われるかもしれないが、マネジメントは局地戦の積み重ねのようなものだと思っている。マネジメントの先輩方のご意見もぜひ聞きたい。誰か、私をドトールに誘ってください…(小声)


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坂口ジャス子
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