夜雨の音で眠る
明けない夜はない、だとか
止まない雨はない、だとか
信じたい気持ちと「綺麗事を言うな!」の気持ちとが降り混ざる夜。
休職期間なのに仕事のことが頭から離れない様子の夫。
休職期間なことを忘れて出勤してしまいそうだとか言っている。もうそれ社畜や…。
結婚して間もなくして、私が20歳前後に鬱で闘病経験があることを夫にカミングアウトしたことがあったのだが、鬱をはじめとした精神的疾患に対してあまり理解が無かった夫。
今日2人で初めて行った病院で、診察を終えてからポツリと小さな声で聞こえた。
「これが鬱なのか。君のことも少し分かった気がする。」
あぁ、きちんと覚えていてくれたようだ。
ある日突然今まで当たり前に出来ていた日常動作が出来なくなる。
さっきやってたこと、これからやろうとしていたことを忘れる。
次に何をしでかすか分からない自分に対して不安が募る。
そして何より心がシャッターを下ろして営業しなくなる。
美味しいとか食べたいとか楽しいとか感じられなくなる。
未来が見えなくなる。
私も経験してきたから無理に食べろとかは言わないし、寝たくないなら無理に寝ようとしなくても良いと思っている。
風呂だって1日くらい入らなかっただけで嫌いにはならないし。
一応、私は寛容な女というか、元汚部屋の住人だし、鬱サバイバーだし。
私に対して
「いなくならないで」
「離婚しないで」
「一人にしないで」
と言う夫。おいおい普段そんなキャラかい。
今まで見てきた中でとても弱々しく見えた。
2人で食べようね!と買ったはずのものも、結局は私一人で食べた。
休職期間に、彼のストレスや重圧の全てが無かったことのように消えるわけではない。
何も痛みを知らなかった頃には戻れない。
不安なのは私も同じだ。
でもきっとこれも大切な人生経験。
不妊発覚して不妊治療も乗り越えたし(子は授かれなかったが)、里親としても経験を積めたし。
何もマイナスなことが最後までマイナスで終わるわけではないと私は信じている。
以前も家族が大変な時には謎の力が発動して私が強くなる現象が起きたから、今回も私はそこまで大変だと思わないんじゃないかなー?と思っている。
夫は言葉が今全然出てこないけれど、私の言葉の意味が理解できる大人だ。
泣き喚いて言葉での意思疎通がはかれない赤ちゃん相手の育児のほうが大変だと思う。
まぁ、比べるものではないのだがね。
人それぞれ状況も環境も違っていて大変さというものは測れないから。
「あなたのことも心配!」と周りに心配していただけることに感謝。
なぁに、死なないでいてくれればいいさ。
不安もお金も夢も仕事も生きていればどうにかなるし。
長い人生で急性の鬱で休職とかなかなか無い機会だから休んで休んで!
…という楽観的すぎる私の心。フニャフニャすぎるのが逆に心配になるね。
心の中にギャルしかおらんようだ。
いつかまた普通に近所の公園でいいから、並んで外を歩ければそれでいい。