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「子宮に沈める」レビュー
意欲的な作品だとは思う。
大阪2児餓死事件をモチーフにした社会派フィクション。
のぞき見しているようなカメラワーク。
表情を隠すことで、淡々と起こったことだけを伝えようとしている。
だが、正確にいえば、映画は起こったことをそのまま伝えることは不可能だ。起こった「であろうこと」しか、この映画は伝えられない。
映画は断続的に進む。シーンとシーンの間に、描かれない時間がある。
その漫画的な効果は面白い。しかし生身の人間には温度がある。ストーリー性を極力排除するやり方は、共感させないためにはいいのかもしれないが、観る側としてはどうしてもストーリー性を求めてしまう。
観る側というか私か。
どんなに汚い世界にも美しさを求めてしまう。
リアリティー。
子どもに事件を再現させる限界、結果として「冗長なダイジェスト版」のように感じた。
ラストシーンの涙。
誰のために泣いているのか。
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