HIPHOP(ラップミュージック)を聴いてみませんか?
近年全世界のトレンドを牛耳り続けているHIPHOP、ラップミュージックの魅力について書いていこうと思います。
多くの方が「ラップって不良が聴く音楽でしょ??」といったイメージを持っているかと思います。
僕もそうでした。
ですが、
今は違います…!!
今やラップミュージックは、不良の文化を飛び越え、一般層にも浸透しはじめています。
今回は、ラップミュージックに対する皆さんのイメージを少しでも変えることが目標です。
本題に入る前に少しだけ注意書きを。
HIPHOPには、グラフィティやブレイクダンスなど構成する要素が他にも存在するため、HIPHOP(ラップミュージック)としています。
また、今回は近年の日本におけるラップミュージックシーンの状況を中心に紹介していきます。
ラップミュージックの成り立ち等の説明は、割愛しますのでご了承ください。
それでは、↓から本題です!
近年の日本ラップシーンの状況
現在、ラップミュージックは世界中の若者に最も聴かれているジャンルと言っても過言ではありません。
また、その影響は音楽業界外にも広がり、ナイキやアディダスとのスニーカーコラボを行うアーティストも増えています。
中でも米国のラッパー、トラヴィス・スコットとナイキのコラボスニーカーは、発売と同時に完売は当たり前になっています。
人気のモデルは、定価の何倍もの値段をつけて転売されており、偽物まで横行している状況です。
そんな若者を中心に世界を熱狂させているラップミュージックは、近年日本においても人気が上がり続けています。
冒頭にも書きましたが、ラップと聞くと、多くの方が"不良の音楽"というイメージを持っているでしょう。
たしかに以前は、不良の文化の色が濃いジャンルでした。
そんなラップミュージックのイメージが、日本において変わってきたのは、2010年代後半頃からです。
この頃に即興のラップ、いわゆるフリースタイルをして相手と競い合うフリースタイルバトル(MCバトル)をフィーチャーした"BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権"、"フリースタイルダンジョン"が大流行します。
中でも両番組で活躍していたT-Pablowが属するラップグループBAD HOPの影響は凄まじく、現在シーンで活躍している多くのラッパーの、ラップを始めるきっかけを作りました。
ラップミュージック番組の流行により、世間にラップミュージックが一気に広がり、少しずつ一般層のラップミュージックへの抵抗がなくなっていきます。
その証拠に、近年制作される楽曲の多くにラップパートが存在します。
ロックバンドからJpop、アイドルの曲まで当たり前のようにラップをするアーティストが増えてきています。
また、世間のラッパーに対する支持率も上昇し、国民的音楽番組への出演や、国民的アーティストとのコラボも目立つようになりました。
↓星野源の楽曲にラッパーのPUNPEEが参加。
前述のBAD HOPは、先日東京ドームにて解散ライブを行い、多くのリスナーを熱狂させました。
また、ラップミュージックを中心としたフェス"POP YOURS"が幕張メッセにて2daysで開催され、両日チケットが完売したことからも、ラップミュージックが今、どれだけ人気がなのかが分かります。
"ラップ"の魅力
ここまで、近年の日本においてラップミュージックがどのように繁栄したのかざっくり説明してきました。
ここからは、ラップミュージックの魅力について説明します。
ラップミュージックは、ラップとビートの主に2つの要素で構成されます。
まずは、ラップの魅力について書いていきます。
ラップの制作は、ラッパーが担当します。
ラップを制作する上で、意識をするのは歌詞、フロー(リズムのこと)、韻です。
その中でも歌詞とフローの評価が、ラッパーとしての価値に直結します。
※近年の楽曲においては、韻をどれだけ踏んでいるかは、そこまで重要視されていない印象です。
ラップミュージックの歌詞は、ラッパーの自身のことを書くケースが多いのが特徴です。
中には、自分の犯した犯罪(さ⚫︎人等)について赤裸々に書いてしまい、そのまま逮捕される、とんでもない海外のラッパーも存在します。
なぜラップミュージックでは、自分の体験を書くケースが多いのでしょうか。
まず、"基本的にラッパーは1人で歌詞を考える"ということが要因となっていると考えられます。
例えばロックバンドであれば、ボーカル、ギター、ベース、ドラムなど複数人で音楽を制作するため、作詞担当が歌詞を書くとなるとしても、個人の生い立ちを事細かに書くことは中々ないでしょう。
反対にラッパーは、基本的には1人で歌詞を書くため、自分の生い立ちや考えを存分に表現したとしても問題ありません。
むしろ自分の生い立ちをうまく曝け出せれば、他のラッパーとの差別化をすることができます。
不幸な境遇であっても、強固な武器として評価されるのがラップミュージックの特徴です。
また、多くの人がラップに対して、早口のイメージがあると思いますが、早口故にラップミュージックの歌詞には、非常に多くの文字数、情報を詰め込むことができます。
そのため、他のジャンルよりも自身のことを、鮮明に表現することができます。
前述の通り、ラップミュージックは不良の文化から少しずつ変化し、現在は様々な境遇のラッパーが頭角を現しています。
学生や社会人のラッパー、
いじめを受けた過去のあるラッパー、
障害を抱えるラッパーなど、
様々な境遇のラッパーが自身のことを赤裸々に歌っています。
皆さんも自身と似たような境遇のラッパーを、一人は見つけることができるのではないかと思います。
"ビート"の魅力
次に、ラップミュージックのもう一つの構成要素であるビートの魅力について書いていきます。
ビートは、ビートメイカーと呼ばれる方々が作成し、ラッパーに提供します。
ビートメイカーは、必ずしも提供先のラッパーと親しい仲であるわけではありません。
住んでる国も違う、お互いに顔も知らないケースも多々あります。
また、ビートは必ずしも特定の1人のラッパーが独占して利用するとは限りません。
ビートの権利さえ問題なければ、男性でも女性でも、大人でも子供でも関係なく、同じビートにラップを乗せて曲を作ることができます。
現在、BeatStarsといったビート配信専用サイトにて、フリーでビートを提供しているビートメイカーが多く存在しているため、周りにビートメイカーの知り合いがいなくても、簡単に曲を作ることができるようになりました。
また、SoundCloudというサイトに登録さえすれば、無料で簡単に曲をリリースすることができます。
他にもTuneCoreというサイトのサービスを使えば、初心者であっても制作した曲をApple Music等の音楽配信サービスに簡単にリリースすることもできます。※有料、簡易審査あり
このように誰でも簡単に曲をリリースすることができるようになりましたが、簡単にできるように"なってしまった"故に、ラッパーとしてのスキルが、より重要視される状況になったともいえます。
最近では、課題のビートに誰が1番うまくラップを乗せれるかを競い合う楽曲制作サバイバル番組が世界中で流行しています。
米国にはNetflix配信中の"リズム+フロー"、韓国には"SHOW ME THE MONEY"、日本には"ラップスタア誕生"(2024年verの表記は"ラップスタア2024")といった番組が存在します。
いずれの番組も非常に人気のあるコンテンツとなっており、優勝者や番組内で爪痕を残したラッパーの多くが現在シーンの中心で活躍をしています。
何から聴けばいいの?問題
ここまで近年の日本におけるラップミュージックの状況や魅力について書いてきました。
そろそろ皆さんの中に、
ラップミュージックの魅力は分かったけど、
何から聴けばいいの?
といった疑問が生まれている頃でしょう。
なので、最後に僕がよく聴く日本のラップミュージックを紹介したいと思います!
はじめてラップミュージックを聴く方であっても、抵抗なく聴けるようなキャッチーな曲を多く選出しました。
①BIM - DNA feat.Kohjiya,PUNPEE
不良じゃないラッパーの代表格のBIMが、同じく不良じゃないラッパーのPUNPEE、ラップスタア2024優勝者のKohjiyaを迎えた一曲です。
Kohjiyaの担当するhook(いわゆるサビ)のキャッチーさと、ベテランのBIMとPUNPEEのユーモアなリリックが光る一曲です。
星野源のオールナイトニッポンにて、選曲されたりもしました。
ちなみにKohjiyaは、2024年のMVPを間違いなく獲るアーティストですので要チェックです!!
②Tade Dust - All My Life feat.D3adStock
つい先日リリースされた曲をピックしました。
ラップスタア誕生2023で爪痕を残したTade Dustと、ラップスタア2024のファイナリストD3adStockによる一曲です。
Tade Dustのタイトなラップと、シンガー顔負けのD3adStockによるhookが特徴的です。
D3adStockの歌唱力からわかる通り、今のラッパーには歌唱力も求められています。
また、使用されているビートはD3adStockによって制作されています。
D3adStockのようにラップだけではなく、プロデューサー業もこなすマルチなプレイヤーが近年増えてきています。
ちなみに個人的にこの曲は、Tade Dustの曲の中で最高傑作だと思います。
③ 千葉雄喜 - チーム友達
ここ数年の日本のラップミュージックシーンで最も大きなムーブメントを起こした一曲、"チーム友達"をご紹介します。
突如引退したラッパーのKOHHが、突如本名の"千葉雄喜"名義で復活をし、一発目に発表した曲になります。
これまでのKOHHの曲を知らず、最近流行っているという理由で、この曲を初めて聴いた人はびっくりするでしょう。
"チーム友達!!!チーム友達!!!"と叫び続けているのですから。
"何がいいのか全くわからない"という人も多くいると思います。
でも、それでいいんです、
分からなくていいんです。
この曲に関しては意味を考えず、
まずは楽しんで聴いてみてください。
理解は後からついてきますから。
実際に僕の友人も、最初はこの曲をバカにしていましたが、気づいたらどハマりしており、最終的にチーム友達連呼マシーンと化してしまいました。
"チーム友達"は、千葉雄喜単体のオリジナル版の他に、関西や東海といったエリア毎の有名ラッパーが集まって参加したRemix版もリリースされています。
更に"チーム友達"のビートをフリーで公開し、どの地域のラッパーでもRemixに参加できるようにしたことで、香港や韓国など世界中の有名ラッパーによるRemixが続々とリリースされていきます。
このような流れで、日本のアンダーグラウンドシーンからメジャーシーンに、そして世界中にどんどん広がっていき、THE FIRST TAKEにて披露するまでに発展します。
突如復活してリリースした一曲目でこのムーブメントですよ!!
とんでもないです、千葉さん。
ちなみに僕が1番好きなのは関西Remixです。
④STUTS - 夜を使いはたして feat.PUNPEE
ラッパーだけではなく、ビートメイカー/プロデューサーも、ラッパーを客演に迎える形で曲をリリースしています。
4曲目に紹介するのは、ビートメイカーの代表格STUTSが、先ほども紹介したPUNPEEを迎えてリリースした一曲です。
夜明け前に聴きたくなるような曲で、
"信じれないよ、さっき見た映画よりこの夜が長くなるなんてさ"
という歌詞がとてつもなく好きです、
わたくし映画好きなので。
ラッパーだけではなく、ビートメイカーも曲をリリースしてライブが行うことも多く、色々な立場のプレイヤーがシーンを作り上げているのが、ラップミュージックの面白いところです。
⑤Suchmos - GIRL feat.Ryohu
"STAY TUNE"の大ヒットから一気に人気を伸ばし、紅白歌合戦にも出場した湘南出身のロックバンドSuchmosが、東京出身のヒップホップクルーKANDYTOWNのRyohuを迎えて制作した一曲です。
夏の湘南の海辺を感じさせる爽やかなロックサウンドと、東京出身のRyohuの余裕のあるクールなラップが違和感なく融合しています。
ロックサウンドにラップが入ると、一気に雰囲気が変わるので、スパイスとして最高の役割を果たしてくれます。
ちなみにこの曲の構成とは反対に、Ryohuの曲にSuchmosのボーカルのYONCEが参加した曲もあるので、あわせてチェックしてみてください!
いかがでしたでしょうか。
皆さんの中のラップミュージックのイメージを変えることができたでしょうか。
少しでも気になったのであれば、最後にご紹介した曲を、まずは聴いていただければと思います!!
以上です。ありがとうございました。
P.S. わたくしも曲を制作し、SoundCloudにアップしてますので是非聴いてみてください…!!