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春のドライブ


FM802(ハチマルニ)という関西ローカル局がある。
曲の掛け方、合間の喋り方が当時は斬新でかっこよくて。
ヘビロテという単語を世に定着させたのは802のヒロさんちゃうか?ってくらい、大学生だった私の中でもヘビロテFM局であった。

802ステッカーを車に貼って運転する。生番組中に車のナンバーを発表された人は局に電話をし、ジャンル不問で好きな曲をリクエスト出来、その曲は必ず掛けて貰える、という催しがあった。それで、老いも若きもステッカーを貼ったもんだ。私も父と共有の車に貼ったのだった。

当時はまだ携帯電話がなく、家に帰って掛けるか公衆電話か、車載電話がある人はそれで掛ける、という時代。だから番組中に何度も呼ばれたり、1時間後とかにやっと電話がつながったといった、のんびりした時代でもあった。


ある日箕面辺りを走っていると、渋滞し始めた。ん?…あ!あの噂の802 Carが停まっているではないか!
そして、その周りにわざとらしく駐車して缶コーヒーを飲んだり、外で身体を伸ばしたりして呼ばれようとしている。

「こんなんはな、スマートにやらなあかんねんて」
と、彼氏がパンっとクラクションを軽く鳴らし、802の人に軽く手を挙げて走り去る。向こうも手を挙げる。

そして、ナンバーは呼ばれた!


…という話を翌日、大学の食堂で友達から聞かされコーフンした、ちゅう話を思い出した。

もうすぐ春ですね。

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