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エピソード大喜利#109 お題:秋元康プロデュースのアイドルグループがデビュー!斬新すぎるその手法とは?

「みんな〜〜!今日は私たちの為に集まってくれてありがとう〜〜!!」
センターの女性が集まった観客に声を掛けるとその何十倍の歓声が返ってきた。

今日はこれまで多くのアイドルたちを世に出してきたカリスマプロデューサー秋元康が自らオーディションを行い選んだ女性たちのデビューイベント。
マイクを手にし、センターを勝ち取った女性は笑顔の似合う10代の女性だ。
舞台に上がっている女性たちの顔には未来に広がる希望が溢れている。

「今日は名前だけでも覚えて帰ってくれた嬉しいです!」
お笑い芸人かぁ!というツッコミが観客から入る。
まだテレビなどメディアにほとんど出ていないグループのデビューイベントとしては異例の東京武道館で行われた。
話題性は十分、1万席のチケットは即完し、メディアでも取り上げられていた。
曲もこのあと披露する「我々はアイドルである」の1曲しかまだないが、デビュー1週間前に配信され、既に1万ダウンロードを超えたそうだ。

センターの女性が観客1人1人に話し掛ける様に再び喋り始める。
「それじゃメンバーが自己紹介を考えてきたので聞いて下さい。まずはリーダーの私。はいっ!栃木県日光市出身、東照宮に負けない世界遺産・東城あきこです!」
アイドルイベント恒例のメンバー紹介が始まると観客席の熱気もさらに高まる。

「はいっ!イチゴ農家の娘、小畑さゆりです。もちろん好きなフルーツはイチゴ、みんなのイチオシになれる様にイチ日一善頑張ります!」
「はいっ!身長175センチ!涙もろいちょっぴりセンチメンタルな宇野ゆきえです」
「はいっ!アメリカからの帰国子女、川端ローラです。見た目はアメリカ人、心は日本人。真実はいつもひとつ!」
「はいっ!特技は大食いの塚田ひな。胃袋は大きいですが気は小さいです!いつか真ん中に立てる様に応援お願いします!」
「はいっ!アニメ声の小野さきです。声はアニメでも私は実写版。2Dの世界から3Dの世界にお邪魔していま〜す!」
「はいっ!私は宮城からの・・・」
「はいっ!私は小さい頃から相撲をやっていて・・・」
「はいっ!私は器械体操で・・・」
「はいっ!私はモノマネが得意で・・・」
「はいっ!私は気象予報士の・・・」
「はいっ!私は大家族の長女・・・」
「はいっ!私は字がとっても綺麗・・・」
「はいっ!私はじゃんけんが強い・・・」
「はいっ!私は五十音を言ってくれたら・・・」
「はいっ!私は一発ギャグ・・・」
「はいっ!私は左右の足のサイズが違う・・・」
「はいっ!私は親指がすごい曲がる・・・」
「はいっ!私は顔を赤くできる・・・」
「はいっ!私は円周率を・・・」
「はいっ!私はずっとコンビニでバイトをしていて・・・」
「はいっ!私は家が貧乏で・・・」
「はいっ!私は火を起こすのが・・・」「はいっ!私は無趣味で・・・」

秋元康プロデュースでデビューしたアイドルグループの自己紹介が続く。
秋元康が実際にオーディションを行い、見事受かったのは3000人。
流石に観客も自己紹介が30人を超えた辺りで疲れの表情を見せ始めた。
それでも自己紹介の際に確実に盛り上がる一角がある。
それは自己紹介をしたアイドルの家族が陣取っている一角である。3000人のアイドルたちには3人以上の客を呼ぶノルマが課されており、アイドルたちは自分の家族や友人を呼んでいた。そのお陰でチケットは即完し、1万人入る武道館は満杯になった。配信が好調なのもアイドルの家族や友人がダウンロードしたことで一気に1万を超えるダウンロードを記録した。

質よりも量で勝負する時代に突入したようだ。



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じゅんざぶろう
ひとり~の小さな手~♬なにもできないけど~♬それでもみんなの手と手を合わせれば♬何かできる♪何かできる♪