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【仕事論】一度辞めた漫画編集に戻れた訳は、不運な転職のおかげ

27才、イタリア料理に転職するも
体調を壊し撤退…。
二つめに勤めた小さな出版社は、
自己啓発やビジネス書ばかり。
でも、目の前の仕事は
イタリア料理の厨房よりは
断然に健康的で有り難く、
本に関わる仕事という意味では、
漫画編集とは違う「書籍編集」の
ノウハウも学べたのは、
良かった。本当にラッキーでした。

でも、不運だったのは、
しばらくして社長の大借金が判明し、
社長は急に行方をくらましたため、
会社が倒産してしまった…。

また、フリーの身になった私は
フリーライターをしたり
新聞社のバイトもしたり、
予備校の事務バイトもしたり。

あの頃は、晩御飯がツナ缶だけ
なんて夜もけっこうありました。

そこへ、旧知の漫画家さんから
連絡が入ります。
最初の会社で漫画編集の
やりがいを教わった漫画家さんです。

漫画家さんの話はこうでした。
某大手出版発行予定で、
学習漫画『世界の歴史』を
ある編集プロダクション下で
話を進めているんだけど、
書籍の編集者はいるけど、
漫画の経験者はいない。
仕事が進まず困っている、と!
どう?やってみない?推薦するよ?

漫画編集と書籍編集が
両方わかっていて、
しかも世界史に強い人を
探していて、ふと僕のことを
思い浮かべてくれたらしい。

大学受験では世界史でした。
おまけに、ちょっと前まで
書籍編集のノウハウも経験してた!

今思うと、奇跡のように
条件は揃っていた訳です。
力量はともかく、
条件には合格だった訳です。

漫画家さんに誘われ、
私は勢いよく、大手出版社に向かい、
簡単な面接を受けました。
学習漫画「世界の歴史」の
編集長と副編集長の二人が目の前に!!

今まで小さなブラック出版社でジタバタ、「底辺」編集者だった私の目には、
その出版社は玄関も廊下も
何から何まで大きて眩しかった。
「そのお仕事やります、
やらせてください」、と
ギャラの話もしないうちに
私は即返してましたね。
これでツナ缶の夜から解放される!

声をかけてくれた漫画家さんに感謝。
それから、私を起用してくれた
その出版社の編集長にも感謝。

その編集長は、
今まで会ったことがない程、
私と相性もよく、何でも任せてくれた。
フリーの身ながら。

3年以上一緒に働きましたが、
本当に私の意見やアイデアを
よく聞き入れてくれました。
あんなに信頼されたら
こっちだって必死に働きたくなる
ってものですね(笑)。
本当に充実した3年でした。

最初の会社で仕事した漫画家さんが
まさか、こんな形で
ピンチを救ってくれるとは、、、。

人生、本当に何があるかわからない。
だから、やはり、
目の前の仕事に全力投球ですね(笑)。

今もツナ缶を食べると、
28才の頃の焦りや空回りの野心を
思い出してしまいます。

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