多様性のフリをした排除性が怖い
芥川賞作家・村田沙耶香さんは
子供時代から、
「クレイジー沙耶香」という
キャッチフレーズで呼ばれてたそう。
(以前、朝日新聞に長いエッセイ寄稿にて)
ひどいあだ名をつけるな、子供は…。
学校ではみ出していた存在だったのが、
先生やクラスメートに
キャッチフレーズで親しく呼ばれ、
仲間に入れてもらえた。
最初は良かったものの、
徐々に「クレイジー」という
キャッチフレーズの中に込められた
不穏な「正体」に気づいた、という。
先生や多数派グループが
村田さんを「クレイジー」と
キャラクター認定して、
安心したがっているんだ…と。
キャラクター化によって、
マイノリティな人も
「標準グループ」に入れるんだ…。
それは一見、マイノリティを
寛容に受け入れる「多様性」や
「ダイバーシティ」に見える。
でも、変わり者のクラスメートを
キャラクター化して呼ぶことで、
自分たちのグループにいれまいとしてる、
村田さんは後年、そう感じるようになった。
キャラ認定は実は、排除だと…。
多様性礼賛時代と、
キャラ設定全盛はリンクしてるんですね。
表裏一体といいましょうか。