高齢者向け食パンを考える-part.2(顧客起点マーケティングを読んで)
じゅんや(マーケティング勉強中)です。
こちらの本を読んでみました。
「たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング」
今回は後半のパートです。
※前回のパートはこちらです。
著者のご紹介
西口 一希(にしぐち かずき)
Strategy Partners代表取締役。
詳細は前回のnoteでご紹介させていただきました!
どんな内容が記載されているのか?
本の後半部分では、顧客ピラミッド(5セグマップ)に「次回のブランド購入意向」の軸を加えた9セグマップの作成から具体的な活用例が細かく記載されております。これまで自社にフォーカスして顧客理解を進めていましたが、9セグマップを定期的にトラッキングしていくと代替え品(競合)の動きも、いち早く捉えることができます。また、私自身も課題と感じていたブランディング広告の成果を正しく評価することに関しても、明確に記載されております。ブランド自体の選好と広告への選好は異なり、次回商品の購買意向をきちんと確認することが重要となります。
実際に筆者がスマートニュースのマーケティングで実践した9セグマップの事例に関しては、時系列でこと細かく記載されており、これはとても参考になります。
最後には、本書を通じて一貫して伝えられてきた「顧客理解を起点」とした「プロダクトアイデア」の開発、それを伝えるための「コミュニケーションアイデア」を徹底的に考えていく重要性が、改めて記されております。
以下の言葉には感動しました。
何を学んだのか?
本書の後半部分では、大きく3つ学びがあると感じました。
1.自社ブランドをよく買ってくれている顧客はロイヤル顧客とは限らない。次回のブランド購入意向を調査に加えて、高いブランド選好をもつ「積極ロイヤル顧客」を正しく捉える。その行動を左右している心理的原因を理解する。
例)近所のスーパーは、物理的に近いという理由だけでよく使用している。
2.認知・未購入層は顧客数が多いが、自社購買データ分析からのマーケティングだけでは、この層が捉えられない。新規顧客の獲得を狙う際は、認知の有無とブランド選好の有無が獲得コストに影響してくるため、販促活動とブランディング活動を統合的なマーケティング戦略として作り上げる必要がある。
例)認知・未購入層:100%の場合
→未認知層:160-220%程度
例)ブランド選好のある離反層と認知・未購入層:100%の場合
→ブランド選好のない離反層と認知・未購入層:200-300%程度
例)ロクシタン
「コミュニケーションアイデア」:「誰にも喜ばれるギフト」で初回購入促す。
「プロダクトアイデア」:ロイヤル化の起点となる基礎スキンケア商品のトライアル。
→ギフト目的の顧客:
・9セグマップ上の左から右への動き(顧客増/売上増)
・基礎スキンケアのフォローメールなどで右上の動き
※ギフト目的は一過性になりかねないので、ブランド選好を上げる施策を同時に展開。
3.結局は「プロダクトアイデア」の独自性が最も重要。同時に「コミュニケーションアイデア」を考えることで、本当にその商品やサービスが世間に必要なものなのか問い直すことができる。顧客理解を起点として、「プロダクトアイデア」を徹底的に磨き続ける。
サンドイッチを売るならどう活かすか?
以下は、前回の祖母の話から考えたプロダクトアイデアです。
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N1=私の祖父、祖母
①「プロダクトアイデア」=大豆のタンパク質が練りこまれた食パン
→独自性:パン一つでたんぱく質も摂取できる。
→便益:調理の手間がかからない。
※商品補足※
タンパク質が豊富な大豆を食パン自体に練りこむ。
②「プロダクトアイデア」=ジャム見たいに塗るだけで、たんぱく質も接種できる「たまごサンドペースト」
→独自性:いつもの食パンに塗るだけでタンパク質が接種できる。
→便益:手間がかからないだけじゃなく、たまごの味がしっかりして食べ応えもある。
※商品補足※
たまごサンドの中身を細かくペースト状にして、食パンに塗るタイプの商品。
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この商品を実際にどうやって認知してもらうか「コミュニケーションアイデア」を考えてみる。
どこでコミュニケーションするのが良いかを考えるために、高齢者の方の生活行動を考える。
メディア接触に関しては、70代以上になると、マスメディアへの接触が増加(少し古い調査なので、現在はデジタル接触の割合も増えていると考えられる)。
また、75歳以上の方の外出目的の中で最も高いのは「日用品の買い物」(13.4日/月)であり、約週3日は、買い物に出かけていることになる。活動時間としても午前中がメイン。
*参考:chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mlit.go.jp/
平均すると、午前中は買い物に出かけるために外出し、夕方は自宅でテレビをみて夕飯を食べる、生活をされている(N1で掘り下げる必要はあり)。
すなわち、午前中:日頃買い物するスーパー、午後:テレビが、コミュニケーションする場所となる。
プロダクトアイデアを理解してもらうためには、スーパーでは「試食」が良いのではと思いました。時勢的に難しいが、ユーザーの反応や実際の声も聞けるので、その後のプロダクトアイデアのアップデートにも繋がりやすい(試食がパンなので、横にはお茶も用意しておく。このお茶も開発できたらなお良しと思うが一旦おいておく)。
または、②のプロダクトアイデアの場合、たまご売り場の横に陳列させてもらう。理由としては3つ、1つ目はユーザーがたまごを買うモチベーションである、2つ目はたまご売り場に違和感を出して見つけやすくさせる、3つ目はたまごの価格や栄養と容易に比較ができる。パン売り場では、そもそもパンの種類が多いので目線がパン以外のものに向きづらいことや、棚の位置として上段しかおいてもらえず高齢の方が手に取りづらいことも考えられる。
訴求内容は、ストレートに手軽さと栄養面。これをシンプルに伝えていく。テレビCMを打つ場合も、その訴求軸はずらさず、認知が形成されるまでは徹底して伝えていきたい。
試食を通じてユーザーの声を聞き、いつも買いに来てくれるロイヤル顧客が、なぜ買い続けてくれるのかヒアリングして、それをプロダクトアップデートに繋げていく。TVCMなどで未認知、認知・未購入層にアプローチしていき、顧客ピラミッドの右上への動きを確認する。TVCMでの訴求も、試食から聞いた声をもとにメッセージを考える。そんなマーケティングを実際展開してみたいと思いました!
本書では、上記の例よりもわかりやすく詳しく記載してあります。
より詳しいことを知りたい方は、ぜひ本を手に取って見てください!
いつまでも祖父、祖母には元気に暮らしてほしい!
最後に。。。
この記事を書く上で思ったこと
・ブランディング広告を可視化するのは、どのお客様でも課題に感じられている部分で、そこを明確に説明しているのは、とても有益だと思った。
・オープンデータから推測する行動が、実際に起こりえることなのかは、やはりインタビューなどをしないとわからないなあ、と痛感。