森潤也|文芸編集者

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森潤也|文芸編集者

本に関わるお仕事をしています。 本作りへの想いや、創作にまつわるあれこれなど、本をより楽しめる記事をお届けしていきます。 本好きの人はお気軽にフォローしてください。 発言は個人の見解です。 ※Amazonのアソシエイトとして、適格販売により収入を得ています。

マガジン

  • 編集した本の感想を書いてくれた人に、お礼を伝えたいマガジン

    編集を手掛けた本の感想を書いてくれた人に「ありがとうございます!」というお礼のマガジンです。読んでくださってありがとうございます。

  • 本屋さんを勝手に紹介していくだけの企画

    誰に頼まれてもないけど、森が訪れた素敵な本屋さんを勝手に紹介していくだけの企画です

  • 鍵付き思い出日記

    過去の思い出をつらつらと書いています。鍵付きの日記なので、基本的に有料です。興味ある人だけ読んでくれればいい記事です

  • 酒場の創作論

    「本」に関わる人たちと本音トークを繰り広げるコーナーです。できれば居酒屋で収録したいという願いを込めて……。

  • 教えて! 紙の本ってどうなるんですか?

    大きく変わりつつ世界の中で、これからの「紙の本」はどうなっていくのでしょうか。製作部のフジクラさんとともに、考えていくコーナーです。

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本の表紙で透明トレカを作ってみました

Xでこんな投稿を見かけました。 やばい。 めっちゃええやん。 やってみたい。 自分の担当作でこんなん欲しい。 … …… ほな、やってみるか!! そう思い立って、僕も作ってみることにしました。 ヒマなん?とか言わないでください。ヒマなんです。 ※※※ 書かれている通り「透明トレカ」で検索してみると、いろいろ出てきました。 オタ活グッズの一つで、アイドルなど推しの写真をトレカにするのだそうな。 いろんなサイトを参考に、準備を整えました。 といっても必要なものはこれだけ

    • 本を読むことは誰かの思想にふれること。知の書店「UNITE」に行ってきた話

      本屋さんって面白いんです。 何を今さらという感じですが、小規模の書店や個人書店などが増えて、本屋さんのバリエーションがすごく広がっています。 選書のオリジナリティだけでなく、コンセプトやお店作りから従来の本屋さんの枠を飛び越えているところもあって、本屋さんという存在の可能性がぐんぐん拡張されているように感じます。 それなのに。 思えば、行くのは通勤途中にある大型チェーンばかり。 仕事の新刊チェックとして売り場を眺めるだけで、「本屋さん」という場所にあまり向き合えていなかっ

      • 嫉妬しない編集者になりたかったけど、あきらめました

        ジェラシーが、なくなってくれません。 ※ 仕事には成績がつきものです。 受注件数とか、顧客満足度とか、ライン作業のスピードとか。 定量化しやすい仕事やそうでない仕事がありますが、基本的にどんな仕事も成績が出され、それに応じて評価がされます。お給料や昇進に関わることもあるでしょう。 一般的に成績がわかりやすいのは営業職でしょうか。販売件数や、受注金額。自分の努力でどれだけの売上を会社にもたらしたのか可視化されやすい職能です。 そして、成績がわかりやすいのは編集者も同様。

        • 本にまつわる人たちが本を売るブックマーケット「はたらくの現在地」に行ってきた話

          本屋さんって面白いんです。 何を今さらという感じですが、小規模の書店や個人書店などが増えて、本屋さんのバリエーションがすごく広がっています。 選書のオリジナリティだけでなく、コンセプトやお店作りから従来の本屋さんの枠を飛び越えているところもあって、本屋さんという存在の可能性がぐんぐん拡張されているように感じます。 それなのに。 思えば、行くのは通勤途中にある大型チェーンばかり。 仕事の新刊チェックとして売り場を眺めるだけで、「本屋さん」という場所にあまり向き合えていなかっ

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        本の表紙で透明トレカを作ってみました

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        • 編集した本の感想を書いてくれた人に、お礼を伝えたいマガジン
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          6本
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        • 「これからの本」を考えるために、いろんな人と本の話をします
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        記事

          文房具メーカーに就職したかった編集者が担当した、念願の「万年筆小説」

          新卒で出版社に入って、はや十数年。 本を編集したり届けたりしていますが、じつは出版社に入るつもりはありませんでした。 就活時に目指していたのは、文房具業界。 そうです。シャープペンや消しゴムやクリップなど、文房具にまつわる仕事をしたかったのです。 ※ どうして文房具だったのか。 それはもちろん「文房具」が大好きだったからです。時に上品で、時にスタイリッシュで、時にかわいくて。 コンパクトなのに機能的だったりもして、遊び心のある「モノ」に惹かれたところがありました。

          文房具メーカーに就職したかった編集者が担当した、念願の「万年筆小説」

          本の物々交換ができる書店「ブックカフェ はるや」に行ってきた話

          本屋さんって面白いんです。 何を今さらという感じですが、小規模の書店や個人書店などが増えて、本屋さんのバリエーションがすごく広がっています。 選書のオリジナリティだけでなく、コンセプトやお店作りから従来の本屋さんの枠を飛び越えているところもあって、本屋さんという存在の可能性がぐんぐん拡張されているように感じます。 それなのに。 思えば、行くのは通勤途中にある大型チェーンばかり。 仕事の新刊チェックとして売り場を眺めるだけで、「本屋さん」という場所にあまり向き合えていなかっ

          本の物々交換ができる書店「ブックカフェ はるや」に行ってきた話

          自意識たっぷりな高校生男子が女の子におススメ本を貸した思い出

          やっぱり、紙の本が好きなのです。 もちろん電子書籍も並用していますが、本の形態でどちらが好きかと問われると、やっぱ紙の本だな〜となっちゃう。 理由はいろいろありますが、なんといっても「人と貸し借りができる」というのが大きいですね。 ※※ ちょうど高校生になりたての頃でしょうか。 なぜか英語の授業で小説の話が出て、だれも答えられなかった著者名をさらっと答えたモリ、というドヤ顔の一幕があったんです。 休憩時間に「すげーやん」とイジられていたところ、ほとんど喋ったことのない

          自意識たっぷりな高校生男子が女の子におススメ本を貸した思い出

          中身がわからない本だけ売っている書店「梟書茶房」に行ってきた話

          本屋さんって面白いんです。 何を今さらという感じですが、小規模の書店や個人書店などが増えて、本屋さんのバリエーションがすごく広がっています。 選書のオリジナリティだけでなく、コンセプトやお店作りから従来の本屋さんの枠を飛び越えているところもあって、本屋さんという存在の可能性がぐんぐん拡張されているように感じます。 それなのに。 思えば、行くのは通勤途中にある大型チェーンばかり。 仕事の新刊チェックとして売り場を眺めるだけで、「本屋さん」という場所にあまり向き合えていなかっ

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          編集者として燃え尽きた思い出

          編集者として、はじめて燃え尽きた本があります。 それは、須賀しのぶさんの『夏空白花』という小説。 今日も熱戦が繰り広げられている夏の高校野球ですが、戦時中は中止となり、甲子園の鉄傘も大砲の材料として供出されてしまいました。 そうして8月15日に終戦を迎えた次の日。 一人の男が朝日新聞社に乗り込んできたのです。 「これからの未来を担う若者のために。この国に夢を取り戻すために。すべてを失った今こそ、「高校野球大会」を復活させようではないか」 その言葉から始まった高校野球復活プ

          編集者として燃え尽きた思い出

          閉店がきまった、心のふるさとの書店「文禄堂 早稲田店」に行ってきた話

          本屋さんって面白いんです。 何を今さらという感じですが、小規模の書店や個人書店などが増えて、本屋さんのバリエーションがすごく広がっています。 選書のオリジナリティだけでなく、コンセプトやお店作りから従来の本屋さんの枠を飛び越えているところもあって、本屋さんという存在の可能性がぐんぐん拡張されているように感じます。 それなのに。 思えば、行くのは通勤途中にある大型チェーンばかり。 仕事の新刊チェックに行くだけで、「本屋さん」という場所にあまり向き合えていなかった気がします。

          閉店がきまった、心のふるさとの書店「文禄堂 早稲田店」に行ってきた話

          畳で寝転んで本が読める書店「読夢の湯」に行ってきた話

          本屋さんって面白いんです。 何を今さらという感じですが、ここ数年小規模の書店や個人書店などが増えて、本屋さんのバリエーションがすごく広がっています。 選書のオリジナリティだけでなく、コンセプトやお店作りから従来の本屋さんの枠を飛び越えているところもあって、本屋さんという存在の可能性がぐんぐん拡張されているように感じます。 それなのに。 思えば、行くのは通勤途中にある大型チェーンばかり。 仕事の新刊チェックに行くだけで、「本屋さん」という場所にあまり向き合えていなかった気が

          畳で寝転んで本が読める書店「読夢の湯」に行ってきた話

          本好きのあたりまえは世間のあたりまえじゃない

          先日、この投稿にいいねをたくさん頂きました。 これはX用に盛った話ではなく、まったくの実話です。 普段本を読まない人と話していた時に、「文庫ってなんなんですか?」と聞かれて、答えに窮してしまいました。 「えーと、大きさが小さくて価格も安くなった本ですかね…?」 とふんわりした返事しかできなかったんですが、この出来事は自分の中で印象に残っています。 ポイントは二つあって。 ①自分の中に「文庫」という言葉は誰もが知っているはずだという過信があったこと ②自分自身も「文庫」の定

          本好きのあたりまえは世間のあたりまえじゃない

          本の感想を書くのが苦手です

          本の感想を書くのが苦手です。 編集者なので、作家さんに著作の感想を送ったりしますが、それは仕事ですし。 そうではなく、プライベートで読書の感想を書くのが苦手なのです。 あくまで個人的な印象ですが、本…とりわけ小説の感想って、「ちゃんと書かないといけない」感があります。 下手なことを書いちゃうと、「こいつわかってない」と思われそうだし、しっかり読み込んできちんとした感想を書かなきゃいけない、みたいな。 そうすると、なんだか批評みたいな内容になったりするし、でもなんか批判的な

          本の感想を書くのが苦手です

          編集者として「著者」にはじめて会う。その時かけてもらった言葉に、今も支えられている

          僕が編集者としてはじめて手掛けた本は、やなせたかしさんの『わたしが正義について語るなら』。 その本についての想いは、以前に記事を書きました。 『わたしが正義について語るなら』という本は、既に刊行されていたYAを新書で出しなおす企画なので、ゼロから立ち上げた本ではありません。やなせさんもお亡くなりになっており、著者に企画を打診してゼロから作る、という本ではなかったのです。 僕がはじめて企画を依頼して、はじめて著者にお会いした本。 それは宗教学者である鎌田東二さんに書いていた

          編集者として「著者」にはじめて会う。その時かけてもらった言葉に、今も支えられている

          本の装丁にやたら箔を押したがる編集者が「アルミ蒸着」で特別カバーを作っちゃった話

          まずはこの動画を見てくださいな。 (※すいません、動画を直接埋め込めなかったのでXのリンク先で…) すごくないですか、このシルクのような光沢。そしてキラリと銀に輝くタイトル。よく見ると全体がもやっとしているようですが、これはモアレではなくカバーにうっすら入っている模様です。この模様が粒のような輝きをまとわせていて、かつ手触り感にもつながっていて、なんていうかもう控えめに言って最高じゃないですかねえええ!!!(血走った目) この超絶美しいカバーは、凪良ゆうさんの『わたしの美

          本の装丁にやたら箔を押したがる編集者が「アルミ蒸着」で特別カバーを作っちゃった話

          社長と著者を載せた車で事故る(青春びんびん失敗録)

          恥の多い人生でした。 社会人になって15年。 やらかしたことを数え上げればキリがありません。まだバレてないやらかしも含めれば星の数です。 よく「しっかりしてそう」と言われるのですが、それは堅物そうなメガネをかけているからです。残念ながらしっかりしてはおらず、いろんなトラブルやミスを起こし、そのたびに謝って生きてきました。本当にすいません。 特に若いころは己の未熟さで迷惑をかけることも多く、今思うと恥ずかしくもなりますが、それもまた青春の一ページだったなあとも思います。

          ¥150

          社長と著者を載せた車で事故る(青春びんびん失敗録)

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