ソーシャルセクターは信頼されている?
~営利・非営利のソーシャル事業の成長が、社会課題の解決を加速させ、より良い社会を築くと信じて執筆~
世界各国の『信頼』を毎年調査しているレポートがあります。
『エデルマン・トラストバロメーター』
https://www.edelman.com/
先日、2021年版が公開され、日本での「企業」「政府」「メディア」「NGO」ごとの信頼性を公開しています。
[引用:https://jcne.or.jp/data/2021EdelmanTrustBarometer_Japan.pdf]
過去から見たソーシャルセクターの信頼性の変化
この数字は単年のため、傾向を観たく過去に遡って集計をしてみました。
[2012から2021年までの『エデルマン・トラストバロメーター』から作成 ※1]
ここで注目したいのは、2017年と2018年の前後です。
2014年から2017年(※調査は前年の10-11月)の間は、企業-政府-メディア-NGO、という順番でした。しかし、2018年(2017年10月~11月)を機に、NGOの評価は相対的に上昇し、その後は微増傾向を維持しています。
この間に何があったのか。
おそらく、
少し前の2015年前後から伸び始めた「ふるさと納税 ※2」や「クラウドファンディング ※3」やが世間一般に浸透し、
「社会的インパクト評価 ※4」や「ソーシャルインパクトボンド(SIB) ※5」「休眠預金※」が話題になり、
そして「SDGs ※6」。
これら以外にもソーシャルセクターを取り巻く状況は大きく変わってきており、それが信頼性にも好影響が生じているのではないかと、思っています。
世界と比較したソーシャルセクターの信頼
しかしながら、世界と比較するとかなり低い。27か国平均の57%に対して、日本は40%とその差は17%もあります。
[引用:https://jcne.or.jp/data/2021EdelmanTrustBarometer_Japan.pdf]
ただ、この差も2017年と比較すると5%ほど縮まっています。2017年の27か国平均は53%に対して、日本は31%で、その差は22%でした。
つまり世界的に見れば、日本のNGOの信頼は低いことは確かです。そのため、信頼性を上げる試みは必要です。ただ単に危機感を持つのではなく、ここ数年の取り組みを評価して、その延長で捉えていくのが良いのではないでしょうか。
~営利・非営利のソーシャル事業の成長が、社会課題の解決を加速させ、より良い社会を築くと信じて執筆~
※1 2012から2021年までのエデルマン・トラストバロメーター
https://www.slideshare.net/EdelmanJapan/2012-11458073?qid=f920e182-22bc-4c10-98cd-0d130fb8a382&v=&b=&from_search=1
https://jcne.or.jp/data/2021EdelmanTrustBarometer_Japan.pdf
※2 ふるさと納税に関する現況調査結果(総務省)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000701504.pdf
※3 国内クラウドファンディング市場の調査を実施(矢野経済研究所)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2036
※4 社会的インパクト評価に関する調査研究(内閣府)
https://www.npo-homepage.go.jp/toukei/sonota-chousa/social-impact-hyouka-chousa-h27
※5 ソーシャル・インパクト・ボンドとは(ケイスリー)
https://www.sib.k-three.org/8
※6 休眠預金等活用法について(金融庁)
https://www.fsa.go.jp/policy/kyuminyokin/kyuminyokin.html
※7 SDGsとは?(外務省)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html