飲茶は愉し、が、今の中国は愉しくない
ずっとお付き合いいただいている廣記商行の専務のタンさんに久しぶりにお目にかかった。温厚なタンさんにはいろいろお世話になって来た。今回は青茶(半発酵茶)の安渓黄金桂、花茶の特選ジャスミン茶、黒茶の宮廷プーアール茶を頂戴した。早速安渓黄金桂を落葉を愛でながら飲ませて頂いた。中国茶は6種類36品種あり、色、香り、そして煎じ方によって味も変化する。
イギリスでマスターオブワインの仕事をしていた合間に、紅茶のテイステイングも行い、発酵具合、乾燥具合、そして香りの付き方を愉しんだものだ。
中国の飲茶は英国流のフレーバー紅茶を除けばそれ以上に多岐にわたる素晴らしい文化だ。その歴史的文化の中国が、習近平独裁監視体制の失政により極端な経済的苦境に陥っている。香港では民主活動家の多くが弾圧された。
香港のコンラッドヒルトンのメインシェフ Brugger君は今どうしているのだろうか? 中華とフレンチの融合した斬新な料理を香港に行くたびに堪能させて頂いた。様々な文化の融合としてのユトリある創作料理は今や消滅の危機にあるのではないだろうか。飲茶を愉しむゆとり。欧米と中国との融合1国2制度によって花開いた絢爛豪華な文化は今、その息を止めてしまった。
心豊かに茶を味わうイギリスのテイステイング文化。中国の飲茶文化。似て非なるものこそが1国2制度の魅力だった。英国の統治領だった香港と中国。
僕も、友人も最早、今の香港に行こうとはしない。習近平政権が日本人の中国へのVISA無し渡航を1カ月にした。しかし恐怖政治と失われた自由の国の共産党独裁政権中国にわざわざ観光旅行で出掛ける酔狂な人は殆ど居ない。
僕は元来中華料理は大好きだ。満漢全席も食べた。北京ダックのフルコースも食べた。薬膳料理もサソリから猿の脳みそまで食べた。上海蟹も海燕の巣もフカヒレスープも海南蒸し鶏も、ありとあらゆる中華料理を食べて来た。そんな魅力のあった中国に今は全く行く気がしない。早く中国共産党よ目覚めてほしい。覇道では国は瓦解する。王道に戻り昔の魅力ある中国に戻れ。