見出し画像

僕と孝之さんとは、大学が同じ慶応義塾ということもあり、ある高名な僧侶のご親族の紹介で、何度かお食事を共にしたり、楽屋を訪れる関係でした。まだ二代目市川亀次郎の時代で、叔父さんの三代目市川猿之助さんが、スーパー歌舞伎を大ヒットさせておられた頃でした。お目にかかった印象は、礼儀正しく、誠実な好青年というものでした。伝統的な歌舞伎を継承する市川海老蔵の成田屋と革新的な歌舞伎を提供する市川猿之助の澤潟屋との対比を熱く語っていた事を思い出します。さて、僕は二代目市川亀次郎さんが、四代目市川猿之助を襲名され、活躍されている事を心から喜んでいました。しかし、真面目で自分に厳しい孝之さんは、舞台と私生活の狭間でリーダーとして苦しんでいたのでしょう。一般的には役者さんは、八方破れで、自己中心的な方が、ほとんどです。孝之さんはその逆。最終的に懲役2~3年 執行猶予3~4年の判決になるでしょう。ゆっくり充電して叔父さんのスーパー歌舞伎を超えるハイパー歌舞伎をひっさげて復活してほしいものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?