なんで日本で米は高いのか
長い海外生活から日本に帰って来て驚いた事はいくつかあります。
まず20年前に感じた第一印象はアメリカ、ヨーロッパ、韓国、中国、タイ、インドネシア等の発展と比べて日本はいくつかの高層ビルは出来たもののほとんど成長して居ない、惰眠を貪っていた事に驚きました。
多分、政治家達は足の引っ張りあいばかりして、日本の成長戦略をほとんど策定しないできたのでしょう。政治家に追従し太平の宴を満喫して来たマスコミや評論家は単なる広報機関や太鼓持ちに堕落して、世界的な視野すら持たず国家の計を語る事なく、放送権益の上で惰眠をしていたのでしょう。
さてアメリカの生活と日本の生活の比較で驚いた事はいっぱいあります。 特に驚いたのは米の価格差です。分かりやすく5キロ単位で見ると日本で買うコシヒカリは3000円。(今は3500円!?)アメリカで買うアメリカ産の日本米は5ドル800円、タイで買うジャスミンライスは180バーツ600円 日本で買うジャスミンライスは3000円(値上がりして3500円!?)という高級品。
アメリカと比べて日本のガソリン、ビールは2倍位の高さなのに米は4~5倍の高さという異常さに驚きました。戦後の配給制度や食糧難の時代の食管制度がそのまま残っているので異常な米高が維持されていると考えられます。政権与党が農家の票を失いたくない為に放置する。
人口の5%の農家から非効率な栽培で、世界標準価格の3倍位の価格で、国が買い上げて市場に供給している。輸入米には数倍の関税をかけて、その差益を国産米の価格の補填にあてているという馬鹿げた負の循環を繰り返しているのでしょう。
95%の国民は1000円以下で買う事の出来る米を3500円で買わされる。5%の米農家は500円でしか売れない米を2000円で買ってもらえる。まさに生活保護の補填を国民に押し付けているのと同じです。マスコミも全く不勉強で、農林水産省のインチキ話を真に受けて最近は暑さとインバウンドのせいで米の値段が値上がりしていると騒いでいるという思考停止状態です。
この様な戦後の遺物があらゆるところで残っている事が日本の国際競争力を貶める原因となっているのでしょう。日本の大手飲食業のゼンショーが、低価格の飲食店でも、ご飯のお代わり無料が出来ているのは、直営の生産農家から世界標準の米価格で、米を仕入れているから出来るのでしょう。