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甲子園球場のアルプススタンドに屋根?

熱波の続く地球、日本、関西、そして甲子園球場。野球の聖地 甲子園球場が出来て100年。阪神園芸さんの不断の努力でこの異常気象の中でも、素晴らしいグランドコンデイションが維持されていて本当に頭の下がる思いだ。

翻って、今から数十年前に小学生の徒競走リレー大会が甲子園球場で開催され、僕も学校代表で弱冠10歳で出場した。残念ながら優勝を逸した帰りに高校球児の真似をして球場の砂を持って帰ろうとしたら阪神園芸のおっちゃんにえらく怒られた。『坊やみたいな事を皆がしたら甲子園球場の砂が無くなってしまう』との事。仕方なく袋に入れた砂を渋々返却した。しかし多くの高校球児が球場の砂をなぜ持って帰るのか興味が尽きず、こっそりズボンのポケットに砂を忍ばせて帰宅した。家にある朝顔の植木鉢の一つに、その砂を入れて他の植木鉢の朝顔と数日比較したが、どの植木鉢の朝顔の咲き方は変わらず球場の砂は単なる普通の砂だと判りがっかりした記憶がある。

さて、昨今の熱波を含めた異常気象は甲子園球場観客席の問題よりも、そこでプレーする選手たちの健康の問題だ。グラウンドでは体感温度は優に50度を超えているだろう。時間をずらして協議を開催してもたかが知れている。
この過酷さの元で選手たちにプレーさせる事こそが施設側である甲子園球場、運営主体である全国高校野球連盟、日本プロ野球連盟の歴史と伝統を重んじるあまりの、傲慢さでは無いだろうか。

英国の150年にならんとするウインブルドンテニスのセンターコートは数十年前に可動式のテント屋根を設置したし、サブコートの一部は芝生を人工芝に変更した。何度か全英選手権を見に行ったが屋根付きテントに違和感はないし、降雨による試合中止は無くなりメデイアを通じて全世界で試合は確実に放映されている。観客も降雨にさらされる事も無く快適だった。

昨日、甲子園球場のアルプススタンドに150億円の巨費を投じて屋根を付けると経営者側から発表された。ちょっと待ってほしい。今問題なのは熱波を始めとする異常気象により、正常な状況で野球を中心としたあらゆるスポーツが甲子園球場ではあまりにも過酷になって居る事では無いのだろうか。
興行王であり、高校野球の発案者であった阪急の創始者、小林一三なら、『どうして屋内の野球場にしないのだ! どんなに困難でも、500億円かかっても全天候型の球場に変更しろ』と天国から激を飛ばしているに違いない。そうすればイベントも計画的に開催できるし興行収入も鰻登りの筈だ。



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