「追悼 立花隆の書棚展

書棚はその人の形代のようなものだと思う。前に立花さんにここの本はどうされるのですかと聞いたことがある。「捨ててしまえ」と先生はいったように思う。「だって迷惑でしょう」とも言った。記念館に納めたいとは言わなかったと記憶している。別の機会に「この人が全部(書棚の写真)もっているから」と言われたこともある。それは私が撮っているから大丈夫ということだと思っている。二〇二一年四月三〇日、立花さんが逝去された。いくつか追悼の言葉も書かせていただいたが、この書棚の写真のことが気にかかっていた。ネットに公開しようかとも考えたが、もう一度展開してみたくなった。撮影時に立花さんからつけられた条件「全部とるなら(撮影しても)いいよ」を思い出して、いっそのこと全ての書棚を展開してみよう。場所が足りなければ投影してみようと思い立った。「自分の頭の中をのぞかれているようだ」と言った立花さんの言葉どおり、立花さんの蔵書の佇まいからもう一度、立花隆の世界に触れていただければと思う。

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