資本とイデオロギー①
2023年8月24日、トマ・ピケティの最新刊『資本とイデオロギー』が発売されました。
今回、『資本とイデオロギー』について、複数回に分けて紹介をしていきます。
トマ・ピケティが唱えたことの重要性
どうして本書を紹介するのかというと、著者の前著の『21世紀の資本』という本が私に影響を与えた本だからです。
「トマ・ピケティ」は、フランス最優秀若手経済学者賞も受賞しているパリ経済学校経済学教授です。
彼は、『21世紀の資本』という本の中で、世界中で所得と富の分配の不平等が進んでおり、長期的には資本収益率が経済成長率を超える傾向があることを示しました。
これが資産格差の原因となり、世代間の貧困の世代間連鎖に関係するとして、政府による再分配政策の重要性を強調したとされています。
簡単に言うと、労働して「働く」より株式投資のような「資産運用」の方が、常にお金が増える成長スピードが早く、富裕層はずっと富裕層のままで、不平等は拡大していくということです。
そして、トップ1%への富の集中度で見たとき、トップ1%の富裕層に富が集中していることを明らかにし、衝撃を与えました。
例えば、フランスでは上位1%が6割の資産を所有しています。
私自身、この歪な構造に、不思議さと同時に納得という感情を抱きました。
なぜこんな不平等なのか?でも、確かにこのような格差が生まれる仕組みも分かるという感覚です。
ピケティはこの格差に疑問を感じ、その構造を明らかにするだけでなく、具体的な政策も主張しているのですが、この難しい問題に1人の経済学者が向き合い、世界に大きな影響を与えたことに感動しました。
当時は、大学で法律を勉強していた身でしたが、学問によって大きく社会を変えることができるのでは思わされるようなワクワクさせられる内容でした。
『資本とイデオロギー』とは
本書は、『21世紀の資本』の続編ですが、前著で書ききれなかった限界にも触れています。
1つ目に、西側の富裕国ばかりに力点を置きすぎたこと、2つ目に、政治的な変化を正面を切って取り組んでいなかったことを挙げています。
歴史を辿りながら、イデオロギーと格差の関係を明らかにしており、引用文献を超えると1000ページ超を超える超大作です。
とっつきにくい内容も多いかと思いますが、生きていく中で、「格差」は誰もが感じていることだと思います。
それを、格差は仕方がないと単純に鵜呑みにせず、1人1人が考えることによって、より豊かな社会を築くことができると私は信じています。
次回以降、本書の内容に深く入っていきたいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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