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【ロック名盤100】#28 The Doors - The Doors

 今回紹介するのは、ドアーズが1967年1月にリリースした1stアルバムにして、彼らの最高傑作との呼び声高い名盤「The Doors」(邦題は「ハートに火をつけて」)だ。サイケデリック・ロックの金字塔的であり、リスナーを幻覚的効果に誘うほどにカラフルなドラッグ色満載。
 ドアーズは最初から他のロックバンドとは明らかに異色だった。ジム・モリソンの叙情的な歌詞と独特なボーカル、レイ・マンザレクのキーボードによりもたらされる浮遊感。さらには「ライト・マイ・ファイア」が7分6秒、「ジ・エンド」に至っては11分35秒といった具合に、曲の長さも異様である。数年前くらいまではマッシュルーム・カットの若者が甘い恋の歌を歌っていたというのに、少ししたらこんなバンドが出てくるのだからロックというのは変遷が激しいジャンルである。

1 Break On Through (To the Other Side)
2 Soul Kitchen
3 The Crystal Ship
4 Twentieth Century Fox
5 Alabama Song (Whisky Bar)
6 Light My Fire
7 Back Door Man
8 I Looked at You
9 End of the Night
10 Take It as It Comes
11 The End

 オープナー「ブレイク・オン・スルー」はアップテンポなサイケデリック・ロックンロール(?)だ。「向こう側に突き抜けろ」といういかにもドラッギーなメッセージが繰り返される。本作のキラーチューン「ライト・マイ・ファイア」はドアーズ最大のヒット曲だが、やっぱり尖っている。こんな独特な曲がチャート1位をとるなんて、すごい時代だったんだなぁと思うばかり。僕が1番好きな曲は「トゥエンティース・センチュリー・フォックス」。なんでか知らないけど、本作の中では1番キャッチーに聴こえる。
 「ジ・エンド」で文字通りアルバムを締めくくるわけだが、これがジム・モリソンの怪作にして最高傑作。ギリシャ神話をなぞったセンセーショナルな歌詞をジム・モリソンが全霊を込めて歌い上げる。タイムマシンがあれば、この曲のクレイジーなライヴパフォーマンスを見てみたい。
 どこか湿った、カラフルな質感が充満している不思議な雰囲気だ。「音の幻覚剤」とまではいかないかもしれないけど、とにかくサイケである。難解で、ポップとは言い難いが何回も何回も繰り返し聴き入ってしまう中毒性はそこにある。

↓「ライト・マイ・ファイア」

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