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【ロック名盤100】#68 The Clash - London Calling

 色々あり、アカウントを一新しました。ご無沙汰してました、オルタナティヴィストです。そして初めまして、juntaxmanです。引き続き頑張っていきましょう、よろしくお願いします。

 今回紹介するのは、クラッシュが1979年12月にリリースした2枚組アルバム「London Calling」だ。ダムドやセックス・ピストルズなどとともにロンドンのパンク・シーンを牽引してきたクラッシュは、従来のパンクとそれ以外の要素を融合した作品の制作に取り掛かった———1978年のセックス・ピストルズの解散はクラシックなパンクの在り方に警鐘を鳴らしたも同然だった———クラッシュもまた他のパンク・バンドと同じように変革を試み、出来上がったのがパンク、ポップ、ハードロック、ロカビリー、レゲエ、スカがそれぞれ一体となって渦巻いた2枚組の傑作アルバムだった。人気、評価共に最も高いクラッシュのアルバムであり、ポストパンクの大名盤としてこれからも語り継がれるだろう。

1 London Calling
2 Brand New Cadillac
3 Jimmy Jazz
4 Hateful
5 Rudie Can’t Fail
6 Spanish Bombs
7 The Right Profile
8 Lost in the Supermarket
9 Clampdown
10 The Guns of Brixton
11 Wrong ‘Em Boyo
12 Death or Glory
13 Koka Kola
14 The Card Cheat
15 Lover’s Rock
16 Four Horsemen
17 I’m Not Down
18 Revolution Rock
19 Train in Vain (Stand by Me)

 ロンドン・パンクの代表格であるバンドの最高傑作、というのだからさぞパンキッシュなアルバムなのだろうと思うと拍子抜け。もちろん攻撃性を感じさせる楽曲もあるが、一方でポップであったりルーツに対するリスペクトが垣間見える楽曲があったりと多彩なラインナップ。真剣に聴くとだいぶ飽きさせないアルバムだ。
 表題曲「ロンドン・コーリング」は絶対的なクラッシュの代表曲でありアンセムである。タイトなグルーヴに乗ってねじれるように絡みつくのはフロントマン、ジョー・ストラマーの力強いボーカル。1曲目で表題曲であるこの曲が最もパンクしている楽曲だと思うので、この後続く作品群のジャンルの多彩さには驚かれる。
 ひたすらにキャッチーで口ずさみたくなるメロディーラインが強みの「ロスト・イン・ザ・スーパーマーケット」なんて、初めて聴いたら衝撃を受ける人もいるはず。こんなポップな曲をクラッシュで聴けていいのかという背徳感が生まれる。嬉しいんだけどね。他だとベースライン中心に展開されるグルーヴがたまらなくかっこいい僕のフェイバリット「ザ・ガンズ・オブ・ブリクストン」や本作のクラッシュのもうひとつの代表曲「トレイン・イン・ヴェイン」もすばらしい。余談だと「レボリューション・ロック」はタイトル騙しで、モロにレゲエの楽曲。他のポスト・パンク/ニュー・ウェイヴ・バンドと同じく、ワールド・ミュージックを積極的に取り入れようとする姿勢が伝わってくる。
 クラッシュを「パンク・ムーヴメントに隠れた技巧派集団」と呼ぶのはその通りで、かなり複雑で新しいことをやろうとしていた。このアルバムがポスト・パンクのフォーマットのひとつを作ったといってもいいだろう。70年代の終わり間際にリリースされた本作は、70年代を参照するとともに80年代を予見するような内容に仕上がったといえる。
 ちなみに、クラッシュのストレートなパンクを聴きたいならデビュー・アルバムの「白い暴動」をぜひ。こちらもクラッシュの名盤だ。

↓「ロンドン・コーリング」

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