茶色と氷の世界(KFK-13)
引越した場所は、車通りの割りと多い道沿いに建てられたアパートだった。間取りは1DKだったと思う。今までで一番狭い部屋だった(赤ちゃんの頃は除く)
6畳の居室と4畳半の寝室で、家族四人が暮らす事になった。
家の周りは殺風景だった。北海道は9月も半ば過ぎると草木が枯れ出すものの、そこはとにかく茶色い地面や灰色の地面剥き出しの場所が多かった。この数年で宅地化されたような街並みだった。
転校した先の小学校も馴染めなかった。先生がヒステリックで冷淡すぎた。田舎の小学校の担任が、人間味溢れてたのとは大きく違っていた。
はっきりしたイジメは体験しなかったが、リコーダーの先が無くなった。先生に咎められた。(後で親に買って貰った)
冬になると、少し友達が出来た。活発な男子と、ちびまる子ちゃんの永沢君みたいな子と気が合った。
雪合戦は北海道のさらさら雪のパウダーボールだったけど楽しかった。
1月になると戸建てのエントランスにミニスケートリンクを作る家もあり、私も時々遊びに行った。
担任の先生が産休で来なくなった。代理の先生が担任になって少しホッとした。
色々あったけれど、何とか馴染み始めた。
一方家の中では、乾いた時を過ごしていた。
(つづく)