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「努力が報われるひともいれば報われないひともいるのだから、もう、頑張ることを美しいものとして語るのはやめて欲しい」
そう言いながら彼女は、insert insert insert insert ……と、ルーズリーフに書き続けていた。
『執念』と『強迫観念』は、似ているようで似ていない。
前者はどこかへ到達することに必死になることで、後者は過程や行動そのものに強くこだわることだ。
彼女は強迫観念に駆られながら、焦りと安らぎの間で揺れている。
一日の終わりに、ちゃんと体力がすっからかんになっているか。
それを確認しなければ、彼女に心からの平穏は訪れないのだろう。