![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/69799334/rectangle_large_type_2_7ff173e3deccee532f08b68ec57eaa91.png?width=1200)
1/13
ふたりで見たってさして楽しくもないものを、ひとりで見て、楽しいわけがない。
ライトアップされた橋を眺めながら、光るウエハースを妄想する。
張り込みをすると言った張本人は、このクソ寒いなか、平気で居眠りをしている。
何度も叩き起こしてやろうかと思ったが、これで凍死するなら自業自得で仕方ないということで、コートを掛けてあげるにとどまる。
見張るにしては遠すぎるロケーション。
豆粒ほどの車が、ちょっとスピードをつけて通過していくのを、ぼんやりと見ている。
こんな人生のつもりだったっけと、幼稚園の卒園式を思い返した。