第6回講義 肩関節と膝関節のテーピング実践
📚はじめに
2023年2月15日(水)15時より御茶ノ水センタービル403教室にて、今年度6回目の講義が開催されました!今回は対面形式で、テーピング実践を行いました。スポーツ医学塾事務局の相馬琢朗先生のご指導のもと医学部・保健医療学部・スポーツ健康科学部の学生13名が参加しました。
✅前十字靭帯損傷のテーピング
相馬先生によるデモンストレーション
前十字損傷の場合、脛骨外旋による「Knee in & Toe out」を防止することがテーピングの目的となる。
①アンカー
・下腿の最大膨隆部と、膝蓋骨から対称の大腿部との2箇所に巻く
②スパイラルテープ
・下腿外側から回旋するようなテープで、内旋を誘導する
・膝蓋骨にかからないようにする
③内側側副靭帯のサポートテープ
・靭帯に沿ったI(アイ)サポートと、靭帯部で交叉するように2本の計3本
④脛骨を後方に抑えるテープ
・テープの中心を脛骨粗面に当て体重をかけてもらう
・交叉させて2本巻く
⑤膝蓋骨を固定するテープ
・膝蓋骨に沿うようにする
・アンカーの上で終わるようにする
⑥アンカー
・①と同様に巻いて終わり
注意点
・テープは剥がれやすいので、1回ごとにこすって手の熱でしっかりと粘着
させる
・最後にしゃがみ込む動作をしてもらい、テーピングが足に合っているか確
認し、必要であれば調整する
学生同士での実践・練習
相馬先生のデモンストレーションを参考に、2人1組になってテーピングの練習を行いました。テープの強さや方向を話し合ったり、疑問点を先生に聞いてどのように修正すれば良いかご指導いただいたりと活発な時間になりました。
難しかったところや学んだポイントなど、学生の声をご紹介します。
・テープを巻く強さが足りなかった。引っ張る加減が難しいが、練習を繰り
返していくしかないと感じた。
・安全にテープを切る工夫を学ぶことができた。
・2回目は1回目よりも強く巻くように意識した。かかる時間は変わってい
ないがより丁寧にできた。
💡ポイント
・まずテーピングを行う姿勢をととのえるところから始める。最初の姿勢か
らKnee inしていたらテーピングの意味がなくなってしまう。
・テープ1本1本の機能を確認して効果的なテーピングとなるように、骨格
や靭帯の走行など解剖を理解している必要がある。
✅肩関節前方脱臼のテーピング
相馬先生によるデモンストレーション
肩関節前方脱臼の場合、肩関節伸展・外転・外旋によって受傷しやすいため、肩関節屈曲・内転・内旋となるようなテーピングを行う。
①腰に手を当てる
②アンカー
・息を吸って胸郭が広がったところで、胸にテープを巻く
③肩関節内旋方向へのテープ
・乳首は避けるか保護剤を使う
・可動域はスポーツや選手個人によって変わるため調整する(脇付近に切
り込みを入れると可動域が拡がる)
④動脈および神経が締まっていないか、しびれなどを確認する
学生同士での実践・練習
男子学生が対象者となり、実践を行いました。実際の競技動作を行いながらテーピングの強さを調整する必要があります。
📚最後に
今回は対面形式で直接テーピングの指導を受ける、貴重な機会となりました。デモンストレーションを見て実践してみて、できなかった箇所を重点的に練習する姿も見られました。
また、他学部・他学年との交流の機会ともなり、お互いの学部や個人での取り組みについてなど情報交換をして仲を深める様子もありました。
学生にとって有意義な時間となりました。相馬先生、ありがとうございました!
最後までご覧いただきありがとうございました。
文責:宮澤