見出し画像

Q、これまでの共創、これからの共創とは?

(2018年12月13日の自身のFacebook投稿を転載)
Q、これまでの共創、これからの共創とは?
 
 今日『社会変革のためのシステム思考実践ガイド―共に解決策を見出し、コレクティブ・インパクトを創造する』の出版記念イベントに参加して、自分の内から出てきた問い。
 Collective ImpactをFBのカバー写真にするくらいCIに陶酔しているけど、改めてCIの限界や、その先にあるこれからの共創が浮かんできたのでメモ投稿。(イベントは最高でした。人生初献本頂いた書籍でもあり、いまHAAPYが心に溢れています)


 
■共創のこれまで 
 井上 英之さんがイベント冒頭で述べていた通り、
 官民で連携すること自体が画期的だった過去、対立から対話/協働へという流れ。対話のみ重視の限界を感じ、ソーシャル×ビジネスで規模をひたすら大きく!と世界中がTryして市場は莫大に広がった。
 だけど、例えばTeach for Americaは数十万人へアプローチしたのに当事者の母数は数千万人いて、無力感を感じた。。
 
 そこで注目を浴びたのが”Collective Impact”。特定のテーマで関係する主要なステークホルダーを殆ど集めてコモンアジェンダを描き、恐れを出し合える関係を醸成した上で、社会変革を実現していく。
 その必須スキルがシステムアウェアネス・システム思考。誰かが加害者、被害者、第3者ではなく、みんな相互影響し合ってる当事者だと気づき、何が起きているのかを各自の経験とデータと感情をシェアすることで表出する。
  
 
■いまの共創の課題とこれからの共創の方向性
 CIは特定の地域の主要なリーダーが集い協働するコミュニティにもなるため、新たな権力構造を生み出すことにもなり得る。
 この批判は、CIの効果の立証と共にアメリカのレポートでも呈されているし、俺の違和感としてこの1年育っていた。
 
 11月に参加したアダムカヘン氏の「敵とのコラボレーション」WSや著書の中で示された従来型のコラボレーションとストレッチ・コラボレーションの違い。そして「ホロン」という世界観がその違和感を晴らした。
 失敗するCI/従来型のコラボレーションは、「調和」のみをイニシアティブメンバーに求める。価値観が異なる主要なリーダー同士が仲良くし、彼らが描いたビジョンを下位メンバーで実行する=目指す社会をコントロールするという構造になる。

 でも実際は、「対立」と「調和」は共に生み出され続け、共存する。ホロンは大小の全体性をもった個人/組織/コミュニティ同士が相互影響し合っていることを前提とし、たった1つの大きな全体性で世界を創ることを手放す世界観だ。


■佐藤淳が妄想する「これからの共創」
 では、「これからの共創」とは、対立と調和ともに受容されるCollective Impactなのか?
 いや、その社会の変え方はまだ途上だと直感している。
 
 アウトプット志向からアウトカム志向へ、という流れのように、システム志向へというのが次の流れ。そこでシステム思考や対立と調和の受容は当たり前になる。
 結果、リーダー層の意識変容や、システミック・チェンジは大小達成できる(法律改変/新制度広がり等)が、一方リーダー以外の関係者層や無関心だが影響している層の意識変容には至らないと思っている。
 (例えば子どもの貧困に取り組む各セクターの主体の連携強化と制度化、当事者の状況は改善しても、当事者の周囲(近所のひと・学校・職場等)の意識変容がない限り、ほしい日常は手に入らないかもしれない。)
 
 
 システム・チェンジは構造変化と意識変容ともに必要というのが定説。これが起きやすいのが大規模災害だが、非日常かつ大きなグリーフが伴うイニシエーションとなる。
 なので、今日気付いた私が創りたい現実は、「大規模なグリーフを伴わず、静かに優しく、各個人が恐れを受容し、本質的な社会変革を終結すること」。
 これが私の人生のテーマ、「社会の変え方を変える」の答えになる。結果、Teach for Americaがアプローチできなかった数千万人のこどもたちの状況も諦めなくていいと、そう言えるようになる。はずなんだ。
 (少し近い事例は、ベルリンの壁崩壊後の数日間、地雷禁止条約締結のキャンペーン)
 

◼︎(追記)改めて「共創」とは?が問われている
 共創そのものが価値ではない。どころか社会システムが見えていない中で大きな力を振るうと、より悪い結果を引き起こす。善人たちが、短期的には良い結果を残しても長期的には以前より状況が悪くなり、新たな社会問題すら生み出すーということが起こっている。
 「共創」とは何か? 共創している状態とは? なにが生み出されるイメージか? その期待するインパクトを想像したときにどんな感情を得るか? 本当に共創でないと実現できないのか? それはどんなネガティブインパクトを起こすのか?(大小必ず起きてしまうものだと思う。システムに関係するひと/組織等がみんな100%HAPPYはない)
 協働するチームメンバーと、レゴシリアスプレイで「共創」をテーマに具象化・自己認知を高めたい。
 
 
■おまけの持論と徒然話 
 話変わって私の持論は、いま世界中でこれからの社会の創り方をみんなが模索している中、各国で試行錯誤した社会の変え方、その1つ1つのうねりが紡がれる転換点が訪れること。
 そのとき、対立と調和の受容等は当たり前になり、これからの共創が実現できるreadinessが整い実現できると妄想している。早く体験したい。
 
・・・こういうマニアックかつ抽象的過ぎることを実感をもって語り合える仲間がほしい(現状5名ほどなので広げたい)。
・・・愛する小説『境界線上のホライゾン』『水滸伝/チンギス期』も、「失わない社会変革」に近いので、このオタク議論ができるひといたら語り合いたい。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?