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海外MBAという環境を、いかに活用するか?〜term2中間振り返り〜

ボンジュール!パリに来て早くも7ヶ月が経ちました。早すぎる。。
学校の方は今月末にTerm2の期末試験が控えており、毎日バタバタと過ごしております。

さて、実は前回の記事を書いてからnote読みました〜という連絡を各方面からもらうようになり、この2週間でも3人の方と実際に話す機会に恵まれました。やっぱり海外MBA投稿がnoteに少ないからかな?読んでいただいている方々ありがとうございます!少しでもリアルな海外MBAの様子をお伝えできればと思います。今日も一貫性無視して書きたいこと書いていきます。笑
前回の記事はこちら→

この記事では少し早いですが、Term2の振り返りをしつつ、経験したことや学んだことを書いていきます。あくまでTech Startup×Designバックグラウンドの人が経験した数あるMBAライフの1つの側面としてお楽しみください。


シャンゼリゼの年越しと朝3:30から始まる年始の授業

さて、前回の記事はクリスマス前に書いたのですが、そこからパリでのクリスマスマーケットとシャンゼリゼの年越しがありました。個人的には街がクリスマス一色になるこのシーズンが一番好きですね。次いで夏。

クリスマス演奏してるヴァンドーム広場
クリスマスマーケットで賑わうパリ市庁舎
クリスマスのギャラリーラファイエット

HEC Paris MBAでは9割の人がキャンパス内の寮に住んでいます。途中から徐々にパリに引っ越す人が増えるのですが、朝頑張って起きる気合いのある人は最初からパリやヴェルサイユ近郊に住んで通学しています。特に朝と夜・平日休日ともにパリ↔︎キャンパスを往復する無料のシャトルバスが出ているのでとても便利です。

今年から始まった新授業Capstone Project

さて、年が明けてCapstone Projectと呼ばれる、今年から始まった問題解決型アプローチの授業から始まります。なんと、指定された集合時間は1/3-5いずれかの朝3:30@キャンパス!(人によって日が違う)朝3:30集合ってさすがに仕事でも経験したことなかったです。

The Capstone presents an opportunity for you to propose an answer to a novel and intricate problem that you'll define. We encourage you to adopt a problem-solving approach for the Capstone, drawing on the insights gained during the Problem Solving and Communication early in the MBA program.

(プログラム説明より引用)

中身はネタバレ禁止のものが含まれているので、朝3:30集合してどこか行って何かを経験して学びますとしか言えないんですが、このプログラムはシリーズもので、フランスないしはパリにおける複雑かつ文化的に重要な課題を理解して、どのように現場が向き合い、解決していくのかということを知るプログラムです。噂では自分の次の代からは3:30集合は無くなったようです・・笑

この翌週くらいの2回目の授業ではゲストスピーカーが講演に来ました。それがなんと、かの世界が誇るミシュラン三つ星シェフ、アランデュカスの愛弟子であるAmaury Bouhoursさんと、ピカソが結婚披露宴を挙げたパリ最古かつ最初にPalace Hotelの称号を得たホテルLe Meurice(ル・ムーリス)のGeneral Managerが来てくれました。HECのAlumniと一緒に。最初は普通にパネルセッションだったんですが、最後はまさかのその場でガストロノミーを作り出す料理ショーに。笑 これはフランスならではだなあと思いながらとても盛り上がっていました。

これ、ちゃんとした授業です。笑

3回目・4回目の授業はこれからなのでまた書きたいと思いますが、やはりHECはフランスならではの授業が所々にあって面白いなあと思います。

2. 授業

Term2の授業はTerm1に引き続き必修科目ということで、あらかじめ履修する授業が決まっています。

  • Strategic Management

  • Corporate Finance

  • Macro Economics for Business

  • Ethics&Sustainability

  • Management Accounting and Control

  • Operation Management

  • Organizational Behavior

  • Leadership Communication

  • New Horizon Capstones

Thanks to term2のStudy Groupメンバー🇺🇸🇨🇳🇮🇳🇰🇪🇯🇵

書いててもうすぐ始まる期末テストがなんだか億劫になってきましたが、個人的にはValuationが中心のコーポレートファイナンスが自分が身につけたかった領域だったので面白く、教授としてはOrganizational Behaviorのセバスチャンが面白かったです。ちなみにファイナンス系は「道具としてのファイナンス」「コーポレートファイナンス戦略と実践」を日本語で読みながらファイナンスに強い同級生に教えを乞いながらどうにか生き延びてます。

THE自由なクラスメイトたち

またOrganizational Behaviorでは同じコホートの同級生(自分は約160人)から、1人ずつどれくらい仲がいいか、どれくらい会話するか、避けてしまうような同級生はいるかをバイネームで回答し、その結果がモデルとして発表されるなかなか酷な授業があったりします。

受け取れる結果はネタバレになるので控えますが、インド人はこんな感じでつるんでいるとか、日本人はこんな特徴があるとか、自分はこんな性格でこんなRelationshipを持っているとか全て出るのでグローバル環境における組織行動論としてはとても面白かったです。

他にもEthicsのボーナスクラスでオンラインで来てくれた元BestBuyのCEO、現Harvard Business School教授のHubert Jolyさんの講演は面白かったです。なんか話聞くと元気もらえるんですよね。(雑)

3. Entrepreneurship Clubのプレジデントとしてチーム・Career Trekの企画

前回のnoteでも触れましたが、HEC Paris MBA Entrepreneurship ClubのPresidentを務めています。授業の次にクラブ活動に時間を使っていると思います。こちらがチームメンバー。

Leadership Team

もうね、見るからに多様性が高いですね。みんなLinkedInに書いてるし、学校内で流れてたり掲示されてたりするのでこのまま貼ります。日本からの在校生訪問依頼が増えたらごめんみんな。

さて、何をやっているかというとこのクラブを通じて、HEC Community全体にアントレプレナーシップ機会を提供するというものです。

こういうプレゼンもやった

Incubator HECと連携してヨーロッパ最大のスタートアップキャンパスであるStationFにビジットに行ったり、CDL(Creative Destruction Lab)の話を聞いたり、交流会を企画したり、オンラインイベントを運営したりしてます。

筆者右上マフラー

StationFIncubatorHECCDLについてはRouteXさんの記事が詳しいのでハイパーリンクで貼っておきます。

今はちょうどCareer Trekと言って、ほとんどの海外MBAがやっていると思いますが、企業訪問を複数日程に渡り企画して20人ほどでビジットするイベントを企画しており、今月と来月でそれぞれ実施予定です。前職で逆にアメリカ、ヨーロッパからそれぞれ学生の企業訪問を受け入れていたので、今度は自分が訪問する側になったか、と懐かしく思います。

色んなクラブが色んな国のトレックを企画しており、Sustainability ClubがBerlin行ったり、Industry ClubがStuttgart行ったり、Consulting ClubがEMEA行ったり、PE/VC ClubがLondon行ったりします。Entrepreneurship Clubはあえてスタートアップが賑わっているParisに残ることにしました。すでにLVMHのIncubatorや現地のVC訪問、French Unicorn Startup等7社への訪問が決まっているので今からとても楽しみです。

アントレクラブのVPを務めるJuanの誕生日会

他にもスイスでイノベーションで有名なSt.Gallenで実施されるSTART Globalのパリチームとの交流や昨年イーロンマスクが登壇で話題になったVIVA Techが控えており、サイドイベントもクラブとしてコラボ予定です。直近だとDeepTech系のHello TomorrowCHANGE Nowがパリで開催されます。

そしてなんと、今年のCountry of the Yearに日本が選出されました!去年は韓国だったようです。これで多くのスタートアップや政府関係者、大企業が今年の5月にパリに集結ということで、また報告したいと思います。ちなみにHECの学生は毎年3日間の無料チケットが配布されます。至る所でHECの卒業生や関係者が登壇するので楽しみです。

VIVA Tech公式サイトより画像引用

4. Nike EMEA Strategyチームとのコンサルティングプロジェクト

少し前にLuxury Clubが主催しているNike EMEA Strategyチームとのコンサルプロジェクトに応募しまして、無事に最終2組に選ばれて今現在参加をしています。中身はNDAの関係で何も言えませんが、以前参加したINSEAD主催のAIビジネスコンペティションとはまた全然異なる分野かつ新しいチームなのでユニークな体験をさせてもらっています。NikeのEMEA担当者も元マッキンゼーということでガンガンコメントが来ます。

今回のチームメンバーは、台湾・ベトナム・インド・日本(自分)の4人チーム。全体ではギリシャ・中国・インド・インドで合計8人。ヨーロッパ出身のメンバーが1人しかいないのにEMEA(Europe, the Middle East, Africa)地域を担当するのも新しいなと思いながら毎週の定例MTGやプレゼンをしています。誘ってくれたWin、ありがとう!

プロジェクトメンバー(一部)
パリ五輪に向けたスポーツのファッションの展示会@パリ装飾美術館

5. LVMH・Kering・Saint Laurent・Cartierの講演

はい、またやって参りました、Luxury Brandingシリーズ。
やはりHECの卒業生はLuxury業界で活躍している人が多いなあと感じます。

時系列で行くとまずはCartier。アクセサリー・時計・イベント担当の3名(内2名がHEC卒業生)に加えてCartierでインターンしているクラスメイトがモデレーターでした。"Opportunities and challenges in the luxury industry from a marketing, product development and retail lens"がテーマ。

モデレーターを務めるTiffanyの誕生日会

次にKeringとサンローラン。Luxury業界を代表するKeringのファウンダーはHEC出身なので何かと学校との結びつきが強いです。ちなみに自分は幸いにも来月からこのKeringが学校とコラボしている授業を取れる予定でして、今年の授業クライアントがSaint Laurantになります。以前はGUCCIとかBoucheronだったみたいです。

KeringとHEC Alumni

講演自体はよくある会社紹介・カルチャー紹介なんですが、グローバル本社から10人もHECの卒業生が来て色々話してくれる機会は本当に貴重だなあと思います。幹部の比率も圧倒的に女性が多いんですね。CEOも女性で、昨年9月からサンローランの社長がKeringのCEOにアサインされてまさに変革期というタイミングです。

最後にLVMHです。LVMH Head of Innovation, Blockchain, NFTs担当がHECの卒業生ということで来週講演に来てくれます。講演テーマは"Embracing Innovation & Blockchain, Intrapreneurship within LVMH to enhance customer experience" 本当いろんな重要ポジションに卒業生いるなあとしみじみ思います。

毎回イベント後にネットワーキングセッションがあるので中の人と直接話せるのも面白いです。ただ、日本は独自の文化だからHQが直接見ていないケースがほとんどなので、フランス・ヨーロッパでどういう展開をしているのか本社側の動きを知るのに適しているかなと思います。

6. 在仏日本大使館との交流@Château

実はHECはアジア初の公式事務所(オフィス)を日本で設立しています。世界各国にオフィスがあるわけでもなく、かなり昔から学校と日本の事務所とが連携をしてアジアにおけるHEC Parisのコミュニティーを形作ってきました。

そのおかげで日本におけるHECのAlumni活動も盛んで、年に4回イベントがあり、自分も出国前に日比谷で開催されたAlumniイベントに参加しています。Japan Alumniトップは某自動車会社のボードメンバーです。

他にも日仏経済交流委員会という団体があり、日本でいう商工会議所の配下に組織されています。なんとその団体がほぼ毎月イベントを開催しており、自分も12月の忘年会に参加させてもらいました。参加者は100人を超える盛り上がりで、HECだけでなくパリ赤門会・パリ稲門会・パリ三田会、パリ政治学院や様々な企業経営者が来ていました。人多すぎてホテルのバーでリアルに酸欠になりかけました。。

キャンパス内にあるHECシャトー、よくイベントがあります。

そしてやっとタイトルと一致するんですが、HECと日本の繋がりは意外と深く、その関係で在仏日本大使館や政府の各種機関とも繋がりがあります。こっちに来てお会いさせてもらった政府関係の方かなり多いです。その一環で、HECのInternational Affairs担当のお誘いにより、在仏日本大使館の幹部の方々と、日本のMBA在校生で交流する機会がありました。場所もHECのシャトーで実施ということでとても素敵な空間でした。日本・フランス間の連携は自分もしっかり貢献していきたいと思っています。

7. MBA公式アンバサダープログラムに選出

つい先日、ミニエッセイの選考を経て、なんとHEC Paris MBAプログラムの公式アンバサダーに就任しました!日本からはあと2人います。まさか底辺学生が公式に学校の宣伝活動に関わることになるとは思いませんでした。

先日はアンバサダープログラムに選ばれた人たちと学校関係者で交流会が開かれたり、学校説明に関する説明会があったりと充実しています。そして何という運命か、そのプログラム運営責任者は自分が受験時代に「あなたのバックグラウンド面白いからすぐ応募しなさい!」とアドバイスをくれた元アジアリクルーティング担当のフランス人だったのです!彼女と話していなければ自分はHECに来ることはなかったですし、こうやって再会できたのが感動でした。

(地味にMBA Programがついてる非売品)

ということで、このnoteもなぜかMBA公式アンバサダーが発信することになりましたが、全て個人の感想なので参考程度にどうぞ。キャンパスビジットで会いましょう(めっちゃ田舎だけど)。

終わりに:海外MBAという環境をどう活用するか?

別に海外MBAに限ったことではありませんが、自分が置かれている環境をどのように活かすかは人それぞれだと思っています。投資に対してのリターンがあったかなかったかは自分の行動次第ですし、MBAという学問が必要かどうかもその人次第。MBAという学位が時代に遅れをとっているかどうかなんて、それこそその人がどのように学び、どのように機会を活用していくか次第です。

なので海外MBA不要論を見る度に、『自分は、この環境をどのようにして人生において最大限活用することができるだろうか?』という考え方をしています。ちなみにMBAが価値がないのではなくてMBAを特別考慮することはないよ、という主張がバズってる主なものだったりします。まあ学校もしっかりカリキュラムはアップデートしに来ているので、個人的には学び直し・内省期間として悔いはありません。受験生の皆さん、周りに流されず自分はどうしたいのか、何を経験しに行きたいのかを深く考えるのがおすすめです。

ギュスターヴ・モロー美術館おすすめです!

ということでTerm2を振り返ってみて、HEC Paris MBAに来ていなければ、グローバル人材の思考プロセスはわからなかったし、カオスな文化体験もできなかったし、その中でクラブを通じてリーダーシップの練習をする機会もありませんでした。深くやってこなかったBS視点や金融市場の考え方であったり、何より学びたいと思っていたブランディングやStationFを取り巻くStartup環境に関してはまさにど真ん中で主体的に学べている感覚があります。あと単純にパリに住むっていいな〜と思うこともなかったですし、パートナーと猫とゆっくり(?)人生を味わうこともできなかったかなと思います。

ニシム・ド・カモンド美術館もおすすめ

ちなみにパリという立地を生かして、こちらに来てからというもの、モンサンミッシェル・ロワール・エディンバラ・ヴェネツィア・ロンドン・ストラスブールに妻と小旅行も行きました。私費で資金ギリギリ円安限界毎月胃がキリキリ生活なのでいかにスケジュールを立てて安く行くかが最優先、ということで、2月ヴェネツィア往復€70、12月ロンドン往復€165、12月ストラスブール往復€120という破格な価格で、ホテルはカードのポイントで一銭も使いませんでした。あとパリで無料の美術館めちゃくちゃ行ってます。限界私費組の皆さん、そういう視点でもヨーロッパMBAおすすめです。笑

とある日のパリの夕焼け

ということでまた長くなってしまった!Term3はCertification、Outdoor Leadership Seminar、MBAT、インターン、VIVATech、そしてパリオリンピック!など盛りだくさんなのでお楽しみに。最近サボり気味のStandfmも徐々に再開していきたいなと思います。何より発信止めたらHECの中の人にも言われる(た)んでね!笑 ではでは、またTerm3で会いましょう〜👋

最後まで読んでいただきありがとうございます!