海賊王と麗人海軍~海洋恋愛浪漫譚~ 4章(5/8)
四章 竜骨の下で
ロバート海賊団としての初航海を終えて二週間後、次の航海が始まった。今回もロバートに「一月前後で帰港予定」と告げられている。
「ターゲットが定まっているとしか思えないよね」
出航して二週間目の朝、清掃と食事が終わり、船乗りたちは各自寛いでいる。アレクサンドラとエドワードもフォーチュン号の甲板で潮風を受けながら、小さな声で話をしていた。推進はマストに任せ櫂漕ぎはいない。周囲には誰もいなかった。
「しかし、海軍の航路は極秘事項だ。貿易をしている商人たちだって