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丸山の本棚

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丸山が読んだ本を思いつくままにレビュー。 小説 / 実用書中心です。漫画は別マガジンで。
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「海と毒薬 / 遠藤周作」

友人が薦めてくれた「海と毒薬/遠藤周作」 1957年発行だけど今日たまたま本屋で見つけて、即買読了。 戦争末期、米軍捕虜への生体解剖に参加した医師や看護師のお話。 それぞれの解剖参加に至る動機や、罪の意識の不在の背景、 咎めることのできなかった良心、思考を停止させていく同調圧力・・。 戦時下の日本人の精神性に迫っています。 と言いながらも正直「日本人の精神性」という括りは、小説裏表紙のあらすじに書かれている下記の紹介文章、 著者の念頭から絶えて離れることのない問

「家族シアター / 辻村深月」

以前から辻村深月さんの小説がお気に入りでよく読んでいます。 ヒヤリとする、思春期独特の尖った心理描写が得意な辻村深月さんですが、「家族シアター」なんてタイトルを見ただけで即買いだと分かりますね笑 「家族シアター」は様々な家族の、7つのストーリーを収めた短編集です。 日常で起こったある出来事を発端に、家族へ普段は言えない本音や不平・不満、そして愛情が満ち溢れてくる・・。 「家族」という無条件に、近い距離感で同じ時間を共有する集合体。 しかしどこまでいってもあなたと私は「