「よんこまさーど!」考察#2 「ロスヴァイセする」の用例整理並びに意味の推察
「一般的な解釈」とは、権威と研究の鍔迫り合いの中に生まれる
ベロブルグにおける星核がそうであったのと同じように
崩壊スターレイルをご存知ない方はあるいは、キリスト教各教派による公会議への態度を思い出せば、おおよそ私の言いたいことは伝わるだろう
同じ現象、同じ文面であったとしても、立場や時代によって様々な解釈が生じる
ことば、文章、単語が持つ曖昧さが、その対立の一員であることは言うまでもない
私たちが普段から楽しんでいる「よんこまさーど!」もまた、その曖昧さの網から逃れることはできなかった
97話と123話、といえば皆様もピンとくるだろう
そう
「ロスヴァイセ」である
こんかいはこの用法を整理し、あわよくば意味の推察まで行いたい
・用例の抜き出し
97話より
「まずメイドの
基本スキルである
ホットティーの
淹れ方ですが
ティーポットが
沸騰してから茶葉を
アフロディーテで
ロスヴァイセして・・・」
123話より
「そこで
カモミールを
ロスヴァイセして」
まずはそれぞれの状況を明確にしたい
アフロディーテとは、ギリシア神話の神ではなく、リタ・ロスヴァイセのモチーフ武器の大鎌である
カモミールとは、植物である。茶葉に加工され、カモミールティーとして広く親しまれている。スタバのメニューにもある
すなわち、どちらもティー、とりわけ茶葉の話題であることがまず分かる
さらに、わざわざアフロディーテという武器が登場する点も忘れてはいけないアフロディーテは、大鎌という名前の通り、死神が持つそれと同じように背丈ほどの大きさを誇っている
「ロスヴァイセする」の意味に迫るためには、情報量の多い97話の文脈に注目したい
メイドの基本としてホットティーの淹れ方について指導する場面である
沸騰したお湯を用意したあとに、茶葉を「ロスヴァイセ」するというのだ
ここで私達がホットティーを入れる場面を想像しよう。
お湯が沸騰したら、ティーバッグをカップに落とし、お湯を入れる。
以上である
茶葉に触れる機会はどこにもなかった
このままでは「ロスヴァイセする」の行為はあらわれない
ここで紅茶の基本的な知識に立ち戻ろう
茶葉は、例えば同じカモミールでみ
Loose Leaf
Fanning
Dust
など、茶葉の大きさによって商品が分かれている
Loose leafはほぼ乾燥したままの状態で、葉や花の原型をとどめており、日本ではリーフティーとも言われている。Dustは名前の通り粉状だ
ティーバッグか、あるいはinfuser(茶こしアミ)どちらを使うにしても、茶葉はこれらのうちのどれかの状態で仕入れているはずなのだ
茶葉について詳しくなった
そして、私たちは首をかしげる
これら茶葉に行える加工は限られているのではないだろうか
味の素を振りかける?そんなわけがない
せいぜい、より細かく砕いたり、切り刻んだりといったところだ
そして、さらに困ったことに、この細かく砕く、切り刻むという行為は「ロスヴァイセ」という名前のイメージとピッタリなのだ
茶葉をアフロディーテの一振りで粉々にしてみせるリタさんが目に浮かぶようだ
このまま「ロスヴァイセする」の意味は「細かく切り刻む」で納得してもいいのではなかろうか
だが、待ってほしい
例えばリーフティを仕入れておきながら、わざわざそれを抽出直前に自分で切り刻むというのは果たして、正しい行為なのだろうか
その方が香りが立ちやすい?
そうかも……わからない……
だが、調べた限りではリーフティを砕く行為はお菓子作りのときには一般的ではあるが、紅茶の入れ方としてはその例を見なかった
この件についての検討は、次の自分に譲ることにしよう
いまスタバでカモミールティーラテ飲んでます
おいしいですね
みなさんもぜひ
※参考文献
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