プリティーリズム・レインボーライブを見た感想

プリティーリズムレインボーライブを見た
とてもよかった 最高だ
特にベルローズがプリズムライブを習得する過程はめちゃくちゃよくて
あまりにもよかった。涙が止まらなかった
もしもあなたが数日前に池袋のコメダで号泣していた男性を見ていたとしたら、それはきっと私だ

最高の物語には、最高のテーマがある。
物語の中で当たり前のように使われた言葉
プリズムの煌めき
この言葉から作品のテーマを考え、初見の感想としたい
ちなみに私はプリティーリズムのシリーズをちゃんと見るのはこれが初めてで、後続作品はほぼ見ていないということも触れておこう

さて、
「色」についてご存じだろうか
「色即是空空即是色」と般若心境を唱えだしたブッティストはそのままスクーターで帰っていただきたい
ここでいう色はもちろん「どんな色が好き? 赤!」の色である

中学理科で学んだように、私たちは太陽光に様々な色が含まれていることを知っている
りんごが赤く見えるのは、りんごが赤を反射して、それ以外の色を吸収するからだ

突然理科の授業が始まって困惑しているのはわかる
だが落ち着いて聞いてほしい
レインボーライブというタイトルにもあるように
「虹」と「色」には切っても切れない関係があることを想起してほしい

そして私たちはプリズムの煌めきについて考えている
ここでいうプリズムとは、もちろん「プリティーリズムシリーズ」を表す言葉であり
そこには、女の子たちの重要なアイテムであるプリズムストーンも含まれる
また、加えてこの作品ではもう一つの意味もあると考えてもいいだろう
一般的に虹と合わせて語られるプリズムは、理科教科書に載っている、あのガラス質の多面体だ

三角柱のプリズムに光を通してうまく角度をつけてやると、赤黄緑青と色の連続を見ることができる
一般にこれをスペクトルと呼ぶ

「虹」の発生は
原理的にはプリズムによる反射として説明される
※光学的には複雑さの濃淡はあるだろうが、ここではあくまでモチーフの話をしていることをご理解いただきたい
構図をまとめると
【太陽→雨滴・プリズム→色・受け手】となる

プリズムが色を発するためには光源が必要になるのだ
実験の中でそれは太陽であった

プリズム、雨、色、虹
作品の重要な場面やモチーフが、この色や虹が生まれる一連のなかに含まれることを理解いただけだろうか
この仕組みと作品の読みは切っても切れない関係にあると私は信じている

「プリズムの煌めき」を考えるとき
もしも【太陽→雨滴・プリズム→色・受け手】
の構図を物語に当てはめるのであれば
その光源とは?そして煌きとは?
このように考えていきたい

49話に印象的な言葉がある
「お母さんは聖のことをいつまでも愛しているわ。太陽が地球を永遠に暖めてくれるように」
ここでは愛と太陽を比喩として、同列に扱っている
なんてことのない愛の表明に聞こえるかもしれないが、これはこの作品の種明かしともいえる大切な言葉だった

光源について、作品自体が答えているのだ
太陽それは愛である、と

全51話、長尺な作品の中で「太陽」という言葉は数えるほどにしか登場しない
数えたわけではないが、マジでここくらいではなかろうか
「お日様のような笑顔」とか出てきそうなものだが、記憶にない

翻って、愛=太陽をここから読み取るのであれば
愛を受け取るプリズムは、そのまま愛を理解するものであり、すなわち人間だ
であるならば、「色」は愛に起因する行為を意味するのではないだろうか?

「あなたのためを思って言っているのよ」
それは愛を持った表現であるにもかかわらず、結果的にべるを苦しめていた
「愛」に間違いはなかったが、「愛」からうまれた表現と表象即ち「色」が間違っていたのかもしれない
表現を変えたことで、表象「色」が変わりで和解できたのだ

わかなの両親を見てみよう
愛ゆえに発生した「真面目な」あなたが好きという告白(表現)は成就した
ただ、その色(表象)は未来の家族を苦しめる枷になった
彼女たちは愛をいまいちど認識して表現を変えたことで、また新しい関係性を築けた

彼女彼らは、「愛を持っていなかった」のではない
愛から始まって、間違った表現をしていただけだった

【太陽→水滴・プリズム→色・受け手】
色とは。
愛を光源として、その人がとった表現とその表象
受け手はこれを愛そのものであると、単純に受け取ることはできない.
【愛→人間→表現・表象】

愛をわかりやすく表現し表象できた人もいる
たとえば聖だ
だが。ジュネは最後に思いを伝えられるまで自分が「愛されているのか」をわからなかった
彼女は太陽側の住民だったからだ。ゆえに受け手として色(表象)を観測できない

色といえば思い出してほしい。ペアとも、スタンの白色だ
白色は光の三原色すべてを含んだ透明を表している
なぜか
スターは恒星。太陽と同じ、自ら光を放つ光源なのだ

このような描写から
「愛に種類は無い。愛に形はない。あるのは愛を起因にした行為だ。」
という作家の人間への観察を読み取りたい

では、プリズムの煌きとはなにか

プリズムが発する色が、愛を起因にして起こした表現・表象であるならば
それ自体はただの色であり、はたして煌きと呼べるだろうか?
言えないはずだ
色は愛ではないし、煌めきでも無い

物語の後半
きらめきが急速に失われていき
ついにはプリズムショーができなくなった
それでもステージに立った少女がいる
そして、ついに彼女はプリズムライブを成功させた

そう、かわいい女の子はなんだってできるのだ

彼女はりんねと共に表象も表現も超えた場所へ到達した
そこには太陽が、愛そのものがあった
まさしく、虹の向こう側【over the rainbow】

だからこそ、彼女はその弓で、すべての色を灯すことができた
あのとき、彼女はスターとして愛(光源)に「なった」(なんとかなるなる~)

プリズムの煌めきは
「人間」が持つ愛
表現の手前にある輝きそのものであった

ながながと書き連ねた
以上で初見時の感想とする
ほんとうは「おとはがめちゃくちゃいいやつ」とか「あんちゃんって女子に人気出るタイプだよね!」「24話。なんであんな地獄と天国を行き来する構成にしたの?」とか言いたかった

ともあれ、プリズムの煌めきは愛を持つ者ならだれもが持ち得るものなのかもしれないことが分かった
愛によって表現し、表象に一喜一憂する
透明が色となり、色もまた透明になりえる

プリティーリズムレインボーライブは
まさに般若心経のうたう
「色即是空空即是色」に通底するテーマを持っていたのである
ヽ(・ω・)/ズコー

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