「憧れるな。超えていけ」大谷翔平が円陣で示した「世界一」のマインドセット
みなさんこんにちは
あなたとあなたの組織を史上最高にするCOEDASのじゅんです。
オーストラリア資本で作られた
ゲーム会社の代表もしています。
このnoteでは
人の成長や組織の変革に関わる
心理学や学びの話を中心に書いています。
本日3/22、アメリカ時間では3/21は
多くの人にとって鮮烈なインパクトを受けた日になったでしょう。
WBC(ワールドベースボールクラシック)の日本優勝は
ただの一大会制覇というものを遥かに超えた
多くのドラマを生み出しました。
一躍時の人となった「ペッパーミル」ヌートバー選手や
村神様、吉田選手、佐々木選手やダルビッシュ選手などの投手陣
それらスーパースターを口説き落とした栗山監督まで。
しかし、先日のサッカーワールドカップが「メッシの大会」
であったのと同じように、
今回が誰かの大会であるとしたら、
それは間違いなく
SHO TIME
大谷翔平選手でしょう。
彼がいるからここまでの注目を浴び
彼がいるから勝ち、彼がいるから盛り上がった。
優勝決定の瞬間にはマウンドに立っている事が
運命づけられた存在でした。
多くの方がこの興奮を語り合う中
メンタルの専門家である僕が
何かを言えるとしたら、
この事だなと思い、書いております。
この動画。
多くの方がもう見たとは思いますが、
まだの方は、見ましょう。
まだ、これを初めて見る楽しみが残されているなんて羨ましい。
試合前の円陣で、挨拶を任された大谷選手の言葉です。
大谷選手の謙虚で実直なBeing(佇まい)は言うまでもないですが
この言葉に現れた彼のマインドセットに
「これが世界一の選手なのか」
と震えてしまうものがありました。本当に凄い。
目標にするな
去年チーム丸ごとコーチングをしたある大学スポーツチーム。
リーグの2部に所属し、
伝統あるこの部の為にも
「一部昇格」を目標にしており、
メンタル面で鍛えてほしいと言われて
話したことです。
「多分皆さんは、昇格できません。
何故なら、目標が昇格だからです」
マインドセットというものの
難しさを表現したかったのですが
何人に伝わったのかはわかりません。
一部昇格を目標にしていたら、
昇格はできない。
何故なら、そこにあるマインドセットは
「自分達は二部のチームだ」
「一部昇格を目指して頑張っているんだ」
というものでしかなく、
「自分達は一部にふさわしいチームだ」
「自分は一部で活躍できる選手だ」
とは思えていないからです。
一部が当然なら、「一部が目標」にはなりません。
一部が目標なのは、
今自分達が二部にいる事をベースにした思考だからです。
マインドセットとは無意識の「当たり前」
マインドセットとは何かを説明する時
僕は「無意識の当たり前」と表現します。
人は1日に35000回の選択をして生きていると言われ
その97%以上は無意識において
本人が選んだという自覚も無しに選んでいます。
この当たり前は、
恐ろしいほどあなたの人生を作っています。
毎日何をして何をしない
何を食べて何を食べない
誰にどういう態度をとるとか
ふっとした空き時間に何をするとか。
これらを97%無意識に委ねた結果
無意識で出来上がった作品が今のあなたです。
スポーツに話を戻すと
子供の頃は大抵の子供が
「プロ選手になりたい」と言いますが
中学・高校と段々と
そういう人は減ってきます。
毎日部活でも自主トレもしている程
頑張っていても「自分はプロになる」
と言えない人の方が多いでしょう。
これは、
他人との比較の中で
「自分はプロになれるような人間ではない」
と、マインドセットが固まってしまった事によります。
逆に言えば
うまくなくても「プロになる」と言えている人は
「自分はなれる」というマインドセットを持っている人になります。
マインドセットで決まるわけではない
というのも事実。
身体的な良し悪しはDNAによることもあるでしょうし、
技術やセンスで実力差も出てくる。
しかし、
「自分はプロになれる」と思って
プロになれない人はたくさんいますが、
「自分はプロにはなれない」と思ったけど
プロになれた人はいません。
「自分はできる」というマインドセットは
目標達成の最低条件です。
無意識はそれ程までに大きくあなたの人生を作ります。
例えば、
目標に近づいたときに
努力を緩めてしまうのも
無意識が行っています。
例えば宿題が期日まで余裕があればやらない。
これは「今頑張らなくても間に合う」
という気持ちがあるから「やらない」
マインドセットが作る「当たり前」は
それ以上良くなろうとする自分すら
「当たり前」に留めようとします。
今の部活でレギュラー取りたい、が目標なら
レギュラーが取れそうになると
練習量が減ったりします。
その人が悪いとか、
そういう話では無く
「それがマインドセットだから」です。
なぜ「一部昇格」ではダメなのか
一部昇格を目標にしたチームが
昇格できないのは、
昇格が近づいてくると「できそう」という気持ちから
気のゆるみが出るからです。
先ほどの宿題のように「当たり前」に合わせに行くのが無意識。
もう一つの問題は、
「一部昇格が目標」と言っている自意識に
「自分達はまだ一部を上に見ているチーム」
つまり
二部が「当たり前」のマインドセットに
どうしてもなってしまっているという事です。
自分達は二部が「当たり前」のチームだと、
二部で上位にいると油断します。
当たり前よりも上にいるからです。
「まだ昇格していないから油断するな」
と言っても、心のどこかには「もうすぐできる」
「このままで大丈夫」が生まれます。
もちろん、それで結果的に行ける事もあります。
しかし、スポーツで多く言われる「勝ちきれない」は
この「当たり前」が足をひっぱる結果です。
じゃあどうすればいい?
自分達は本来一部にいなくてはいけないチームなのに
何かの間違いで今二部にいてしまっている。
というマインドセットでいることです。
ここで圧倒的に勝つことが「当たり前」で
一部において活躍できる個人やチームである
事も「当たり前」だと
自分達を刷り込ませること。
これが「勝って当然」のマインドセットを生み
上位にいても油断せず、リードしていても不安にならず
追い上げられても焦らないマインドセットです。
自分達は彼らに勝つにふさわしい
大谷選手の発言に戻ります。
「決勝に来れて嬉しい」
「これだけの選手たちとやれるなんて」
「優勝「できたら」最高」
若手の中にはこういう気持ちがあったかもしれません。
もちろん、そう思うにふさわしい場所です。夢の舞台ですから。
しかし、
このマインドセットでは「勝って当然」になれない。
ピンチになった時に、
何かうまくいかない時に
心のどこかで「仕方ない」が出てしまう。
自分の年俸30倍とかの選手が相手にいて
ファンとして興奮してしまう自分がいたら
「勝てるに決まっている」マインドにはなれない。
その気持ちもわかるから、
そうなっている選手の気持ちに寄り添い
トラウトなど普段のチームメイトを含む、
相手の素晴らしいメンバー構成にも敬意を払いつつ
「トップになる為に来ているので」
と、チームの「当たり前」をここでセットしたのです。
「優勝したいから」じゃないんです
「トップになる為に来ている」からです。
彼にとっての、チームにとっての「当たり前」が優勝だと。
今、誰もが認める「世界最高」の選手が
「トップになるために来ている」と。
ガソリンスタンドにガソリン入れに来ているかのような
そんな「当たり前」感で言われるわけです。
特に盛り上げようとするでもなく、
大げさに表現するでもなく、
ただ淡々と。
この「当たり前」感こそ
世界最高峰のマインドセット。
「世界最高の野球選手になるので」
と若い時から言い続けて成し遂げた彼の
底知れぬマインドセットに
背筋が震えた瞬間でした。
そしてそのマインドがチームに伝播した瞬間に
「ああ、このチームは勝つんだ」と。
敢えてこの名場面から
自分達が学べる事はなんでしょう?
因みにマインドセットって
「その気になればできる」みたいなものでは全然なくて
それこそ日々の鍛錬の果てに持てるものなので
真似しようったって簡単にはいきません。
しかし、真似るところから始めないと
始まらないのも真実です。
みなさんがそれぞれ頑張っているフィールドにおいて
何を「当たり前」と思えたら
これまでは届かなかった所にいけるでしょうか?
自分の事を誇れるには
どういう人間であったら良いでしょうか?
それを「自分は既にそうなっている」と思って
行動してみたら、何が起こるでしょうか?
僕自身も
日々これまでの「当たり前」にひっぱられながらも
なりたい自分が「当たり前」であるとしたらと
そう思って日々過ごしています。
自分が成長している実感は常にあります。
そしてこれからも
こんな素晴らしい人がせっかく日本語で話してくれているのですから
感謝と尊敬をしながら、
まだまだ学ばせてもらいましょう。
それでは
今日も自分を誇れる一日を
じゅんでした。