ブックカバーチャレンジ
山の友達でもあるJackie Boy Slimさんからバトンが回ってきたのでせっかくなのでやってみます。
"7日間ブックカバーチャレンジ"とは、読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、好きな本を一冊7日間UPして行きます。本についての説明は必要なく表紙画像だけをUP、さらにその都度友達を招待してチャレンジへの参加をお願いするというのがルール。
とのことですが、7日間毎日アップできるほど時間もないし、1投稿につき1人指名するのは大変なので一気に7冊(で収まってないけど)、回す人を1人だけ指名しますね。
僕は基本的に"自分に影響を与えた本"という目線でセレクトしました。本来は表紙画像だけでいいみたいだけど、どうせなら気分転換に文章も書きたいので書きます。こんなの好きやればいいよね。
1冊目「THE RECORD COVERS / 江森 丈晃」
Amazonで調べたら僕が購入したのは2006/2/9とのこと。14年も前か…(笑)。当時は上京したばかりなのかな?作品を作る人ならわかると思うけど、作品を作るときに一番大変なのはアイデアを出すところじゃないですか。これは色んなクリエイターがセレクトした"ヤバいレコードジャケット"が載ってるんだけど、それらはクリエイターが選んだものだけあってガツン!とくるものが多い。これがそこらへんの芸能人がセレクトしたものだと何も面白くなくて。"クリエイターが選んだ"ってのがミソ。
2冊目「スージー甘金 塗COMIX」
イラストレーターとして駆け出しの頃、誰か忘れたけど絵を見せたときに「スージーさん好きでしょ?」と言われたことがあって。僕は基本的に何においても"不勉強ぎみ"なのでそのときは「スージーさん?」と思ったのだけどググってみて納得。僕はスージーさんの作品好きですわ、と認識したのであります。このコミックは、コミックというか作品というか。アクリルガッシュ(のはず)で描いているので…作品?いや、コミック?と、この時点ですでに色々と問が生まれるわけですが、その"コミック"の内容も最高!"シュール"という言葉が一番イメージしやすいかと思いますが、その一言で片付けてほしくない内容。僕がスージーさんの作品が好きなのは"ポップな表層をしながらも常識をガンガンに打ち破っていく荒々しさを持っている"からなのだ、と気付かされたコミック集。
3冊目「芸術起業論 / 村上隆」
僕は彼の作品は好きなのもあるし好きじゃないのもある。でも世界で認められるアーティストになるにはかなり苦労があっただろうことは容易に想像できるので見習うべきことは沢山あると思っている。アーティスト(芸術家)を目指す人の中には未だに「いい作品を作ればおのずと認められる」と思っている人がいるけど、アート畑の隣の畑(ということにしてね)から見てる僕でさえその考えは甘いってわかるよ。この本は簡単にいえば「アートもビジネスだよ」というのがテーマに書かれてるのだけど、その通りだと思う。それをこうして第一線で活躍しているアーティストがわかりやすい言葉で書いてくれてるので本当に面白い。お金の話も、みんな好きでしょ?
4冊目「relax / マガジンハウス」
雑誌ってなんか趣旨が違う気がするけども、まぁいいか。relaxを認識したのは大学生くらいだけど最もよく読んでいたのは、小さなデザイン事務所を1年で退職して郵便事務の職場でバイトしてたとき。昼休みは弁当を食べてしまうと周りに気が合う人もいないし、やることがない。ということで本やrelaxを読んで過ごしていたのだけど、隅から隅まで読んだ(笑)。どんな雑誌だって"好みじゃないコーナー"があるものでペラペラと飛ばして読むものだけど、relaxは違った。まさにリラックスした時間に読む雑誌で大好きだった。この雑誌に載るのがちょっとした夢だったので、25歳で上京したときに思い切ってマガジンハウスのrelax編集部に電話した。絵を見てもらえないだろうか?と。すると電話に出た編集者さんは「すいません、relaxは今月で休刊になるんです…」と申し訳なさそうに返してくれた。ちょっと悲しかったな。
5冊目「ニュー土木 / 横山裕一」
横山さんの漫画はどこで最初に見たっけな?たぶん、まだ学生だった頃にマガジンハウスの雑誌とかだったと思う。relaxだったかな?BRUTUSだったかな?そして「めちゃくちゃカッコイイ!こんな漫画読んだことない」と感動した。スージーさんもそうだけど漫画の体をなしており、さらに内容もちゃんと面白い。キャラクターがかっこいい、話の展開がかっこいい、演出がかっこいい、線がかっこいい、擬音がかっこいい、セリフがかっこいい、全部かっこいい!かっこいいので影響を受けすぎてしまうのがネック。漫画ではあるものの『ワンピース』とか大好きな人には合わないと思う。横山さんのこのシリーズは『NIWA』とか『トラベル』も持っている。
6冊目「楽しい人生 / 本秀康」
本秀康さんの漫画は『ワイルドマウンテン』なども持っているが、この漫画は特に好きだ。本さんの短編漫画はシニカルで、ウィットで、オチがサイコで楽しい。そう、オチがサイコパス。登場するキャラクターたちも可愛いくてほんわか読んでいると腰を抜かすようなオチになってびっくりする。僕もお仕事で漫画を描く機会はたまにありますが、そんなときは本さんの影響を受けているな〜って思うことが多々あります。漫画の部分だけでなく、絵の部分でだってけっこう影響を受けていて、例えば"可愛いだけじゃない何か感じる人物像"みたいなのはそうだ。はたしてそれは自分が単純に影響を受けたのか、それとも元々自分の中にあったのか?
7冊目「2027 ボヤボヤしてたら、すぐやってくる。2027年のお話。」
この本の著者の一人でもある古屋蔵人さん(映像ディレクター・編集者)が関わっている書籍?が大好きで一時期色々と買い漁ってた。彼がチョイスするものは間違いないだろう、ってそんな感じ。僕が駆け出しの頃に作品を見せにいった数少ない人の一人。会う前に"ちょっとだけ年下"って知ってビックリした覚えがある。けっこう前から編集しているというイメージがあったから。で、肝心な本の内容はというと「小田島等による簡単筋書きをベースにあえて科学的な考証や学術的な統計を無視した人選のライターやデザイナー、ミュージシャンなどが20年後の世界を予測して書いたものである」とある。そんな感じです。世界観としてはかなり古屋さんの雰囲気で、この雰囲気を言葉にするのは難しい。レトロフューチャーなんだけど、その言葉はちょっと違うんだよね。レトロSF?気になった人は読んでみて。
8冊目「オッス!トン子ちゃん / タナカカツキ」
タナカカツキさんといえば今は"コップのフチ子"とか"サウナ"というイメージかもしれないけど、80年代ブームが来る前からその雰囲気を漫画にしていた。というかそもそもは漫画家さんなわけです。25歳で上京したくらいからけっこうカツキさんの色んなことを追っていて、ポッドキャスト「デジオナイト」はず〜っと聴いてた覚えがある。ラジオを聴く文化はなかったけどで「デジオナイト」を聴く文化だけはあった(笑)。そういう時に見聞きした事って価値観形成に強く作用すると思うから、今でも何らかの影響がある気がする。あ、漫画の内容。普通に面白い。芸術とかアート・デザインなんかに興味ある人はさらに面白いと思います。
9冊目「中学生日記 一生で一番ダサイ季節 / Q.B.B」
「ジュン、この漫画やるよ」と言って小林さんがポンとくれた漫画だ。現在は初台のニューマタンゴというバーを経営しているが当時はイラストレーターとして活動しており、上京当時はちょくちょく遊んでもらっていた。遊びにいくときまって「ジュン、この漫画知ってる?絶対読んだほうがいいよ」なんて言って漫画をくれた。全部ブックオフで100円になった漫画だ。その100円コーナーの中からお宝を発掘するのが好きだと言っていた。僕は当時も今も漫画をあまり読まないので、僕が所有する漫画は独特なラインナップになっていった。また思い出話で終わりそうになったけど、この漫画はそのタイトルの通り。一言で「中学生あるある漫画」と言ってしまえばそれまでなのだけど、絶妙。ネタが絶妙。作者のQ.B.Bって「孤独のグルメ」などでおなじみの久住昌之さんと、その弟である久住卓也さんのユニットなんですって。どうりで。
以上、9冊でした。中途半端な数だな。こうして眺めてみるとサブカル感強い。そして次にバトンを回す人は、山友達であるRIDGE MOUNTAIN GEARの黒ちゃん、よろしくお願いします!
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