②物件篇 【物件との出会いと知らないだらけの施工】
弊社は自社ブランドとしてサステナブルジン”YORI”を展開しています。
2024年9月には弊社初の自社店舗として、オフィス兼飲食店「COYORI」を渋谷区広尾に開業しました。
自分への備忘録と今後誰かの参考になることを願って、思考と事業のプロセスを全７回に渡ってここに連載しようと思います。
①立ち上げ篇 【飲食店未経験者がオフィス兼飲食店を作る】
②物件篇 【物件との出会いと知らないだらけの施工】 ←今回
③機材・申請篇 【機材購入とお作法を知らない保健所申請】
④ソフト篇 【太いコンセプト作りと細々したアレコレ準備】
⑤オペレーション篇 【一番重要なのは人とオペレーション】
⑥資金篇 【鉛筆なめなめPLと自己資金での挑戦】
⑦現実篇 【営業してみてとこれからの展望】
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②物件篇 【物件との出会いと知らないだらけの施工】
■不動産屋さんと一緒に物件探し
物件を探そう！となったが、初めてすぎて何もわからないのでまずはお世話になっている不動産屋さんに連絡をしてみた。
小口「店舗兼飲食店をやろうかなーって思ってるんですけど、紹介できます？」
不動産屋さん「できますよ、いくつか条件送ってください！」不動産屋さんって、家だけじゃなくて事業所も紹介できるんだ！と知った。
注）
僕は東京に来てから３回引越しをしているんだけど、そのすべてをお願いしているのがこの中目黒の不動産屋さん。
リベートも何ももらってないけど、知人やお客様も10人以上を紹介してみんな成約している親身になってくれる方。
リンク：コレカライフ不動産＠中目黒
■物件の条件を考える
物件探しを始めるにあたって、こちらから不動産屋さんに条件を提示しないといけないのでいくつか条件を考えた。
⓪前提
オフィス兼飲食店なので、事務所利用がOKの物件。
またフードに注力する予定はないので軽飲食の許可が出る物件。
①金額
立ち上げ篇で書いたように、家賃の中の20万円/月は既存の事務所費用としてカウントできるので、20万/月＋αをいくらにするのかで検討。
最初は30〜50万円/月程度のレンジで検討。
②エリア
高単価であるYORIとの親和性を中心に。
小口の土地柄と合わせて渋谷区目黒区を想定。特に中目黒、渋谷東、広尾、表参道あたりのエリアを中心に検討。
※恵比寿はお世話になっている店が多く、競合になりたくないし飲みに行く街にしたいので排除
③その他
・広さ：オフィス＋10席程度は欲しかったので8坪以上で検討
・立地：駅徒歩10分以内、住宅街以外、願わくば路面、２階以上の場合外階段希望
・窓や天井：なるべく窓が多く日当たりがいい、天井が高い
・居抜き：希望は飲食店の居抜き
■そんな物件ない！居抜き難しい！
探し始めたはいいけど、今の東京に全部当てはまる物件なんてない！！！！！金額を上げればもちろんあるんだけど、そこまでのリスクは取りたくないので金額だけはアッパー50万円/月で絶対にぶらさないことは決めた。
また、ここで僕が思っていた”居抜き”の概念が違うかつ、自分がやりたいことは居抜きではできないことに気づく。
★想定
・飲食店がそのまま入れる設備や機材が全て残っており、たいてい施工などをせずにすぐに営業が可能。
・飲食店とはいえどもバックヤードもあるし、個室などうまく事務所として使えそう。
・何はともあれ、施工がなく安く早く仕上がる。
★現実
・設備などはあっても造作譲渡として数百万円程度がかかる場合が多い。
・居抜きとはいえ大概の場合は何かしらの施工を行わないとうまく店舗にならない
・そもそも飲食店の居抜きだと店舗メインになり、事務所感が弱くなる。
コストを抑えるために、居抜きで探していたけれど、造作譲渡があったり結局施工が必要になったり。。
しかもやりたい間取りに出会えることはほぼない。。
ここで居抜き以外を検討し始めました。
■良さそうな物件事例を探す日々
不動産屋さんにもお願いしながら、社内のリノベ好き任意メンバーたちと一緒に物件を探しまくる日々。
僕がお世話になったサイトはこの辺りです。
・DIYP（キュレーション・センスともに◎で一番みたサイト）
・居抜き店舗.com（飲食店の居抜き）
・R-STORE（物件に強そうだがオフィスや飲食もある）
・Free As A Bird（目黒区渋谷区港区などに特化したinstagram）
そして物件資料は100件以上集めてもらい、内見は10件目くらい実施した時に不動産屋さんから出てきた物件はなんと、「広尾の接骨院跡の物件」でした。
■内見後ほぼ迷わず即決めた物件
4月中旬に内見に行って、そこから1週間で申し込みをしました。
・家賃が39.6万円/月（実質上積み20万円）
・駅1分の好立地（２階とはいえ好立地）
・広尾は客層が良い（平均年収高い＋大使館など外国の方多い）
・施工しやすい四角い間取り
・１フロア全てであり、３面に窓がある
・１階入り口に看板等の設置が無料で可能
・24時までとはいえバー営業OK（ガス・グリストがなくても営業できそう）
ここで難しかったのは、契約と施工確認がほぼ同時に動くこと。
初めて入った時には機材は０であるものの接骨院の壁はまま残っており、施工ができるのか＆どれくらいのお金がかかるのかを考えたかった。
けど、物件問題もあるので早めに契約せねばならない。
初めての経験でビビりまくりの小口だが、施工会社を決めて調査してから契約する時間もない。飲食店の人ってそれをみんなそれをやってるんだと思うと本当にすごいなと。
結果、契約してできないことはできないで良い！と腹を決めてえいやー！で契約しました。笑
ただ本当に人に恵まれたなと思ったのは、施工をしてくれる素敵な方を知人伝いに紹介いただいたことでした。
■天さんとの出会い
契約をし、敷金礼金を払い、結構お金をはらったなーと思った4月。
5月からはいよいよ施工の準備を始めないといけない。
そんな時にご紹介をいただいたのが、美作製作の美作天地さん。
めちゃくちゃセンスの良い中古リノベを専門にやっている中で、店舗デザインも手掛けていきたいという思いでご参画いただきました。
いずれ書くけど、今回は借入なしの予算での店舗開業なのでなるべく施工は抑えたい。でも妥協しすぎるとデザインが難しい。
そんなわがままを聞いていただいた素敵な出会いに感謝です。
■図面製作
天さんとのプロジェクトが始まって、まずはどんな店にしたいのかを棚卸しました。
・モニター置けるオフィスエリアを作りたい
・昼は会議室、夜は個室になる部屋を作りたい
・カウンター席を中心に、10席は取りたい
・バーってほどオーセンティックではなくカフェバーくらいの温度感
・天井は高ければ高い方がいい
・余計な何かをする訳ではないシンプルな内装にしたい
・バックカウンターに棚を綺麗に設置してボトルを並べたい
・床はモルタル感出したい
・大きな窓はなるべく生かしたい
特に個室は事務所兼飲食店の最大のポイント。
昼は来客対応の個室として打ち合わせに使えるように。
仕事がない夜は個室として飲食店のお客さんが使えるように。
オフィスエリアはリモートワークや出張も多いので２席程度取れればOKとして図面を起こしていきました。
■物件的にどうしようもなかったポイント
上記の通り、契約前に施工調査をできなかったので物件的にどうしようもなかったポイントもいくつかあった。
①水道
図面の一番右上部分（テーブル席の上部）にだけ水道が引かれていた。伸ばすとお金がかかるのでその位置は生かしたい。でも入店したお客さんをカウンターから見ないといけないので位置としては逆にしたい。
結果、右窓側からカウンターの濃い塗りの部分を一段上げることで水道管をフロア真ん中まで伸ばして解決。
新しく水道を曳きよりもコスパよく対応できた。
②ダクト
図面右下に一個据え置きであるのでそれを生かしたい（施工するとお金がかなりかかる。。）けど、キッチンをカウンター内にする煙が、、、という問題。
結論、ガスもないし軽飲食程度の調理なら大丈夫そうとのことでダクトは据え置きのままに。
儲かったら最初に手をつけるのはダクトの移動とレンジフードの付け替え。
③天井
天井が2.3mくらいと高くはないのがちょっと気になった（閉所が苦手だからなるべく高くしたい）ので、それはお金をかけてもなんとかしたかった。
天井を抜いてそのまま配管を出す、通称”あらわし”は抜けばいいと思っていたけど、抜いたあとの配管の整理や塗装にお金がかかるらしい。。
が、超ラッキー！なんと抜いたら真っ白の塗装が綺麗にあり、配管束ねる程度の施工でできた。これはレアケースらしい。60cmも天高になった。
エアコンが古くて変えたいけど、借りているこちらの費用負担らしく、それはある程度諦めました。
④床
接骨院らしい床材がなんとも、、、だったのでこれもなんとかしたかった。
これもラッキー＆頑張っていただいた結果なんだけど、床材を剥いだら躯体のモルタルが出てきていい感じにクリア塗装だけ塗って使っています。
こんな感じで、調査をしないとわからない（してもわからないかもだけど）ことも多かったですが、そこはさすがのプロ！
天さんと一緒に進める中で様々な代替案を提示していただき、最高の店舗ができたと思います。
■続いては機材・申請！
ここまでが2024年3月〜6月くらいのプロセスでした。
ハード面は天さんのおかげでかなり進んでいく中で、２つの壁が。
ソフト面（機材など）を整えていかねば…
営業許可を取るために申請をせねば…
お金もないし、衛生免許取るの面倒だし、申請なんてわかんない！
そんな中でいろんな人の力を借りて進んだ話を書いていきます。
次回は2024年6月ごろの機材購入〜保健所申請について、乞うご期待。
③機材・申請篇 【機材購入とお作法を知らない保健所申請】