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showmoreがフラッシュバックしちゃう

 好きで仕方ない音楽を誰に頼まれるわけでも無いのに語り倒すコーナー。
 第3弾の今日はshowmoreについて語ろうと思います。偏愛して仕方ないshowmore, もう聴き始めて確実に2年は経つ。最初はSIRUP同様サジェストされたか、もしくはSIRUPきっかけで聴き始めたか。いずれにせよ今こうして偏愛し、悲しいとき楽しいときを彩る大切な音楽となっていることに変わりはない。
 前のSIRUPも星野源も特定の一枚一曲にフォーカスして偏愛ぶりを綴ったのでshowmoreもそんな感じで語りたいんだけど、どーーーしよっかなどれもいいし最新っていうのも気づいたら去年の夏やんわーわーわー。ライブ行きたい新曲聴きたいとにかく大好き、の思いを込めてこの記事を書きます。まずはYouTubeで検索してほしい。

 多分いちばん再生されてるのは「circus」という曲なんだけど、MVもさることながら曲の雰囲気があまりにもオシャレで自分が一瞬いい女であるかのような錯覚に陥ってしまう。リズム割が独特でジャズっぽい。遊び心があって、それでいてボーカルはとびきりセクシー。このバランス加減。ボーカル根津さんの色っぽい声、ハスキーでシルキーで落ち着きのある声、よくある女性ボーカルと一線を画したダダ漏れの色香に、出会って一曲目で心を鷲掴みにされてしまった。サジェストの波は止まらない。続いて「rinse in shampoo」。このMVはもはや芸術の域なので、必ず見てほしい。なんなら字幕もマスト。歌詞が良すぎる。いろいろ物語を持った楽曲の多いshowmoreだけど、この曲はもはや文学。渋谷の、道玄坂の、早朝の雑踏が見える。MVはむしろ答え合わせなので、楽曲聞いてからがいいかなあ。とにかく素晴らしい。風呂場つながりで「unitbath」。ややダウナーな曲調と空気感、独特の浮遊感もあって、沈んだ気持ちのときにはいっそ危険なくらいの中毒性がある。音が過剰に乗っていないので、ボーカルとピアノの単音を味わい尽くせる。いい。話してたらなんか聴きたくなってきた。いやもう聴きながら書こう。文章が多少破綻してもいい。いっときiOSアプリで流行った「Two Dots」の空気感にすっごい近くてフワフワする。水音も微かに聞こえて素敵。自分がいちばん好きなのは「dryice」。この曲は前にキーボード井上さんが楽譜をTwitterに掲載していて思わず拝んだ。いやピアノの譜面を見ているだけで音が脳内に再生される楽器弾けないけど。いい。この音が落ちてくる感じがいい。音響の問題かな。プログラミングのシンサキウラ氏のお仕事ぶりでしょうか。いっこいっこの音が粒状に降ってくるみたいな雰囲気がある。まるでユニットバスの天井から降ってくる水滴みたいに。いやとにかく素晴らしい。三連符のふっと息を抜いた感じの音の響きがなんとも言えない寂寞感。愛し合ってるカップルのはずなのに。

 showmoreの楽曲は、だいたいいつもそう。愛を歌いながら、恋を訴えながら、どこかめちゃくちゃ寂しそうでなんか切ない。幸せじゃない恋ではないはずなのに、いずれくる(かもしれない)喪失に怯えているようでもあるし、喪失をチラつかせながら現状をこの上なく満喫する余裕のようなものも感じる。一筋縄でいかない女の感じ、巧みさが伺えて物語の奥行きを感じる。一見ポップな曲調の「1mm」もよく聴くとすごーーーーく示唆に富んでいて、なんなら全てのセリフを深読みできてしまう。MVはさらに象徴的で概念的。寓意画なのかしらと思うほど。色使いからして今からエロい歌を歌うよって感じを隠してない。そこがいい。いいこぶらないし、取り繕わないし、剥き出しでオシャレ。SIRUPとコラボしてる「now」もそう。やめたい、でもやめられない欲と弱さの表象が色っぽくて最高。「27」なんかもそう。言いたいことをいろいろ内に飼い慣らしてる女の人の切実な感情を感じる。「flashback」もそう。和音のアレンジが上品で夜の空気感を纏っている。柔らかい照明の中で聴きたい感じ。ピアノの音のひとつひとつが丁寧にボーカルに絡んで、情感を掻き立てる。その弱さを窘めるでも甘やかすでもなく、ただそばにいたくなる底なしの魅力。歌ものの深い世界観と、洗練されて無駄なものが一切ない音の運びに揺さぶられる。明らかにポップスなんだけど、その哀愁と芸術性の高い音の作りはすごくジャズのそれに近い。ジャズが好きな人はハマる気がする。私はハマった。ちなみにアメリカのジャズだとチェットベイカーが好きです。チェットベイカーも渋い、物語を潜ませるのがすごく上手なシンガーだったね。

 これだけ語ってきたshowmoreですが、じゃあどれから聞けばいいのときかれたらちょっと困る。とりあえずは配信されてるアルバムから聴いて欲しい……「overnight」と「too close to know」というアルバムが出てるんですが、これらはいずれも配信で聴くことができます。全部名曲。捨て曲なし。もっと聴きたい。でも大人しく待つ。なんかそういう、せかせかした、何かに追われて何かに希われて作品を生み出すような感じはshowmoreの纏う空気と違う気がするので。作りたい時に、出したい時に、出したい楽曲を世に送り出して欲しい。でも「highway」は音源配信して欲しい。多分、音源配信として世に出ていない神曲がたくさんあって、ライブとか物販CDとかで手に入るのだろうと思っているけど、現状の私は悲しいかなただの茶の間(※現地に行かずにファンを名乗るやつ)である。早く現地を許される時代になってほしい。結局音楽の話をするとそこに行きついてしまうので、音楽というものがいかに一期一会で、一度きりの名演に価値を重く置くものかがわかろうというもの。絶対生で聴いたらこの上なく幸せだろうなあ。それまでに自分の生活基盤も整えていきたい。

 最後に。SIRUPの項目でも書いたけど、showmoreのキーボード担当井上さんはSIRUPのキーボードも担当している。こちらの仕事ぶりも最高です。詳しくはこっちの記事で触れています。

 音楽に関しては偏ってるけど愛したらとことんなので、今回書いた記事からいろんな人がshowmore聴いてくれたら嬉しいなあ。
 個人的にはめちゃくちゃ創作意欲をかき立てられます。多分、描かれている女性像が好きな女性像に近いんでしょうね。好きだわ。
 
 今後も溢れそうになったら書きます。
 またよろしくどうぞ。では。

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