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シン参勤交代 〜島暮らし体験ツアー〜 in 一般社団法人まめな 活動報告
今回は、2024年2月23.24.25日の2泊3日で開催した島暮らし体験ツアーの報告をさせて頂きます。今回が第一回目の開催で、私達もどこか不安を感じながらの開催となりました。このプロジェクトの始まりは多くのことが目まぐるしく変化する時代に、素敵な農的暮らしが残る大崎下島の暮らしを体験して頂き、ゆっくり流れる時間の中で自然を五感で感じ自己と向き合い、豊かさの価値観を考え直す機会になれば嬉しいと思い始まりました。
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初日は、まず集落を散策しました。行き先は決めず2つのグループに分かれて歩きました。ただし、心が動いた風景の写真を一枚撮るというミッションを設け、後でその写真を共有しました。皆が写真に写し出した風景はとても魅力的なものでした。一人一人着眼する風景やものが異なっていて、自分では見えていなかった光景が見れてとても面白かったです。着眼する点が少し異なるだけで久比という集落の見え方が一変する感覚がありました。開催時期の久比は、柑橘の季節だったので、山が黄色に色付きとても綺麗でした。その日の晩御飯では、直火の釜でご飯を炊きました。あまりの美味しさに驚きました。参加者のRくんが火の番を長時間してくれて、火の調節も完璧でした。
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二日目は、早朝から集落のおばあちゃんたちと一緒に郷土料理を作りました。今回は、冠婚葬祭の際によく食べるうどん汁という郷土料理を作りました。具材はシーンによって変わるようですが、ジャガイモと里芋をダブルで入れるのが特徴的でした。具材がたっぷりでとてもおいしかったです。おばあちゃんたちと話していると、私たちよりも元気でエネルギッシュなので、とても驚かされると同時にとても良い刺激になります。長い間生きてきた知恵や言葉には重みがあり、学ぶべきことがたくさんあります。普段、都会で生活しているとなかなかできない経験です。午後からは、柑橘を自然農法で栽培されている方の農園を見学しに行かせて頂きました。農薬を使用していないため、柑橘畑の中はたくさんの植物が共生していて、なにより歩いていてとても楽しい農園でした。その農園では、自然界にもともとある生態系の循環を最も大切にしており、人間のやることはその循環のお手伝いを少しするようなぐらいです。そっちの方がかえって好循環なことがあると教えて頂きました。夜は、焚き火を囲んで少しディープな話で盛り上がりました。ゆっくり流れる時の中で、焚き火をしながら他者と対話し言葉にすることでお互いにとってとても有意義な時間になりました。
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2泊3日を通して、とても良いツアーとなりました。最後の感想タイムでは、「建物や食べ物など、自分たちでつくったものに囲まれていると、日々が濃く感じるんだなあと感じた」「元気はつらつと生きているおばあちゃんたちの姿を見て、背筋が伸びる気持ちになりました」などの感想が印象的でした。現代社会では、食材はスーパーマーケットなどで買うことがほとんどですが、大崎下島、久比の暮らしでは、一家に一つ必ずと言っていいほど農床という名の家庭菜園があり、季節の野菜が元気に育っています。島の方々にとって野菜は商品ではなく、自分たちで育てるものなのです。そのため、自分たちが口にする物の重みが変わってくるのだと思います。しかし、島の方からすれば何変わらぬ日常そのものであり、至って普通のことなのだと感じます。いかに現代人が時間に追われながら生きているかを教えてくれます。残念ながら久比という集落も少子高齢化が深刻化し、この暮らしが失われつつあります。それと同時に素敵な農的暮らしも失われつつある中で、是非、体験しにより多くの人に遊びに来て頂きたいと思っています。