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絵画の楽しみ方教えます。 その3-16
私はこれをペトロの腕に重ねてみました。
これが「逆さ手」の限界の角度なのです。この手首の角度がペトロの手首だとすればペトロの手首は誤った描写であり、ありえないことなのです。私が証明しているわけではありませんよ。模写とはいえ、かの有名な画家ルーベンスがレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画を模写したものです。レオナルド・ダ・ヴィンチ自身がこれはペトロの腕ではないと証明していると同じ事ではないでしょうか。だとしたら私の仮説、ペトロはもう一人(ヨハネ)の腕をつかんでいるということになります。私は確信しました。私の仮説は正しい。
私は、またしても有頂天になってしまいました。私も見捨てたものではない。もしかして大発見ではないか?世の中の学者や美術史家や美術愛好家など絵を見ているようで何も見ていないのではないか。私は何も知識がないのに、ペトロの右腕の謎も解けた。同時にヨハネがユダの背後にいることも解明した。天才だぁ~~~~~。
私は少し優越感に浸り、心は高揚し少し高慢な気持ちにもなっていたようです。しかしながら、自分は世の中に発信する力もないし、発信したところで誰も反応してくれないだろう。自分は名誉が欲しいわけで、こんなこと始めたのではないことは分かっていたつもりでしたが、心のどこかに鬱屈としたものの存在を感じていました。しかし、こんなものではない謎がこの絵画にはあったのでした。最後の晩餐とアンギアーリの戦いの謎、それは底なし沼のように深かったのです。
続く・・