パーマ、かけてぇ
起床後の思いつき
2020年12月13日(日)、平日の疲れを取るために11:00頃まで寝ていたと思う。心地いい睡眠から目が覚め、オデコまでずれたアイマスクを外し、眠たい目を擦りながら掛け布団を畳んだ。
そこまではいつも通りの週末の朝だったが、そこから突然いつも通りじゃない考えがふと浮かんだ。
「パーマ、かけてぇ」
そう、髪にパーマをかけたくなってしまったのだ。なぜそのような突拍子もない考えが浮かんできたのか私には説明することは出来ない。私はマイペースの気分屋さんなのだ。
前日までパーマをかけたい願望なんて微塵も無かった。それまでに人生で2度かけた事はあったが、特別にパーマ髪の自分を気に入っていたわけでも、天然ど直毛の地毛を嫌っていたわけでも無かった。
しかし、かけたくなってしまったのなら仕方がない。私はベッドから起き上がり、台湾の美容院へ行く決心をした。
パーマをかける準備
パーマをかけるにあたって、決めなくてはいけないことが二つある。一つ目は、どこの美容院でかけるか。二つ目は、どのような完成体を目指すか、だ。
個人的な意見だが正直なところ、台湾人の美容師に髪を切ってもらったりするより、日本人の美容師にやってもらう方が理想の完成形により近くなる。これは別に台湾人美容師の技術がないと言っているわけではない。日本人が一般的に想像する良い髪型と台湾人が想像するそれには微妙な違いがあるのではないかと思っている。つまり、台湾人美容師が良かれと思った髪の切り方は、日本人からするととんでもない切り方だったりするのだと思う。
よく私と同じく台湾に留学に来ている日本人たちが、台湾の美容師は下手くそだと、散髪後に嘆いている。しかし私は、もしかしたら技術的な面で劣っているのかもしれないが、それとは別に、髪型に関する美的観念が根本的に異なっていて、彼ら基準の美的センスで散髪するから、私たちの想像と違うものになり、散髪に失敗したと思ってしまうのではないかと思う。
話が脱線してしまったので元に戻そう。とにかく私は最初に美容院を決めることにした。やはり日本人が経営する美容院が安心だが、自宅から離れている上に、料金が高い。せっかちで守銭奴な性格のため、完成までのスピードと値段を重視した。その結果、友人が通っている自宅付近の美容院を紹介してもらい、そこへ行くことにした。台湾人が経営している美容院だ。
次に完成形を決める必要があった。私は中学生の頃から韓流アイドルのBIGBANGのファンだ。特にG-DRAGONが好きで、奇抜な髪型やファッションセンスに魅力を感じていた。そこで、同じBIGBANGのメンバーである、D-LITEのパーマを真似することにした。
いざ、美容院へ
普段は優柔不断な性格で、コンビニで何かを買うときも軽く10分は超えるのに、先ほどの二項目を決めるのにそれほど時間はかからなかった。出発前に軽くシャワーを浴び、目的地までの道の途中で朝昼兼用のご飯を食べた。私は美容院に行く時、予約をしない派だ。直接訪れて予約がいっぱいだったとしたら、その足で近くの美容院を探す。かなり行き当たりばったりだ。
幸いにもその日、友人に紹介してもらった美容院は予約なしでも入れた。オススメの美容師まで紹介してもらったが、指名料がかかると店員に言われた。あまりお金をかけたくなかったので、指名せず、すぐに始められるサイドを刈り上げている強そうな男性美容師にお願いした。
写真を見せると刈り上げ美容師さんは、余裕そうに笑みを浮かべながら、任せろといった。口調から自信が滲み出ている。こういう対応は非常に気持ちが安心するので、こちらもリラックスして待っていられる。しばらく髪を切っていなかったので、髪を梳(す)く作業から始まった。そのあと、カーラーを髪に巻きつけ、パーマ液を付けた。待ち時間は刈り上げ美容師さんとの会話を楽しんだり、雑誌を読んだりした。
結果…
私は、3歳くらいまでは少し癖っ毛だったが、突然直毛になり、現在に至るまで基本的にずっとストレートだった。なので、パーマをかけるときはいつもワクワクする。新しい自分を見ると新鮮な気分を味わえる。
カーラーを解いてもらって、シャワーで流してもらい、ドライヤーで乾かした。いよいよ新しい自分とのご対面だ。
しかし、期待とは裏腹に、鏡に映っていたのはBIGBANGのD-LITEではなかった。
実験に失敗した?爆発に巻き込まれた?
刈り上げ美容師さんがこちらでよろしいでしょうか?と聞いてきた。
私の目は泳ぎまくっていた。刈り上げ美容師さんの目も泳ぎまくっていた。
よろしいはずが無ぇだろおおおおおおお!!!!!!、とシャウトしたい気持ちを必死に抑えつつ、「最高です。ありがとうございます。」と答えた。
刈り上げ美容師さんがなぜあそこまで自信満々に任せろと言えたのか不思議だった。写真の表情を見てわかる通り、この世に絶望したような顔をしている。よく死んだ魚の目だと言われるが、この時の目はおそらく3回くらい死んでいる。
パーマの良いところは時間が経つにつれ、パーマが落ちて緩くなってくることだ。今回もパーマが緩くなった上に髪も伸びてきて、最終的にはお気に入りの髪型になった。結果オーライだ。
まとめ
思いつきで行動するのは悪いことではないと思う。どんな結果でも責任を持つことができ、受け入れられる自信があるならば。そしてやはり台湾人美容師に髪を切ったりしてもらうときは、過度な期待を持たないほうがいいと思う。