【地面師たち】ハリソン山中の狂気!ネタバレあり
追記あり08102024
公開前の前情報はこちら
商談の緊迫感とハリソン山中の狂気がすごい!
今回は以前より楽しみにしていた「地面師たち」のレビューてす。
ネタバレを含みますのでご注意ください。
こんにちは、4s Production 中沢です。
「地面師たち」とは?
原作はこちら
これは積水ハウスが55億円ものお金を騙し取られた事件を元に
作られたフィクションです。
地面師たち側からの物語なので、そこがおもしろいと評判のようです。
個人的には原作というか実際の物語を知ったのはこちらの本でした。
単行本は品切れなのか?
元値2090円から転売価格の3080円まで値上がりしています。
こちらはノンフィクションのルポとなっています。
事実を知りたい方はこちらの方がおもしろいと思います。
ちなみにルポとは?
着実に騙していく「地面師たち」
巧妙に準備をして、最後の最後まできっちり騙していく!
あっ、やば!と思ったところでも準備していた奇策で切り抜けていく。
そこがこの「地面師たち」のおもしろいところです。
予告編はこちら
リリーフランキーさんの名演技も
リリーフランキーさん演じる刑事の辰(タツ)さん。
ひょんなことから事件を嗅ぎつけ、あと一歩のところまで迫ります。
しかし、「地面師たち」のリーダー、豊川悦司さん演じるハリソン山中は
抜かりありません。
リリーフランキーさん演じる辰さんを追い詰め
『家族を守るか、飛び降り自殺するか?』の2択を迫ります。
家族が大事。
それは分かってはいるけどなかなか飛び降りられません。
ビビるリリーフランキーさんに理解を示したハリソン山中は
「私が3、2、1で押してあげましょう!」と呟きます。
そして
3で突き落とす。
『えっ? 3で? リリーさん死んじゃうの?』
リリーさんは最後まで残しておくのでは?と
びっくりした方も多いのではないでしょうか?
これ、ドラマ前半にハリソン山中が伏線を張っています。
「地面師たち」の撮影時は
綾野剛さんが3、2より、3で押した方がいいのでは?と
言ったので3で押したそうです。
リリーフランキーさんのあの表情…
なかなか見れないなんとも言えない表情でした。
ハリソン山中という男の狂気
ハリソン山中という得体の知れない人物を怖く見せる場面が多々あります。
インテリのような、武闘派のような、
どちらとも言えない出立ちの「地面師たち」のリーダー、ハリソン山中。
「地面師たち」の秘密基地は殺風景ですが
高級ウイスキーが並んでいる部屋もあり、どこか異空間のよう。
何かあったらさっと逃げられるように生活感はゼロ。
決して汚いわけではなく、必要最小限のモノしかない秘密基地。
男の子は好きな人も多いのでは?と思います。これも見どころ。
狂気を感じたシーン
なりすまし役の女性が急遽、商談行けなくなってしまいます。
チームは揉めはじめます。
翌日の商談を成功させるには方法はひとつ。
レイコさん(小池栄子)がなりすまし役になるしかありません。
嫌がるレイコさん(小池栄子)
煽りまくる後藤(ピエール瀧)
そこでハリソン山中がキレる。
レイコさん(小池栄子)の髪の毛を鷲掴みにして
『カンタンに殺すとか言うのに虫唾が走る、やるのか?やらないのか?』
レイコさん(小池栄子)が本気でビビっている感じが
非常に伝わるシーンでした。
もうひとつの狂気
これはみた人は満場一致ではないでしょうか?
図面師の竹下(北村一輝)をブーツで踏み殺すシーン。
あれだけ踏みつけると顎が砕けるのでしょうか?
最後にはプシューという効果音も入っていてゾッとします。
ビデオ撮影しながら踏み潰しているのも狂気を感じます。
非常に狂気に満ちていてゾッとするシーンでした。
昔の長渕剛さん主演のドラマ『とんぼ』でも同じようなシーンがありました。
とんぼでは長渕剛さんが膝下をバットで何度も何度も殴られるシーン。
殴られている周りの人もモドしてしまうほど狂気に満ちたシーンでした。
皆さん良い演技
後藤役のピエール瀧さんも良い感じの怪しい関西弁で、怪しい感じが◎
チームが危なくなると関西弁でまくしたてながらフォローに入る。
この怪しい感じが出せる人も少ないのでないでしょうか?
図面師の竹下さん(北村一輝)に「シャブ食い過ぎとちゃうかー?」というシーンは、ピエール瀧さん(覚醒剤で逮捕歴あり)ならでは?
というか地上波では絶対に言えないセリフです。
綾野剛さんも難しい役どころでしたが、
感情の起伏を上手に演じられていてすごいなぁと感心。
不幸そな焦燥感あふれる演技。
メガネを色々と変えているようですが
かなりの闇が深そうな顔、雰囲気の作り方は素晴らしいと思います。
積水ハウスの開発事業部 部長の青柳(山本耕史)さんも迫真の演技でした。
会社の大事なプロジェクト用の土地を買収予定が失敗してしまい
猛烈な勢いで他の土地を探していいたところ、問題の土地を見つけます。
そして良いタイミングで地面師たちの情報が入ります。
やっとの思いで見つけた土地、運良く交渉に持ち込み
ついに念願の土地を手に入れた!
これで出世も間違いないし、自分は人生の勝ち組!
と思っていた矢先。
騙されたと気づいたらどのような表情になるのか?
これがこのドラマのいちばんの見どころではないでしょうか?
そういう見方もある?
井川意高さんがYouTubeでふれていましたが
問題になった百田尚樹さんのこちらのツイート
確かに詐欺映画であれば、殺しなどはせずに
詐欺だけで完結した方がおもしろい部分もありそうです。
詐欺なら詐欺のみという制約があるからおもしろいかもしれません。
サッカーは手を使わないルールと同じように。
人それぞれ考え方が違うということですね。
ちなみにスティングの映画はこちららしいです。かなり古そう…
1973年にアカデミーショーを受賞したらしい。
ちょっと気になる点も
その1
他の方も言っていましたが池田エライザさんがキレイすぎて
警察っぽくない気が…。少し地味目な人でも良かったのでは?
その2
本当に見たかったのはこちらでした。
リアルの方が怖い!
Netflixドラマ、地面師たち では、地面師たちが騙したところで
終わりますが
実際の積水ハウス地面師詐欺事件では当初、事件が隠蔽されます。
社長案件として進めていたのに55億を騙されてしまった!
さすがに会長も黙認できず、取締役会議で社長交代を告げる予定でした。
しかし、会議で社長がクーデターを起こして会長を首にします。
そして
自分が55億円詐欺にあった事件を揉み消したのです。
しかし、日経新聞電子版で北西厚一記者のスクープ記事によって
一連の経緯が明るみに出ます。
その後、大変な騒ぎとなっていきます。
そのクーデターの深層がわかる一冊が下記の「保身」です。
「事実は小説よりも奇なり」とはよく言ったモノです。
こんなドラマのような話しが実在するのが
ノンフィクションのおもしろいところです。
ホンズのレビューを読んでみるだけでもおもしろいと思いますよ。
原作「地面師たち」の本を読んだ方はこちらの本もぜひ
読んでみてください。
「地面師たち」のドラマに負けないぐらいおもしろい一冊ですよ!
それでは、4s Production 中沢でした。
keep smiling!!
ブルーレイもでているようです。