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【未だ来ぬ未来 確かな未来 何をすべきかの今】vol.2


vol.2では、いきなり【観光業マーケティング】の数値から入ります。
※(観光業を例に上げているが、本質的にはすべての業種が当てはまる)

これは私の地元・歴史の町、会津若松に「歴史探訪」という目的で観光旅行に来るという想定での見込客数です。

●70代前半人口→約1000万人
 アクティヴ比率(旅行に行ける人)→30%で約300万人  
 →  カテゴリー関心比率(この場合、歴史に興味ある人)→5%で約15万人
 →ピンポイント関心比率(会津若松へ行こうと考える人)→5%で約7500人
 【見込客 約7500人】

●50〜60代(観光業ではここが最大のターゲット層)→約3500万人
 →アクティヴ比率→70%で約2500万人
 →カテゴリー関心比率→5%で約120万人
 →ピンポイント関心比率→5%で約6万人
 【見込客 約6万人】

●35〜49歳→約2500万人
 →アクティヴ比率→80%で約2000万人
 →カテゴリー関心比率→4%で約80万人
 →ピンポイント関心比率→3%で約2万人
 【見込客 約2万人】

●20〜34歳→約1800万人
 →アクティヴ比率→75%で1300万人
 →カテゴリー関心比率→2%で約27万人
 →ピンポイント関心比率→0.8%で約2200人
 【見込客 約2200人】

これがマーケティングで現在の会津へ「歴史探訪」のカテゴリーで集客を考える時の年齢別見込客数です。

それだけマーケティングでは新規開拓であろうが、リピーター化であろうが、出発点の「見込客」は大事な数字になります。

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どうでしょう。
日本は人口が減少している…将来はマーケットが縮小する…いくら抽象的にそう言われても、こうして具体的な数字で見れば一目瞭然でしょう。
実情や、vol.1で述べていた「未来へ繋がる今」「未来の種を撒く今」の必要性をリアルに感じませんか?

結果としては会津若松へ大勢が観光旅行に来てくれれば良いので、現在(目先の今)への対策としては…

❶カテゴリー関心比率のカテゴリーを「自然リゾート」「温泉」「伝統・文化」「街の風景(都会的or田舎的)」「スポーツやアクティビティ」「食と地酒・ワインなど」「イベントや祭事」など、他のカテゴリーで比率を高める。

❷ピンポイント関心比率の「会津若松」の認知度を単純に広げる。

この2点に注力するしかありません。注力した後は、具体的に競合他社と争奪戦です。

しかし、根本に立ち返って再度強調します。
それは「今」目先の今への対策です。
同時にやっておかねばならない「未来へ繋がる今」「未来の種を撒く今」ではありません。

どんな対策で見込客を増やそうと、全体の数値そのものが激減します。その事を忘れてはなりません。

今はもう、団塊世代も確実に70代半ばです。全員が矢沢永吉さんではあるまいし、体力の衰えは否めないものです。

50〜60歳の半分程度の人口しかいない20〜34歳。当然ですが、彼らが50歳になった時に、自然に人口が増える事など、けしてありません。

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ちなみに添付資料で「アクティヴ比率」という項目名が赤い文字で、青文字の両関心比率と区分している理由。
アクティヴ比率は数学で言う所の「定数項目」であり、両関心比率は「変数項目」であるという事です。

簡単に言えば「定数」は《自分たちでは変えようのない数値》であり、「変数」は《自分たちで変えられる数値》です。

アクティヴ比率は健康面、職業などの事情、経済力、もともと旅行に出ない性分だなどと、そんな比率と人数は必ず一定数あるもので、また、揺るぎない事です。

それが70代からは著しく低下します。
もし、高齢の親の旅費を子供世代が親孝行で出すならば、この時のターゲット世代層は子供世代となります。誰が主導権を持っているかが鍵なのです。

若い年代は当然アクティヴ比率は高いが、「カテゴリー関心比率」が低くなります。
その為に「歴史好き」が少ないから「スキー・スノボ」「キャンプ、アウトドア」で増やそうか? だとか、「イベント」を増やそうか?などの対策となります。

若い世代でも35歳でボーダーラインを引いて考えているのは、結婚して子どももいて「世帯」で動く事が多いか、「独身」又はまだ子供がいないカップルの方が多いかの判断目安。

この様に年齢別に考える事はどの業種でもあるでしょう。
当然、業種や商品によっては最初から20代向けだとか50代向け、と絞り込んでる物もあります。
年齢別で考えるという事は、あらゆる傾向と対策、集中がそれだけ掴みやすい筈です。

そして「ピンポイント関心比率」。その改善策はシンプルに自治体や観光スポット自身の営業努力です。

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ここの説明で注意せねばならない事は「年齢別で考える」と「世代別で考える」はまったく異なります。

「世代別」は年齢別ではありません。

それは3世代の例の様に、祖父母の団塊世代、両親の団塊ジュニア世代、子供たちのZ世代、という分類です。

受けてきた教育、社会を取り巻く環境と情勢、文明、価値観がまったく異なるからこそ、その背景をマーケティングでは考えねばりません。

見込客を増やす対策…カテゴリー関心比率やピンポイント関心比率の「変数」をどう変えようと、元となる年齢別人口の全体、分母が明らかに、圧倒的に減るからです。
ここが「人口減少」の悩ましい所。

ただでさえこれから「web3.0」に差しかかろうとも言われる夜明け前。未来と未来の為に種を撒くマーケティングが変わってくるのは至極当然の話です。

●web1.0はパソコンとインターネット、WindowsOSの登場と普及で1990〜2004年。
●web2.0はスマホとアプリ、SNSの登場と普及で2005〜2020年。
●web3.0はメタバース、ブロックチェーン、AI、自動運転などのテクノロジー・イノベーション。

これが過去30年の変化です。団塊、団塊ジュニアはその30年を「あっという間だったな」と振り返る事が出来るでしょう。
つまり、ここで言っている「未来」に対しても、何も100年先と言ってる訳ではなく、30年以内の未来です。
Z世代が「あっという間だった」と振り返る頃、激減するマーケット人口、団塊ジュニアの私達が隠居している未来です。

そうなると今、当然「教育」も変わります。

団塊世代も団塊ジュニア世代も「昭和式教育」
ワザは見て盗め、自分で考えろ、そして自分で考えてやったら間違えて怒鳴られてきた教育でした。

ゆとり世代の社会進出により、手取り足取り優しく教える教育への変化を経てきました。

Z世代は自分で「ネットで見て盗める」「ネットで手取り足取り学べる」この業界はこういう物という通念も疑い、同業他社の情報をネットで調べます。

そして究極には、先述のweb3.0の定義をあの様にカタカナで並べられた時、すぐ理解できる団塊世代、団塊ジュニア世代は少ない筈。
そうなると、Z世代が団塊、団塊ジュニアに教える事にもなるのです。

教育の逆転であり、Z世代はZ世代向けの教育方式が必要です。
そしてそれはZ世代へ技能継承すると共に、団塊、団塊ジュニアの昭和世代こそが変わらねばなりません。マーケティングだけではなく、マネジメントも激変します。

そういう事こそが全業種に通じる「未来へ繋がる今」「未来へ種を撒く今」の入口です。

《続く》

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