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最新音声AIを徹底解説!あなたの声まで再現する驚きの音声AIサービスを一挙ご紹介

こんにちは、丸山潤です。
私はこの1年以上、音声AIに深く関わり、その可能性や技術の進化、そして課題について多くを学んできました。
今回の記事では、音声AIの最新技術や日本およびグローバルの注目サービスについて、さらにこれからの未来にどんな変化が起きるのかを予測しながらお話したいと思います。ぜひ最後までお付き合いください!


音声AIで起きていること

1.声を真似し、感情まで再現できる

これまでは、あらかじめ登録された声しか使えませんでしたが、現在では自分の声を登録し、その声をAIでリアルに再現できる時代になっています。つまり、AIに自分や他人のモノマネをさせることも可能です。さらに、喜怒哀楽などの感情表現も可能になり、まるで生身の人が話しているかのような自然な音声が実現されています。

2.TextToSpeech(テキスト読み上げ)とダビング(音声変換)

音声AIには以下の2つの技術が注目されています。

  • TextToSpeech(テキスト読み上げ):テキストを入力するだけで、その内容を音声で読み上げてくれる技術です。自動ナレーションやアナウンスなどで幅広く活用されています。

  • ダビング(音声変換):動画や音声を読み込み、それを他の言語に翻訳しつつ、話者本人の声で再現する技術です。映画の吹き替えや海外へのコンテンツ配信において、非常に有効なツールとして活用されています。

ダビングに関しては下記の記事の動画を見ていただけるとわかりやすいかと思います。

下記は日本語から英語のダビングです。他の言語や元動画を確認したい方は記事よりお願いします。

3. リアルタイム配信


音声AIはライブ配信の分野でも活用されています。たとえば、私が携わっているCamb.aiでは、メジャーリーグサッカーで実際に音声AIを用いたライブ配信を実施しています。
この技術により、自分の言葉をリアルタイムで他言語の相手に伝えることが可能です。さらに、AIは感情を込めた音声で伝えることもできるため、コミュニケーションの質を大きく向上させることができます。

こちらが、実際のMLSでのライブ配信の動画になります。その他フランス語やポルトガル語にも同時にライブ配信を行なっています。

音声AIの技術で分かったこと

私が音声AIに携わる中で気づいた、注目すべき技術をご紹介します。

1. ダイアリゼーション技術の飛躍的な向上

ダイアリゼーションとは、会議や放送音声で「誰が、いつ話しているか」を特定する技術です。この技術は格段に進化し、例えばGoogleでは精度92%のモデルがオープンソースとして公開されています。

Googleの技術詳細:

NTTダイアリゼーションの概要

これにより、議事録サービス利用時に多くの人が感じていた課題、つまり「話者が多いと文字起こしの精度が低下する」という問題が大幅に改善されました。これにより、より正確な記録が可能になり、業務効率も向上しています。

2. ゼロショット学習による驚異的な進化

ゼロショット学習(ZSL)とは、AIが事前に見たことがないカテゴリや概念をも認識・分類できるようになる学習手法です。
詳細はこちら:
IBMの解説

これは、要するに「AIが自律的に学習する仕組み」を構築する技術です。例えば、私が関わるプロジェクトでは、日本語がわかるエンジニアがいなくても、AIが日々学習を進め、日本語処理の精度が着実に向上しています。従来のLLM(大規模言語モデル)とは異なり、非常に少ないデータ量でも高いパフォーマンスを発揮する点も特徴です。

特に驚くべきは、プロジェクト内で「これどう?」と私が聞かれるたびに、日本語処理の精度が目に見えて向上していることです。AI技術の進化が、実用的な現場でも日々確認されています。

最新の音声AIサービス

Camb.ai

Apple出身のエンジニアが設立したドバイ拠点のスタートアップ。メジャーリーグサッカーや全豪オープン、ニューヨークヤンキースなど、数々の実績を持つ音声AI企業です。特にライブ配信において世界トップクラスの技術力を誇ります。最近では、TextToSpeech(テキスト読み上げ)サービスなど、機能の拡張も進めています。

ElevenLabs

Googleの元機械学習エンジニアとPalantirの元ストラテジストによる共同設立。特にTextToSpeech(テキスト読み上げ)技術で注目されており、日本でも多くの活用例が見られます。

CoeFont

日本製の音声AIで、日本語の音声合成において高い精度を誇ります。そのクオリティの高さは、例えばひろゆきさんの声を非常にリアルに再現した動画でで注目を集めました。日本語のナレーションや音声制作において信頼性が高いサービスです。

Deepdub

映画やドラマなどの分野で幅広く採用されている音声AIです。感情の細かい調整が可能で、吹き替えやローカライズの分野で高い実績を誇ります。

こちらはCamb.aiの事例ですが、実際映画の吹き替えをAIで行われている事例は増えています。

音声AIサービスの選び方

音声AIサービスを選ぶ際は、まず「どの用途で使いたいか」を明確にすることが重要です。TextToSpeech(テキスト読み上げ)、ダビング、ライブ配信など、目的によって適切なサービスが異なります。
また、最終的なアウトプット言語によっても、選択肢が変わります。日本語はやはり、日本製のサービスが非常に優れています。一方、グローバル向けには、Camb.aiなどが高いパフォーマンスを発揮しています。ただし、これは現時点での評価であり、今後の技術革新によって状況は逐次変わってゆくでしょう。
個人的な印象として、開発者の母国語がサービスの品質に影響を与えることが多いと感じています。たとえば、Camb.aiはインド出身の方によって開発されているため、インドの複数の言語で非常に高い精度を発揮しています。
また、興味深い発見として、日本語と韓国語は文法やイントネーションが似ているため、自然な仕上がりになりやすい特徴があります。このような文化や言語の特性を活かした選び方も、サービス選定の参考になるでしょう。

2025年は音声AIの年になる

2025年は音声AIがさらなる進化を遂げ、私たちの日常やビジネスに大きな影響を与える年になるでしょう。ビッグテック企業も次々と革新的な発表を行っています。

Microsoft

マイクロソフトは、Microsoft 365 Copilotの新機能として、音声の同時通訳機能を発表しました。この機能は、Teamsで利用可能になり、異なる言語を話す人々とのスムーズなコミュニケーションを可能にします。これにより、グローバルなビジネスシーンでの利便性が大幅に向上するでしょう。
詳細はこちら:

Google

Googleは、YouTube上で「英語から日本語」などの翻訳された音声トラックを自動生成する吹き替え機能をリリースしました。これはグローバルで視聴体験を一段と向上させる機能だと思います。
詳細はこちら:

音声AIで起きること

ここからは、私の個人的な予測についてお話しします。

まず、YouTubeやTikTokなどで、音声AIを使って変換された動画を見る機会がさらに増えていくと思います。
例えば、以前私が関わったプロジェクトの一環で、AIを使った動画を試験的に投稿したことがあるのですが、視聴者はそれがAIによるものだと気づきませんでした。

また、Teamsだけでなく、ZoomやGoogle Meetなどのプラットフォームにも音声変換の機能が次々と導入されるでしょう。特に、会議のようにリアルタイムな会話や判断が求められる場面では、音声AIの活用がより進むはずです。映画やドラマでは字幕でも十分な場合がありますが、会議では音声AIの技術がより適していると感じます。

また、現在私が関わっている面白い取り組みとして、歌声の再現や、話す人が少なくなり消滅の危機にある言語を後世に残す取り組みにも音声AIが活用されています。こうした用途は、音声AIの可能性を広げる重要な分野になると考えています。

このように、音声AIは私たちの日常のさまざまな場面に浸透していき、技術が進むにつれて、その存在感はますます大きくなるでしょう。重要なのは、この技術とどのように向き合い、活用していくかだと思います。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

その他

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