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浅瀬サンゴ死滅について
沖縄に住んでいて、捨てられない趣味の一つが、シュノーケルで浅瀬サンゴを探索することだった。魚や生態に詳しいわけではないが、サンゴの上を泳ぎ、魚を眺めていると、自然と共にあるというか、ここは人間の住処ではないというか、何というか、たまらないのだ。
今年は猛暑であり、8月くらいから気になって、泳ぎに行くと、サンゴの白化が始まっていた。サンゴには多種の種類があり、褐色、水色、黄色、様々な色があるのだが、それが白一色になってしまう。当初はどうだろう、サンゴの1割くらいに広がってきて、まずいなと思っていた。ただ少々浜から離れるとサンゴ礁が生き生きとしているので「なんとか持ちこたえるかもしれない」と思ったのだが、9月に入ると、浜の近辺はかなり白化が広がり、半分以上白化している状況になった。ただ浜から20-30m離れた場所はまだ健在、しかしこれらの場所でも、2割程度白化しているという状態になってきた。
10月、やや天候や潮の状況が合わなかったのでしばらく行くのを見合わせていたが、10/19いつものスポットに出向いた。
そうしたら、サンゴは9割9分、浜から離れた場所を含め、死滅していた。。。サンゴは白化したあと、藻に覆われて、土のような色になり、死んでいく。ほぼ100%、浜から離れた場所を含め、私がスポットにしている100~200m一帯が、死に絶えたようなところになってしまった。
魚がいなくなっているわけではないが、サンゴ付近に生息するような小さな魚はほとんどみられない。浜から離れた岩礁の始まりの場所では、数パーセント生きているサンゴのあるあたりに、魚が群がっている。いつも岩礁へ向かう際のチェックポイントには目印となる黄色っぽい大きなサンゴがあり、その下のイソギンチャクにはクマノミが生息している。気になって見つめてみると、サンゴがかなり萎んで小さくなっていて(でも生きているような)、クマノミは小さな子供がかろうじてウロチョロしているのを確認できた。
あまりのショックに、その日はそのことばかり考えていた。復活するとしたら何年かかるのか(多分復活はできない)。魚たちにはどのような影響があるのか。魚たちはひとまずどこへ行くのか。私にはどのような責任があり、何をするべきだったのか、、、。
自宅の近くの林を散歩に行き、数百メートル草木が全滅していたら、皆びっくりすると思う。それと同じようなことが海中でおこっているのだ。しかし、ひとまず浜から見る分には青い海。ほとんどの人は気づくこともない。
温暖化という人間の所業により、生物の居場所が激変するということは森林他でも起こっている。それをまじかに感じた。