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『富士山ブック2024』東北の高校生の富士登山・取材インタビュー2019年参加:美山 遥さん第1弾

2024年5月に山と渓谷社から刊行されました『富士山ブック2024』にて、「東北の高校生の富士登山」についてのご紹介いただきました。その中で過去参加者へのインタビュー取材を実施いただきました。今回は2019年に参加した美山 遥さんのインタビューを2回に分けてご紹介します。

『富士山ブック2024』(山と渓谷社) https://www.yamakei.co.jp/products/2824907960.html

インタビュー:美山 遥さん
国際教養大学/マールブルク大学・4年生 22歳 / 東北の高校生の富士登山2019参加)

インタビュアー:谷山宏典氏(執筆・編集)/佐々木 亨氏(山と渓谷社編集部)

東北の高校生の富士登山2019・集合写真



谷山宏典氏(以下、敬称省略)
:美山さんは東北の高校生の富士登山に応募した際、田部井淳子さんのことはご存知でしたか?

美山遥氏(以下、敬称省略)
:応募したときには、田部井淳子さんのことは知りませんでした。ただ、両親に参加することを説明したら田部井さんのことを知っていて、両親から話を聞きました。

谷山:田部井淳子さんは女性で初めてエベレストに登った方で、日本だけでなく世界的にも有名な女性でした。ただ、ご本人にお会いするとそういう素振りはまったく見せず、いつも気さくに話しかけてくれる、とても魅力的な方でしたね。

美山:お会いしてみたかったです。

谷山:美山さんが東北の高校生の富士登山に参加されたのは何年ですか?

美山:高校2年生なので2019年です。

谷山:そうか、(田部井淳子さんが)亡くなってしまった後ですね。

美山:はい。

谷山:美山さんは大学4年生ということですが、現在おいくつになりますか?

美山:22歳になります。

谷山:ドイツに留学中ということですが、ドイツのどこの大学ですか?

美山:マールブルク大学に留学しております。マールブルクは、フランクフルトから電車で1時間ぐらいのところにあり、街全体が大学を中心にできている、大学都市みたいな街だと思います。

谷山:ヨーロッパは、古くからある大学が中心となって都市が形成されていることがありますが、マールブルク大学も歴史のある大学なのですか?

美山:そうだと思います。ライト兄弟の母校だったと思います。

谷山:マールブルク大学で社会学を勉強しようと思ったのはなぜですか?

美山:私が日本で通っている国際教養大学は専攻がないことが特徴で、広く色々なトピックから勉強することができるのです。これまでも色々な分野の勉強をするようにしていたのですが、社会学の講義を受けたときに、今までぼんやりしていた自分が学びたいテーマがはっきりした感じがしました。人々の文化や生活など、自分に近いものに関する勉強が面白いなと思うようになり、またそれぞれの国によってフォーカスしている部分が大きく違ったりすることに興味があったので、留学先を選ぶのに面白いトピックかなと思い、社会学を選びました。

谷山:幼少の頃から英語が得意だったとうかがいましたが、留学はずっと考えていたのですか?

美山:はい、ずっと考えていて、最初は高校生のときに1年間アメリカに語学留学をするつもりでしたが、部活動の関係で行くのを諦めました。国際教養大学は1年間の留学が義務留学になっており、交換留学で単位もそのまま持って帰れる大学なので、受験のときには「国際教養大学に絶対行きたい」と思って勉強していました。

谷山:国際教養大学は、東北にある大学ですよね?

美山:はい、秋田にあります。

谷山:3年生までは国際教養大学にいて、4年時に留学をするということですか?

美山:私は大学3年の夏から4年の夏までですが、3年の冬からの人もいて、人それぞれです。在学中に1年間の留学が義務になっています。

谷山:英語が得意であれば英語圏の大学も選択肢にあったとは思いますが、なぜドイツを選択したのでしょうか?

美山:私自身、英語が完璧に話せるわけではないので、英語をモチベーションにしてもよいとは思いましたが、社会学により興味があったので、語学よりも文化を学べるところを選ぶことにしました。ヨーロッパはEU圏内の移動がすごく簡単だったので、英語圏の国に比べると色々な文化を一気に勉強できるという点からも、ドイツが良かったのです。

谷山:大学の授業は大変ですか?

美山:はい、国際教養大学もマールブルク大学もディスカッションを重視しているので、その中に英語が第一言語の人たちがいるとレベルもグンと上がります。また、ディスカッションをする中でそれぞれの国の文化の違いが出てきやすくて、日本人みたいに最後まで話を聞いて肯定した上で自分の意見を言うというスタイルではない国の人も多いので、英語が難しいだけではなく、コミュニケーションの仕方も難しくて苦戦しています。

谷山:留学先での話も面白そうでいろいろ聞きたいところですが、そうした国際的な環境で学んでいる現在の美山さんと、東北の高校生の富士登山に参加されたことが、どのようにつながっているのかということをこれからお聞きしたいと思います。そもそもどのようなきっかけで、この富士登山に申込みをされたのですか?

美山:高校2年生の休み時間に友達と遊んでいるときに、たまたま教室のボードに(募集チラシが)貼ってあるのを見つけて、同じバスケットボール部のマネージャーの子と一緒にその場のノリで「面白そうだから申し込んでみる?」みたいな、本当に軽い気持ちで話し始めたのが最初のきっかけでした。
申し込んだ理由はいくつかあって、1つ目は、うちの高校が1年生のときに登山が修学旅行みたいな感じで必須だったので、山に登るのは抵抗がなかったということです。
2つ目は、2年生のときに同級生がアメリカ留学するなど、色々なことに挑戦をしているのを見ていて、「自分たちも何かやってみるか」と話をしていたところだったので、すごくタイミングがよかったのです。
3つ目は、あまりよろしくない動機かもしれませんが、正直こんな値段で富士山に行けるなら行ってみたいよね、という話もしていました。それらが主な理由でしたね。

谷山:高校生が自分のお小遣いで申し込みできる値段に参加費を設定していることは、田部井進也さんが特にこだわっていることのようですね。「この値段で行けるなら行ってみたい」というのは、高校生の側からしてみれば、本音の部分としては大きいでしょうね、3000円ですから。では、美山さんは、バスケ部のマネージャーの友達と一緒に2人で申込みをされたのですか?

美山:はい、その友達と2人で申込みましたが、たまたまいつも一緒にいる男の子も個人で申込んでいたので、そこからは3人で話をして準備しました。

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続きは、美山 遥さんインタビュー第2弾で。
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